

1番わかる建設業許可の教科書、行政書士の小野馨です。
今回は「会社設立して建設業許可を取るためのポイント」をわかりやすく解説します。
建設業許可を取りたいけれど、税金や社会保険料の負担が重くて「会社設立」や「マイクロ法人」を検討している…というご相談、本当によくいただきます。
「節税したいけれど、許可が取れなくなったら本末転倒だし…」と悩むのは当然です。
特に最近は、健康経営やホワイト化といったキーワードが建設業界でも注目されており、単なるコスト削減だけでなく、従業員の定着率向上や生産性アップといった「費用対効果」を意識した法人化が求められています。
この記事では、建設業許可の専門家としての経験と、自らも複数の事業を運営する経営者の視点から、許可を守りながら賢く会社を作るための「王道の勝ち筋」を包み隠さずお話ししますね。
- 個人事業主とマイクロ法人を使い分けた際の手取り額や社会保険料の仕組み
- 建設業許可の「常勤性」要件とバーチャルオフィスや役員兼務の危険な落とし穴
- 資本金500万円の壁や家族を役員にするスキームなど具体的な設立ノウハウ
- 会社設立後の経営を安定させる産廃許可や健康経営、助成金の活用戦略
建設業許可と会社設立!マイクロ法人で失敗しない王道ガイド
まずは、建設業の一人親方や個人事業主の方が、会社設立やマイクロ法人化を検討する際に必ず押さえておくべき「基礎知識」と「法的な罠」について解説します。
ここは建物の「基礎工事」と同じで、手抜きをすると後でガラガラと崩れ落ちてしまう一番重要な部分です。
お金の話と法律の話、少しややこしいですが、現場の言葉でわかりやすく紐解いていきますね。
個人事業主とマイクロ法人の手取りと社会保険料
「マイクロ法人を作ると社会保険料が安くなる」という話、現場の休憩所やSNSなんかで一度は聞いたことがあるかもしれません。
これ、建設業の個人事業主さんにとっては、単なる噂話ではなく、家計を守るための非常に強力な「防衛策」になり得るんです。
まずは、なぜ安くなるのか、そのカラクリをしっかりと理解しましょう。
通常、個人事業主として建設業を営んでいて売上が伸びてくると、どうしても避けられないのが「国民健康保険料」と「国民年金」の負担です。
特に国民健康保険料(または建設国保)は、前年の所得に応じて計算されるため、稼げば稼ぐほど負担が重くのしかかります。
しかも、会社員の社会保険と違って「扶養」という概念が薄いため、家族が増えればその分だけ保険料が増えることもありますし、自治体によっては年間所得が一定を超えると、最高限度額(年間約100万円近く)を支払わなければなりません。
正直、税金よりもこの保険料の高さに悲鳴を上げている親方衆は本当に多いんですよ。
そこで登場するのが、「個人事業主(本体)」と「マイクロ法人(サブ)」の二刀流スキームです。
仕組みはこうです。
まず、建設業としての売上の大半は、これまで通り「個人事業主」として受け取ります。
そして、資産管理や事務代行などを目的とした「マイクロ法人」を設立し、そこから月額4万5千円〜6万円程度の低い役員報酬だけを受け取る形にします。
こうすることで、あなたの社会保険(健康保険・厚生年金)は、マイクロ法人の「最も低い等級」で固定されます。
一方で、個人事業主側で加入していた国民健康保険と国民年金は脱退(適用除外)することになります。
結果として、個人事業でどれだけ数千万円稼ごうとも、社会保険料は法人の最低ライン(月額2万円程度など)で済むようになるのです。
さらに見逃せないのが「保障の厚さ」です。
国民年金だけの状態から、マイクロ法人を通じて厚生年金に加入することで、将来受け取れる年金額が増えるだけでなく、万が一の際の障害厚生年金や遺族厚生年金も対象になります。
「支払いは安くなるのに、保障は手厚くなる」という、魔法のような状態を作れるのがこのスキームの最大のメリットかなと思います。単なる節約術ではなく、将来の安心を買う戦略なんですね。
ポイント
ここがポイント
マイクロ法人で社会保険(協会けんぽ等)に加入すれば、扶養家族が何人いても追加の保険料はかかりません。
建設国保で家族分の負担に苦しんでいる方にとっては、劇的なコストダウンにつながる可能性があります。
(出典:日本年金機構『保険料額表(令和6年度版)』)
建設業許可の常勤性とマイクロ法人役員の兼務リスク
さて、ここが今回の記事で一番伝えたかった核心部分であり、行政書士として最も強く警告しておきたいポイントです。
建設業の方がマイクロ法人をやる場合、最大の壁になるのが「建設業許可の常勤性(じょうきんせい)」という要件です。
ここを甘く見ていると、会社を作ったことが仇となり、肝心の許可が取り消されるという悪夢を招きかねません。
注意ポイント
建設業許可を取得・維持するためには、営業所に常駐する責任者として「経営業務の管理責任者(経管)」と「専任技術者(専技)」を配置しなければなりません。
建設業の経営業務の管理責任者の要件などは、以下のページで必ずご確認ください。
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営業所に関する注意点 建設業許可を取得する為には、建設業を営む営業所が要件です。個人事業者が建設業許可を取得する場合、自宅を営業所として登録する事がよくあります。 基本的には、戸建てでもマンションでも ...
