
建設業許可の実績100件の行政書士の小野馨です。
今回は、「建設工事の内装工事業の許可」についてお話します。
内装工事の事業をしていて、元請さんから「そろそろ許可とってよ」なんて言われて焦っていませんか。
あるいは、これから会社を大きくするために建設業許可を取りたいけれど、自分の会社の定款の日付がないことや、記載内容が古いことが気になって調べ始めた方もいるかもしれませんね。
内装工事の許可は、実は建設業の中でも少し特殊なポイントがいくつかあります。
ここをクリアしないと、書類を集めても「受け付けてもらえなかった」なんてことになりかねません。
そうならないように最後までご覧いただき、スムーズな内装工事の許可の取得にお役立てください。
- 内装工事で建設業許可が必要になる具体的な金額のライン
- 許可を取るためにクリアすべき資格や実務経験の基準
- 2024年の法改正や大阪府のルール変更など最新の審査傾向
- 定款の事業目的など申請前にチェックしておくべき書類の準備
建設業許可の内装工事要件と定款の事業目的
まずは、どのような場合に建設業許可が必要になるのか、そして申請の土台となる「定款(ていかん)」の事業目的について確認していきましょう。
内装工事は範囲が広いので、ここを間違えるとスタートラインに立てないこともありますよ。
建設業許可が必要な内装工事と500万円の壁
建設業界において「内装屋さん」と呼ばれる仕事は非常に多岐にわたりますが、建設業法という法律の世界では、これらは「内装仕上工事業」という一つの専門業種に分類されます。
参考
具体的には、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装を仕上げる工事のことを指します。
みなさんが普段現場で行っている、クロスの張り替え、LGS(軽量鉄骨)を組んでからのボード張り、OAフロアの施工、テナントの現状回復工事などは、基本的にすべてこの内装仕上工事に含まれます。
しかし、どんな工事でも許可が必要なわけではありません。ここには明確な「金額のライン」が存在します。
建設業法では、「軽微な建設工事」であれば許可は不要とされています。
このボーダーラインが「500万円(税込)」です。
【重要】500万円の壁には「材料費」と「消費税」が含まれます!
ここ、本当によく勘違いされるポイントです。「自分たちの手間賃(施工費)だけで400万円だから大丈夫」ではありません。以下の計算ルールを絶対に守ってください。
- 消費税込みの金額で判定します:例えば、税抜きの見積もりが460万円だったとしましょう。これに消費税10%を加えると506万円になります。この時点で、法律上は「500万円以上の工事」となり、建設業許可がなければ施工できない工事(無許可営業)となってしまいます。
- 材料費を含めた金額で判定します:これが内装工事において最も落とし穴になりやすい部分です。最近は、施主さんや元請さんがクロスや床材、照明器具などの材料を支給(施主支給)してくれるケースも増えていますよね。この場合、「うちは施工だけだから」といって材料費を除外して計算することはできません。法律上は、「注文者が材料を提供する場合でも、その市場価格と運送費を請負金額に加算して判定する」と決められています。つまり、施工費300万円でも、支給された高級クロスの市場価格が250万円分あれば、合計550万円となり、許可が必要になるのです。
なぜここまで厳しく材料費を含めるのかというと、もし施工費だけで判断してよいとなれば、本来は大規模な工事なのに「材料は別契約」という形にして許可逃れをする業者が増えてしまうからです。
建設業法は、発注者を保護し、工事の品質を担保するための法律ですから、実質的な工事の規模で判断するというのが基本的な考え方なんですね。
注意ポイント
また、「500万円を超えそうだから、工期を分けて契約書を2枚にしよう」というアイデアも、残念ながら通用しません。
正当な理由なく、一つの工事を分割して請け負うことは禁止されています。
内装工事の場合、「床工事」と「クロス工事」を分けたり、「A会議室」と「B会議室」を分けたりといった分割発注が現場レベルで行われがちですが、工期が連続していたり、工種が関連していたりする場合は「一連の工事」とみなされ、合算額で判断されます。
これが発覚すると、無許可営業として営業停止処分や罰則の対象になるリスクがあります。
500万円未満であれば法的には許可は不要ですが、最近はコンプライアンス意識の高まりから、大手ハウスメーカーやゼネコンだけでなく、地場の工務店やマンション管理会社でさえも「新規取引には建設業許可が必須」とするケースが増えています。
また、銀行から融資を受ける際にも、許可証があるだけで審査の土台に乗りやすくなります。
「許可を持っている」ということは、国や都道府県から「経営能力」「財産的基礎」「技術力」「誠実性」の4つにお墨付きをもらった証明ですから、内装工事を請けるうえでのビジネス上のパスポートとして非常に強力な武器になるんです。
(出典:国土交通省『建設業の許可とは』)
内装工事の専任技術者に必要な資格と実務経験
建設業許可を取得するうえで最大の難関となるのが、営業所ごとに配置する技術責任者、「専任技術者(センギ)」の確保です。
専任技術者制度の全体像や、一般的な要件(常勤性や欠格要件など)については、当サイトの「専任技術者の完全ガイド」で網羅的に解説しています。
制度の基礎からしっかり理解したい方は、まずそちらをご覧ください。
ここでは、一般的な解説は省略し、「内装仕上工事業だからこそ陥りやすい落とし穴」に絞って、資格と実務経験の注意点を解説します。
1. 国家資格ルートの注意点:「仕上げ」を選んでいるか?
