

こんにちは。建設業許可実績多数な行政書士の小野馨です。
今回は、建設業許可を取るための最大の難関の一つ、「営業所(事務所)の要件」というテーマでお話します。
建設業許可のご相談を受けていると、一番多いといっても過言ではないのがこの「営業所」に関するお悩みです。
建設業許可のご相談を受けていると、一番多いといっても過言ではないのが「営業所(事務所)」に関するお悩みです。
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「今は自宅のリビングで仕事をしているけど、これで許可は取れる?」
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「賃貸マンションの一室だけど、大家さんに内緒で申請できる?」
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「資材置き場にあるプレハブを営業所にしたい」
結論から言うと、工夫と条件次第で「自宅」や「賃貸」でも許可は取れます。
しかし、役所が求める「営業所の要件」は非常に厳しく、単に登記上の住所があるだけでは100%不許可になります。ここでつまずいて、申請を諦めてしまう方が非常に多いのです。
この記事では、数多くの「難しい営業所案件」をクリアしてきた私が、役所が絶対に認める営業所の条件と、写真撮影のマル秘テクニックを徹底解説します。
これを読めば、あなたの今の事務所で許可が取れるかどうかが、ハッキリと分かりますよ。
1. そもそも建設業における営業所の「実態」とは?
まず大前提として、建設業許可における「営業所」とは、単なる連絡先ではありません。 **「常時、建設工事の請負契約の見積もり、入札、契約締結などの実務を行っている場所」**を指します。
つまり、役所の審査官は**「ここで本当に建設業の商売をしている実態があるか?」**を徹底的にチェックします。
絶対にNGな営業所(門前払い)
以下のような場所は、どんなに工夫しても認められません。
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× バーチャルオフィス(住所貸しのみ)
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× 私書箱・トランクルーム
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× シェアオフィス・コワーキングスペース(個室がなく、不特定多数が出入りするフリーデスク等の場合)
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× 短期間の仮設事務所(工事現場の詰め所など)
これらは「継続的に契約業務を行う場所」とは認められないためです。 最近流行りのバーチャルオフィスで登記している会社様は、まず物理的な場所を確保することから始める必要があります。
営業所に必要な3点セット
最低限、以下の備品が常設されている必要があります。
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机・椅子(事務作業ができるもの)
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電話機(固定電話が望ましいが、携帯のみでも可とする自治体もあり)
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PC・プリンター・鍵付き書庫(契約書を保管できるもの)
2. 「自宅兼事務所」で許可を取るための最重要ルール
個人事業主の方や、マイクロ法人の方は、ご自宅を本店にされているケースが多いですよね。 自宅で許可を取るための最大のハードル、それが**「居住スペースとの独立性」**です。
役所は**「生活空間(プライベート)と仕事場(ビジネス)が混ざっていること」**を極端に嫌います。
チェックポイント①:玄関からの動線
一番厳しいのがこの動線です。 「玄関から靴を脱いで、リビングやキッチンを通らないと事務所に入れない」という間取りの場合、兵庫県や大阪府など多くの自治体では原則NGとされる傾向にあります。
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〇 理想: 玄関を入ってすぐ横の部屋が事務所になっている。
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△ 工夫が必要: 廊下を通るが、居住スペースとはドアで仕切られている。
チェックポイント②:明確な区切り(パーテーション)
もしリビングの一角を事務所にする場合は、天井近くまである固定式のパーテーションや本棚などで区切り、生活空間と明確に分ける必要があります。
「カーテンで仕切っただけ」や「アコーディオンカーテン」では認められないケースがほとんどです。 「誰が見ても、ここから先は事務所だ」と分かる状態を作らなければなりません。
3. 賃貸マンション・アパートの「使用目的」の罠
ここが最大の落とし穴です。 賃貸物件で開業されている方は、今すぐお手元の**「賃貸借契約書」**を確認してください。
契約書の「使用目的」の欄に、**「住居専用」や「居住のみ」**と書かれていませんか?
もしそう書かれている場合、そのままでは建設業許可の申請書を受け取ってもらえません。なぜなら、**「住むための部屋で勝手に商売をしてはいけない(契約違反)」**と役所が判断するからです。
解決策:「使用承諾書」をもらう
この場合、大家さんや管理会社にお願いして、**「使用承諾書(建設業の営業所として使ってもいいですよという同意書)」**にハンコをもらう必要があります。
行政書士のワンポイントアドバイス 大家さんは「不特定多数の人が出入りする」「騒音が出る」ことを嫌がって断ることが多いです。 交渉する際は、**「あくまで事務作業や電話対応をするだけで、資材を置いたり職人がたむろしたりはしません」**と丁寧に説明するのがコツです。
当事務所にご依頼いただいた場合は、この大家さんへの説明用資料の作成や、交渉のアドバイスも行っています。
4. プレハブ・コンテナハウスの場合
資材置き場の敷地内にプレハブを建てて事務所にする場合も要注意です。
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地面に定着しているか? タイヤがついているトレーラーハウスや、ブロックの上に置いただけの簡易物置はNGです。基礎があり、地面に固定されている必要があります。
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建築確認をとっているか? 違法建築物では許可が下りません。特に市街化調整区域などの場合、建物として認められないことがあります。
5. 【重要】一発で通す!証拠写真の撮り方ガイド
多くの自治体では、職員が現地調査に来る代わりに、**「写真」**での審査が行われます。 つまり、写真の撮り方一つで、許可が出るかどうかが決まると言っても過言ではありません。
以下のポイントを押さえて撮影してください。
① 建物の全景
建物全体が写るように撮影します。一軒家の場合は家全体、ビルの場合はビル全体(1階から屋上まで)が入るようにします。
② 入口・表札(看板)
ここが超重要です! ポストや玄関に、必ず「商号(会社名)」を表示してください。 テプラでも構いませんが、手書きのガムテープなどは印象が悪いです。きちんと「ここにこの会社がある」と主張してください。
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ポストの写真: 会社名が入っていること。
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玄関ドアの写真: 会社名が入っていること。
③ 事務所の内部
「仕事ができる環境」をアピールします。
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机と椅子、パソコン、プリンター
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固定電話機(これが写っていると信頼度が高いです)
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契約書を保管するキャビネット(鍵付きがベスト)
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建設業の許可票(更新の場合)
NG写真の例
机の上に子供のおもちゃや洗濯物が散乱している
パソコンが閉じてあり、仕事をしている雰囲気がない
写真が暗くて文字が読めない
6. 自宅か賃貸か迷ったら…プロに「画像判定」させてください
ここまで読んで、「ウチの間取り、リビングを通るんだけど大丈夫かな…」「この賃貸契約書でいけるかな…」と不安になった社長様。
自分で判断して、申請直前で「やっぱりダメでした」となるのが一番のリスクです。
サクセスファンでは、LINEでの「営業所要件の無料判定」を行っています。
やり方は簡単です。
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事務所の入り口から内部の写真をスマホで撮る
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LINEで送る
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「これで許可取れますか?」とメッセージする
これだけで、建設業許可の専門家である私が、行政庁の基準に照らし合わせて**「これならOK」「ここは片付けてください」「この書類が必要です」**と具体的にアドバイスします。
悩んでいる時間がもったいないです。まずは写真を送って、許可への最短ルートを確認してください!