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この「常勤」というのは、文字通り「平日の営業時間中(例:8:30〜17:30)、その建設業の営業所に身を置いて業務に専念していること」を指します。
テレワーク等の例外も一部認められつつありますが、原則は「物理的な常駐」です。
お役所は「現場に出ている時間は仕方ないが、管理業務を行う拠点はそこだよね?」という見方をします。
ココがポイント
一方で、マイクロ法人で社会保険に加入するためには、その法人の「常勤役員」として報酬を得ている実態が必要です。
健康保険法上、非常勤役員は原則として社会保険の加入対象外だからです。
ここに、逃れられない矛盾が生じます。
もし、あなたが「個人事業主の建設業で専任技術者として常勤登録」していながら、同時に「別のマイクロ法人でも代表取締役として常勤し、社会保険に加入」していたらどうなるでしょうか?
建設業許可を管轄する都道府県や地方整備局から見れば、これは「体が2つないと不可能な状態(常勤性の欠如)」とみなされます。
これは単なる書類上のミスではありません。
注意ポイント
「虚偽の申請」として、最悪の場合は建設業許可の取り消し処分を受けたり、営業停止処分を食らうリスクがあります。
さらに、一度許可を取り消されると、その後5年間は許可を取り直すことができないという、建設業者としては「死刑宣告」に近いペナルティが待っています。
特に建設業許可の更新時や、業種追加の申請時には、健康保険証の写し(事業所名が記載されたもの)の提出を求められることが多くなっています。
そこで「あれ?個人事業の屋号じゃなくて、全然違う法人の名前が入ってるぞ?」と担当官に見つかり、一発でアウトになるケースが実在します。
リスク管理の観点からも、この「兼務」は絶対に避けるべきです。
注意ポイント
絶対NGなパターン
「バレなきゃいいだろう」と安易に考えるのは危険です。
行政庁のデータベース連携も進んでおり、整合性が取れない申請はすぐに見抜かれます。
目先の数万円の節税のために、本業の許可を失うリスクを犯すのは経営判断として間違っています。
(出典:国土交通省『建設業許可制度の概要』)
バーチャルオフィスはNG?建設業許可の営業所要件
会社設立(法人登記)と建設業許可で、もう一つ大きく異なる基準があります。それが「営業所の実態」です。ここも多くの人が勘違いしやすい落とし穴なので、詳しく解説します。
最近は、初期費用を抑えるために「バーチャルオフィス」や「シェアオフィス」で法人登記をするケースが増えています。
都心の一等地の住所を月額数千円で借りられるサービスは、ネットビジネスやコンサルティング業であれば非常に便利で、法人口座も作れますし、登記も全く問題ありません。
しかし、建設業許可を取りたい場合、バーチャルオフィスは原則として「NG」だと考えてください。
建設業許可における「営業所」とは、単に登記上の住所がある場所ではありません。
請負契約の見積もりや締結、電話対応、書類の保管などが常時行える「物理的な空間」を指します。
具体的には、以下の要件を厳格に満たす必要があります。
- 居住スペースや他社と明確に区分された専用のスペースがあること(パーテーションや壁で完全に区切られている)。
- 固定電話、机、パソコン、書庫(契約書などを保管する棚)が備え付けられていること。
- 入り口に、その会社の看板(表札)が明確に出ていること。
- 使用権原があること(賃貸借契約書の使用目的が「事務所」になっている、または家主の承諾書がある)
多くのバーチャルオフィスは「住所貸し」や「郵便転送」がメインであり、自分専用の個室や固定電話がありません。
これでは物理的要件を満たしません。
また、シェアオフィスやコワーキングスペースも、個室がなくフリーアドレス形式の場合は「独立性が保たれていない」として許可が下りないことがほとんどです。
都道府県によっては、申請後に担当者が現地調査に来て、写真を撮って帰ることもあります。
「とりあえず安いバーチャルオフィスで会社を作って、後から建設業許可を取ろう」と考えて進めた結果、いざ許可申請の段階で「ここでは許可が出せません」と土木事務所に門前払いされ、オフィスの移転登記(司法書士報酬や登録免許税で約6万円以上+手間)を余儀なくされる…
という失敗事例が後を絶ちません。