内装工事の専任技術者になれる資格はいくつかありますが、特に注意が必要なのが「2級建築施工管理技士」です。
【最重要】合格証書の「種別」を確認してください!
2級建築施工管理技士には「建築」「躯体」「仕上げ」という3つの種別があります。このうち、内装仕上工事業の許可に対応しているのは「仕上げ」(または「建築」)です。
もし、お手持ちの合格証書に「躯体」と書かれていたら、残念ながら内装工事の専任技術者にはなれません(大工やとび・土工なら可能です)。「セコカンを持ってるから大丈夫」と安心していたら、申請直前に「躯体」だったことが発覚してパニックになる……というのは、内装業界で本当によくあるトラブルです。
もちろん、「1級建築施工管理技士」や「建築士(1級・2級)」であれば、種別に関係なく内装工事の専任技術者になることができます。
2. 実務経験ルートの注意点:請求書の中身は見られています
資格がない場合、「10年間の実務経験」を書面で証明することになりますが、内装業者は他業種に比べて証明の難易度が高くなりがちです。
その最大の理由は、「工事と物品販売の混在」です。
内装業者の請求書には、純粋な工事だけでなく、「カーテンの納品」「既製品家具の販売」「ブラインドの交換(軽微な作業)」などが混ざっていることが多いですよね。
審査の際、これらが混ざった請求書を提出すると、「これは建設工事の実績として認められません」と弾かれるリスクがあります。
10年分(120ヶ月分)の書類を集める際は、明確に「〇〇貼替工事」「〇〇造作工事」と記載された、工事性の高い案件を慎重に選別して提出する必要があります。
この「書類の選別作業」こそが、内装工事の許可申請における最大の山場と言えるでしょう。
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(出典:国土交通省『指定学科一覧』)
大阪府における実務経験証明の厳格化と対応
建設業許可の審査基準は、基本的な法律は全国共通ですが、細かい運用ルール(ローカルルール)は都道府県ごとに異なります。
その中でも、大阪府は2024年(令和6年)11月に審査基準(手引き)を改定し、実務経験の証明方法を厳格化しました。
これから大阪で許可を取ろうと考えている方は、この変更点を必ず押さえておく必要があります。
大阪府の新しい「1年ルール」と証明の厳格化
従来、大阪府の実務経験証明では、「1年に1件の代表的な工事契約書があれば、その1年間は実務経験ありとみなす」という運用が一般的でした。
しかし、新基準ではこれがより厳密になり、「工事と工事の間隔が1年以上空いてはいけない」と明文化されました。
具体的にどういうことかというと、例えば以下のようなケースです。
- 2015年の実績として「2015年1月完了の工事」を提出
- 2016年の実績として「2016年3月完了の工事」を提出
この場合、2015年1月から2016年3月までは「1年2ヶ月」の間隔が空いていますよね。
従来ならこれでも「各年にあるからOK」とされることもありましたが、新基準では「この1年以上の空白期間は実務経験としてカウントしない(除算される)」か、もしくは「空白を埋めるための追加資料(2015年8月の工事契約書など)を出しなさい」と求められることになります。
つまり、これまで以上に書類の密度が求められるようになったということです。
たまたま大きな工事が終わって次の工事まで期間が空いてしまった場合や、書類を紛失してしまって特定期間の証明が出せない場合、その期間がバッサリと経験年数から引かれてしまう可能性があります。
そうなると、10年分の証明をするために、実質12年や13年分の期間を遡らなければならないケースも出てくるでしょう。
また、大阪府に限らず、実務経験証明における「契約書」や「注文書」のチェックは年々厳しくなっています。
単なる請求書だけでは不可で、必ず「入金が確認できる通帳のコピー」とのセット提出を求められるのがスタンダードです。
「現金でやり取りしていたから通帳に履歴がない」というのは、証明として認められないリスクが非常に高いです。
こうした地域特有のルール変更は、インターネット上の古い記事には反映されていないことが多いです。「ネットにはこう書いてあった」と窓口で主張しても、「それは去年のルールですね」と一蹴されてしまいます。