それと固定電話と事務ができる机やいす、パソコンなども今の時代は必須です。
家族を代表にして適法にスキームを組む解決策
「常勤性の問題もあるし、営業所の問題もある。じゃあ建設業者はマイクロ法人を使えないの?」というと、そんなことはありません。
先ほどのリスクを回避し、ちゃんと適法にメリットを享受する「王道の解決策」があります。
私がいつも提案しているのがこのスキームです。
それは、「ご家族をマイクロ法人の社長にする」という方法です。
さらに詳しく
具体的には、あなたの配偶者(奥様や旦那様)や親族をマイクロ法人の代表取締役として登記します。
そして、あなた自身はあくまで「建設業の個人事業主(および専任技術者)」としての立場を守り抜きます。
これなら、あなた自身の「常勤性」は建設業の営業所に固定されるため、建設業法上の問題は一切発生しません。
完全にシロです。
このスキームでは、ご家族がマイクロ法人から役員報酬を受け取り、社会保険に加入することになります。
そして、可能であればあなた自身はそのご家族の「扶養」に入る、あるいはご家族の厚生年金加入による世帯全体の手取り増を狙う、といった調整を行います。
世帯単位で見れば、社会保険料の大幅な削減効果が見込めます。
ただし、ここで絶対に注意してほしいのが「実態」です。
ご家族が名前だけの社長で、実際には何もしていない(名義貸し状態)となると、税務調査で否認されるリスクがあります。
「それは実質あなたの所得ですよね?」と言われないために、マイクロ法人としての実体ある業務を、代表者であるご家族自身が行うようにしてください。
参考
例えば、「建設業の事務代行」「経理代行」「ウェブサイトの更新管理」「不動産管理」などが一般的です。
そして、個人事業主であるあなたとマイクロ法人の間で正式な「業務委託契約書」を締結し、毎月適正な対価(外注費)を支払う形を作ります。
これなら、お金の流れも透明化され、税務署に対しても「妻の会社に事務作業を外注しています」と堂々と説明がつきますよね。
ここまでやって初めて、鉄壁のスキームが完成します。
合同会社を選び設立費用を最小限に抑える方法
いざマイクロ法人を作るとなると、次に迷うのが「株式会社」にするか「合同会社(LLC)」にするかという問題です。
結論から言うと、マイクロ法人としての利用なら、私は断然「合同会社(LLC)」をおすすめします。
その最大の理由は「初期費用の安さ」です。
株式会社を設立しようとすると、登録免許税(国に払う税金)だけで最低15万円、さらに公証役場での定款認証手数料で約3万円〜5万円、合計で20万円〜25万円程度の法定費用がかかります。
これは自分で行っても必ずかかるお金です。
一方、合同会社の場合、登録免許税は最低6万円で済みます。
そして、公証役場での定款認証が不要なので、手数料もかかりません。
さらに、私たち行政書士が作成する「電子定款」を利用すれば、紙の定款で必要となる4万円の収入印紙代も0円になります。
ココがおすすめ
つまり、実費だけで見れば6万円〜10万円程度で会社が作れてしまうのです。
「合同会社だと信用がないんじゃないか?」と心配される方もいますが、マイクロ法人は基本的に「あなたや家族のための資産管理・事務管理会社」です。
対外的に営業をして仕事を取ってくるわけではないので、知名度やブランド力は必要ありません。
AmazonジャパンやAppleジャパンなど、世界的な大企業も合同会社を選択している時代ですから、変な偏見を持つ必要は全くないかなと思います。
また、合同会社には「決算公告の義務がない」という隠れたメリットもあります。
株式会社は毎年決算内容を官報などに掲載する義務があり、これに掲載料がかかるのですが、合同会社にはそれがありません。
ランニングコストの面でも優秀なんですね。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
| 定款認証手数料 | 約3〜5万円 | 不要(0円) |
| 決算公告義務 | あり(掲載費等発生) | なし |
| 役員の任期 | 最長10年(重任登記必要) | 無期限(更新コスト0) |
こちらのサイトでは、合同会社を最安で作る手順【マイクロ法人向け電子定款の作り方】 を解説しています。
ぜひ、参考にしてください。
資本金500万円の壁と建設業許可の財産的基礎
会社を作るときに自由に決められるのが「資本金」ですが、建設業許可を見据えるなら、この金額設定は非常に戦略的な意味を持ちます。