ご自身が申請する都道府県の最新の手引き(許可行政庁のホームページでダウンロードできます)を必ず確認するか、最新事情に詳しい地元の行政書士に相談するのが、結果的に一番の近道になるかなと思います。
(出典:大阪府『建設業許可申請の手引き』)
建設業許可の要件となる社会保険加入の義務化
社会保険への加入は、今や建設業許可を取得・維持するための絶対条件となっています。一般的な加入要件や制度の仕組みについては、当サイトの「建設業許可と社会保険の完全ガイド」等の記事で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
ここでは、「内装工事業者が特に直面しやすい課題」に絞って、その重要性を解説します。
内装業界特有の「一人親方」問題
内装工事の現場では、社員ではなく「一人親方(個人事業主)」として独立している職人さんに外注するケースが非常に多いですよね。
ここで問題になるのが、「外注扱い」なのか「雇用扱い」なのかの線引きです。
もし、実態が「指揮命令を受けて働いている労働者」であるにもかかわらず、社会保険料の負担を逃れるために形式的に外注(一人親方)として扱っていると判断された場合(いわゆる偽装一人親方)、年金事務所から厳しい是正勧告を受けるリスクがあります。
建設業許可の審査では、申請する会社(または個人事業主)が適切に社会保険に加入しているかを厳しくチェックされます。
具体的には、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入証明書の提出が求められます。
特に注意が必要なのは、「更新時」です。
一度許可を取ったからといって油断して保険料を滞納したり、手続きを放置していると、5年後の更新申請が受理されず、最悪の場合は許可を失うことになります。
内装業は人の出入りが激しい業界でもありますが、従業員の採用・退職に伴う保険手続き(資格取得・喪失届)は遅滞なく行うよう、社内の管理体制を整えておくことが、許可を守るための生命線となります。
(出典:国土交通省『建設業における社会保険加入対策について』)
内装工事の建設業許可で注意すべき家具工事
内装工事の許可を持っていると、「家具工事」も請け負うことができます。しかし、ここで言う「家具工事」と、一般的にイメージする「家具の販売・設置」には、法律上の大きな違いがあります。ここを混同していると、実務経験の証明の際に痛い目を見ることになります。
建設業法において、建設工事として認められる「家具工事」とは、あくまで「建築物に固着(固定)される家具」の製作や設置工事のことを指します。
建設工事になる家具 vs ならない家具
| 区分 | 建設工事(許可対象・経験になる) | 物品販売(許可対象外・経験にならない) |
|---|---|---|
| 定義 | 現場で組み立てたり、壁や床にボルトや接着剤で固定し、建物と一体化するもの。 | 既製品を搬入して置くだけ、あるいは簡易的な固定のみで、容易に移動できるもの。 |
| 具体例 | ・壁一面の造り付け本棚
・厨房の固定カウンター ・システムキッチンの据え付け ・造作洗面台の設置 |
・オフィスデスクやチェアの搬入
・置き型のキャビネット ・ソファーやベッドの設置 ・カーテンの取り付け(軽微な装飾) |
例えば、オフィスのリニューアル案件で、「内装工事一式」として請け負った中に、クロス張り替え(工事)とデスクの納品(物品販売)が混ざっていることはよくありますよね。
この場合、実務経験としてカウントできるのは、厳密には「工事部分の金額」だけです。
もし、あなたが「家具工事の経験が10年あります」と言って申請に出した請求書の明細が、すべて「オフィスチェア納品」「既製品デスク搬入」ばかりだったとしたらどうなるでしょうか。
審査官はこう言います。「これは建設工事ではなく物品の納入契約ですね。
建設業の実務経験としては認められません」。……恐ろしいですよね。10年分の苦労が水の泡です。
こうした事態を避けるためには、日頃から請求書や見積書の書き方に注意しておく必要があります。
単に「家具一式」と書くのではなく、「造作家具製作取付費」「固定棚設置工事」など、それが「工事」であることが第三者に見ても分かるような但し書きを残しておくことが、将来の自分を助けることになります。
内装工事の建設業許可取得の流れと定款の準備
ここからは、実際に許可を取得する流れと、その中で見落としがちな「定款」の確認ポイント、そして費用面について解説していきます。
2024年の法改正による朗報もありますよ。
2024年の法改正による技術者配置の緩和
2024年(令和6年)12月に施行された改正建設業法により、現場技術者の配置ルールが大きく緩和されました。法律の詳細な条文や全体像については、当サイトの「建設業法改正の全容解説」ページに譲りますが、ここでは「内装工事業者にとって、この改正がどう有利に働くか」という点にフォーカスしてお伝えします。
内装工事、特に店舗やテナントの内装工事は、工期が非常に短い(数週間〜1ヶ月程度)のが特徴です。そのため、一人の技術者が短期間に複数の現場を渡り歩くことが日常的ですよね。
これまでの法律では、重要な現場には「専任」の技術者を張り付けなければならず、現場が終わるまでその技術者は他の現場を見ることができませんでした。これが人手不足に拍車をかけていたのです。
内装業に朗報!「兼務」が可能になった条件
今回の改正で、以下の条件を満たせば、監理技術者等が最大2つの現場を兼務することが認められるようになりました。
- 請負金額1億円未満:内装工事で1億円を超える案件は大規模改修などに限られます。大多数の中規模店舗工事などはこの範囲に収まるため、恩恵を受けやすいでしょう。
- 移動がおおむね2時間以内:現場間を1日で巡回できる距離であればOKです。都市部で複数のテナント工事を同時進行する場合などに非常に有利です。
この緩和により、例えば「A店(仕上げ段階)」と「B店(着工段階)」という2つの現場を、一人のベテラン施工管理技士が掛け持ちで管理することが可能になります。
資格者が足りずに受注を断念していた案件も、これからは取りに行けるチャンスが広がります。
ただし、現場の施工体制台帳には兼務の状況を正しく記載する必要があるため、管理実務の手順はしっかりと確認しておきましょう。
(出典:国土交通省『建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律について』)
建設業許可の内装工事申請にかかる費用相場
建設業許可の取得にかかる費用は、大きく分けて「法定費用(役所に払う手数料)」と「行政書士報酬」の2つです。一般的な費用体系については、当サイトの「建設業許可の費用相場まとめ」をご覧いただければと思いますが、ここでは内装工事業者が申請する際に発生しがちな「プラスアルファのコスト要因」について触れておきます。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 内装業特有の事情 |
|---|---|---|
| 法定費用 | 90,000円
(知事・新規) |
これは全国一律です。自分でやっても必ずかかります。 |
| 行政書士報酬 | 10万~15万円程度 | 【ここが変動します】
内装業の場合、過去の請求書の枚数が膨大になる傾向があります(細かい補修工事や家具工事などが混在するため)。 10年分の実務経験を証明するために、数千枚の請求書の中から「建設工事」に該当するものを選別する作業が必要になる場合、追加料金(+3〜5万円程度)が発生することがあります。 |
「うちは請求書も契約書もバッチリ整理されているよ!」という会社さんであれば、標準的な報酬額で済むことがほとんどです。
しかし、「倉庫のダンボールに10年分のごちゃまぜの書類が入っている」という状態から依頼する場合は、その整理作業分だけ費用が上がると考えておいてください。
とはいえ、500万円以上の工事を受注できる機会損失や、許可取得による信用力アップ(融資枠の拡大など)を考えれば、20〜30万円程度の初期投資は十分に回収できる金額です。
まずは見積もりを取って、自社の状況だといくらくらいになるかを確認してみるのが良いでしょう。
行政書士に依頼する建設業許可申請のメリット
行政書士に依頼する一般的なメリット(時間の節約、正確性など)については、当サイトの「行政書士活用のススメ」等で解説していますが、ここでは特に内装工事業者がプロに頼むべき「決定的な理由」をお話しします。
それはズバリ、「工事と物品販売の仕分け能力」と「定款の確認」です。
先ほども触れましたが、内装業者の請求書には「工事」と「販売」が混在しており、これを行政の担当者が納得するように仕分けるのは、プロでも骨の折れる作業です。