キーワードは「500万円」です。
実は、「一般建設業許可」を取得するための要件の一つに、「財産的基礎(金銭的信用)」というものがあり、自己資本が500万円以上あるかどうかが審査の大きな分かれ道になります。
この設定を間違えると、申請の直前になって「銀行の残高証明書」を慌てて用意する羽目になったり、最悪の場合は資金要件を満たせず申請自体がストップしてしまうこともあります。
逆に言えば、ここを戦略的にクリアしておけば、審査スピードを格段に上げることが可能です。
ただし、資本金の額は消費税の免税判定や、創業融資の審査にも複雑に影響してくるため、単に高くすれば良いというわけでもありません。
「500万円も用意できない場合はどうすればいい?」
「残高証明書の有効期限の罠とは?」
といった、許可取得に直結する資金要件の攻略法については、以下の記事で実務的な裏ワザを含めて徹底解説しています。
会社設立の登記申請をする前に、必ず一度目を通しておいてください。
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建設業許可の「財産的基礎要件」とは?500万円がない場合の対策と残高証明書のルールを完全解説【作成中】
法人口座の審査対策と創業融資で資金調達する
会社設立の登記が完了して「さあ、これからだ!」というタイミングで、多くの経営者がぶつかる意外な壁があります。それが「法人口座が作れない」という問題です。
銀行口座がなければ、元請けからの入金も受け取れず、実質的にビジネスがスタートできません。
近年、振り込め詐欺やマネーロンダリングへの対策強化により、金融機関の法人口座開設審査は極めて厳しくなっています。
特に、オフィスを持たず自宅兼事務所で登記していたり、事業内容が抽象的なマイクロ法人は、「ペーパーカンパニーではないか?」と疑われやすく、審査落ちするケースが後を絶ちません。
ネット銀行なら簡単だと思われがちですが、GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行でも、しっかりとした実態確認が行われます。
審査を突破するための対策として、私が必ずアドバイスしているのが以下の3点です。
- 固定電話を引くこと:携帯電話(090/080)だけでは信用されません。03や06などの市外局番、または050番号でも良いので固定回線を用意しましょう。
- 自社のホームページを作成すること:銀行員は審査の際、必ず会社名をネット検索します。ペライチでも良いので、会社概要、代表者名、事業内容が明記された公式サイトがあるだけで信頼度が跳ね上がります。
- 事業内容を明確にすること:定款の目的に「その他一切の事業」などと曖昧に書かず、具体的に何をする会社なのか、契約書や請求書の雛形を見せて説明できるように準備しましょう。
また、口座開設とセットで考えたいのが「創業融資」です。
特に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、無担保・無保証で借り入れができる起業家にとっての命綱です。「マイクロ法人でお金を借りる必要はない」と思うかもしれません。
ポイント
ですが、実績のある個人事業(建設業)側で融資を受け、新しい重機や車両を購入して生産性を上げる、あるいは運転資金を確保してキャッシュフローを安定させることは、経営戦略として非常に有効です。融資実績を作っておくことは、将来の信用にも繋がりますからね。
(出典:日本政策金融公庫『新創業融資制度』)
建設業許可と会社設立後の経営を支える戦略【導入編】
ここまでは「会社を作るまで(導入)」の王道をお話ししました。
しかし、会社は作って終わりではありません。
むしろ、作った「箱」と「許可」をどう使って利益を出していくか、ここからが本当の勝負です。
このセクションでは、建設業許可と法人という器を使って、どうやってライバルに勝ち、人材を確保し、会社を成長させていくか、その「経営戦略」のさわりをご紹介します。
(※より詳しい戦略については、また別の記事で深掘りしますので、まずは全体像を掴んでくださいね。)
産廃許可の収集運搬もセットで整え売上を作る
建設業許可とセットで持っておきたい最強の武器、それが「産業廃棄物収集運搬業許可(いわゆる産廃許可)」です。「自分は解体屋じゃないから関係ない」と思っていませんか?