ご自身で申請に行って、「これは工事とは言えない」「この請求書では証明にならない」と窓口でダメ出しされ、何度も役所に通う羽目になった……という話は枚挙にいとまがありません。
また、申請書類の一つである「定款(ていかん)」のチェックも重要です。
定款の「事業目的」欄に、「内装仕上工事業」や「建築工事業」といった記載がないと、原則として許可は下りません。
「リフォーム業」や「インテリア販売」といった曖昧な表現だと、自治体によっては認められないこともあります。
もし記載がない場合、申請前に株主総会議事録を作成して定款変更を行い、法務局で変更登記をする必要があります。行政書士に依頼すれば、許可申請とセットでこうした法務手続きの不備もチェックし、提携する司法書士と連携して定款変更までワンストップでサポートしてくれることが多いです。
「定款の日付がない」「古い定款しかない」といったトラブルにもスムーズに対応してくれるので、結果的に最短ルートで許可を取得できます。
許可取得後の決算変更届と2024年問題への対応
無事に許可が取れた後も、建設業者には守るべき義務があります。
その代表格が「決算変更届」と「2024年問題(労務管理)」への対応です。
これらの詳細な手続き方法は、当サイトの「許可業者の義務・更新手続き」ページで解説していますが、内装業者が特に意識すべきポイントを最後にまとめておきます。
内装業者のための維持管理ポイント
- 決算変更届は「材料費」の変動に注意:毎年提出する「工事経歴書」には、請負金額を正確に記載する必要があります。内装工事は材料費(クロスや床材)の価格変動が激しいため、見積もりと実際の請求額が変わることも多いはずです。正確な最終金額を把握し、税抜・税込を正しく管理しておくことが、スムーズな届出のコツです。
- 2024年問題(残業規制)と現場管理:内装工事、特に店舗工事は、施設が閉まった後の「夜間工事」や「早朝工事」が多くなりがちです。2024年4月からの残業規制適用により、こうした長時間労働や不規則な勤務に対する労務管理が厳格化されています。許可業者になると、元請からのコンプライアンス要求も厳しくなります。「うちは職人だから関係ない」では済まされず、適切な36協定の締結や勤怠管理システムの導入が求められます。
毎年の決算変更届をサボると、5年後の更新ができません。
また、労務管理がずさんだと、元請から取引を停止されるリスクもあります。
許可取得はゴールではなく、より高いレベルの経営体制へとステップアップするためのスタートラインです。専門家のサポートも活用しながら、法令を遵守した強い会社を作っていってください。
建設業許可の内装工事取得まとめ
ここまで、内装工事の建設業許可について、かなり詳しく解説してきました。
最後に重要なポイントを振り返っておきましょう。
- 500万円の壁:税込・材料費込みで500万円以上の工事には許可が必須。分割発注などの脱法行為はNG。
- 資格と経験:1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)などの国家資格がベスト。なければ10年の実務経験証明が必要だが、大阪府のように審査が厳格化している地域もあるので注意。
- 社会保険:加入は絶対条件。未加入だと申請も更新もできない。
- 定款の確認:事業目的に「内装工事業」が入っているかチェック。定款が見当たらない、日付がないなどの不備があれば専門家に相談を。
- 2024年改正:技術者の現場兼務が可能になり、人手不足に対応しやすくなった。
「建設業許可なんて、書類が面倒なだけ」と思っていた方もいるかもしれません。
でも、この許可証は、あなたの会社が法律を守り、確かな技術を持ち、経営基盤もしっかりしているということを、国が証明してくれる最強のパスポートです。
定款の日付がなくて不安な場合や、古い書類しかなくて証明できるか分からない場合でも、諦めずに専門家に相談してみてください。
行政書士は、そうした「難しいパズル」を解いて、許可というゴールに導くのが仕事です。この記事が、あなたの会社が次のステージへ進むための第一歩になれば、これほど嬉しいことはありません。
応援しています!
※本記事の情報は執筆時点(2025年版)のものです。
法令や自治体の手引きは頻繁に改正されますので、申請の際は必ず最新の公式サイトをご確認いただくか、専門家にご相談ください。