その考え、実は大きな機会損失をしているかもしれません。
建設現場では、必ず木くず、がれき類、プラスチックなどの廃棄物が出ます。
これらを現場から処分場まで運ぶには、原則として収集運搬業の許可が必要です。「元請け業者が運んでくれるから」と人任せにしていると、現場の工程が元請けの都合に左右されてしまったり、急なゴミ出しに対応できなかったりします。
自社で産廃許可を持っていれば、「工事だけでなく、出たゴミの運搬まで一括で請け負いますよ」と提案できるようになります。
これは元請けにとっても「管理の手間が省ける」という大きなメリットがあり、結果として受注単価のアップや、継続的な発注につながりやすくなるのです。
また、手続き面でのメリットもあります。
建設業許可の申請で集めた「住民票」や「登記されていないことの証明書」、「法人の登記事項証明書」などの公的書類は、産廃許可の申請でも共通して使えるものが多いんです。
私たち行政書士に依頼する場合も、同時申請なら「セット割引」を適用できる事務所が多いので、別々に取るよりもコストを抑えられます。
健康経営やホワイト化で人材確保する重要性
今、建設業界で一番深刻な悩みは「人が来ない」「若い子が定着しない」という深刻な人手不足です。
給料を上げても反応が薄い…。それはやっぱり「建設業=きつい・汚い・危険(3K)」とか、「ブラック企業が多そう」というネガティブなイメージが払拭できていないからなんです。
そこで活用したいのが、国や公的機関がお墨付きを与える「認定制度」を活用したホワイト化戦略です。
例えば、経済産業省が認定する「健康経営優良法人」や、厚生労働省の「ユースエール認定」などを取得すると、求人票やホームページにロゴマークを掲載できます。
これにより、「きつい・汚い・危険」という建設業のイメージを払拭し、「従業員を大切にするちゃんとした会社」というブランディングが可能になります。
ココがおすすめ
ブラック企業ではなく、「健康的で人を大切にする会社」だと積極的に求職者にアピールできるわけです!
考えてみてください。
高校の進路指導の先生や、就職する若者の親御さんが求人票を見たとき、何も書かれていない会社と、「国が認めた優良法人」のマークがある会社、どちらを勧めるでしょうか?
答えは明白ですよね。
採用広告に何十万円もかけるより、こうした認定取得にエネルギーを使う方が、長期的な採用ブランド力向上(=人材確保)には圧倒的に効果的です。
(出典:経済産業省『健康経営優良法人認定制度』)
こちらの弊社の関連サイトでは、健康経営についてかなり詳しく解説しています。
- 助成金を受けたい
- 人材確保したい
- 社長の決断力やリーダーシップを発揮したい
- 社員のやる気やパフォーマンスを上げたい
- 業績を上げたい
そうお考えの方は、ぜひ、「ハートマス健康経営ラボ」をご覧ください。
これは大企業だけのでなく、1人親方や中小の建設会社ほど取り組むべき、これからの最高の経営戦略だと僕は思います。
ぜひ、参考にしてください。
建設業に特化した事業継続計画とワークライフバランス
一人親方や中小建設業の社長にとって、会社が倒産する最大のリスクは何だと思いますか?
資金ショート?
それもそうですが、もっと怖いのは「社長であるあなた自身が倒れること」です。
中小企業、特に建設業において、社長は「経営者」であり「トップセールスマン」であり、時には「現場のエース職人」でもあります。
そんなあなたが病気や怪我で長期離脱したら、現場は止まり、売上は消え、会社は一瞬で立ち行かなくなります。
これを防ぐための準備こそが、真の「BCP(事業継続計画)」なんです。
マイクロ法人を活用して社会保険を整えたり、人間ドックなどの充実した健康診断を経費で受けられるようにすることは、あなた自身の体を守るBCPそのものです。
また、従業員を雇う場合でも、「週休2日制(4週8閉所)」への移行や、有給休暇を取りやすい環境を作ることは、決して甘やかしではありません。
ココがポイント
従業員の疲労蓄積による事故を防ぎ、離職を防ぐための重要な「防衛策」なのです。
これからの時代、休める会社こそが強い会社になっていきます。
助成金や補助金を受け取るための土台を作る
最後に、経営者なら誰もが気になる「もらえるお金」、つまり助成金や補助金についてです。
まず大前提として覚えておいてほしいのが、国からもらえるお金には「助成金(厚生労働省系)」と「補助金(経済産業省系)」の2種類があるということです。
ポイント
厚生労働省系の助成金(例:キャリアアップ助成金など)は、主に「人(雇用)」に対して出されます。これらを受け取るための絶対条件が、「雇用保険や社会保険に適切に加入していること」、そして「法定帳簿(出勤簿や賃金台帳)や就業規則が整備されていること」です。
つまり、マイクロ法人や適用事業所としての個人事業で、法律を守ってきっちり保険料を払っている会社だけが、数百万円単位の助成金を受け取る権利を得られるんです。
「保険料が高いから」と未加入のままでは、この大きな果実を得ることはできません。
会社設立や許可取得のタイミングは、こうした制度を活用するための「土台作り」の期間でもあります。
助成金をうまく活用すれば、支払った保険料以上のリターンを得ることも十分に可能ですよ。
建設業許可と会社設立でマイクロ法人まとめ
ここまで、建設業許可とマイクロ法人を組み合わせた「王道の設立ガイド」について解説してきました。長文にお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
結論として、建設業許可とマイクロ法人、どちらも上手に使えば、手取りを最大化しつつ、対外的な信用力や採用力を高める強力な武器になります。
「守り(節税・社保削減)」と「攻め(許可・認定・人材確保)」を両立させることは、決して夢物語ではありません。
ただ、記事の中で何度も強調したように、「建設業許可の常勤性」や「営業所の実態」といった重要要件を一歩間違えると、許可が下りないどころか、違法状態になってしまうリスクも孕んでいます。
自己流で進めて失敗してからでは、修正するのに何倍もの時間とコストがかかってしまいます。
私が運営する「1番わかる建設業許可の教科書」では、こうした複雑な法律の狭間で悩む建設業者様のために、現場のリアルな事情に即した実践的なサポートを行っています。
- 自分の状況だと、どういうスキームを組むのがベストなのか?
- ウチの事務所で許可は下りるのか?
と迷ったら、ぜひ一度、専門家である私にご相談ください。
あなたの会社が、無駄なコストを削ぎ落とし、筋肉質な経営体質へと生まれ変わり、次のステージへと飛躍するために。
一緒に最適な「勝ち筋」を見つけましょう!
自分のケースでマイクロ法人が使えるか、まずは「無料診断」してみませんか?
「ウチの売上規模でもメリットはある?」
「妻を社長にする場合、扶養はどうなる?」
「今の事務所のままで許可は大丈夫?」
そんな疑問を、建設業許可の専門家がクリアにします。
マイクロ法人は強力な武器ですが、扱いを間違えれば許可取り消しにもなりかねない『諸刃の剣』です。
リスクをゼロにし、確実にメリットを得るための「あなただけの設計図」を一緒に作りましょう。
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