建設業許可は、経営体制・社会保険・営業所技術者等・誠実性・財産的基礎を確認し、欠格事由に該当しないことが必要です。資格や500万円だけで決まるものではなく、希望する業種と営業所、申請者の状況を合わせて判断します。
こんにちは。行政書士の小野馨です。元請から許可取得を求められたときは、先に「どの工事を、誰が、どの営業所で請け負うか」を整理すると、必要な人・資料・費用が見えてきます。
この記事では、一般建設業の新規申請を中心に、許可の要件、区分の選び方、法定費用、申請から取得後までの流れを説明します。個人事業主も対象です。制度情報は2026年10月時点とし、2025年に施行された改正も現在のルールとして整理します。
まず整理したいこと
- 受注したい工事の内容・金額・元請か下請か。
- 経営と技術を担う人の立場、資格、経験と証明資料。
- 営業所の場所・実態、財務資料、社会保険の適用状況。
- 申請区分、必要な予算、許可が必要となる時期。
要件に絞って全体を確認したい方は、新規申請前の許可要件の確認ガイドも参考にしてください。以下では、要件確認を実際の準備の順番へつなげます。
建設業許可の要件は5つの項目と欠格事由から確認する
「5つの要件」という数え方では、経営管理の体制と社会保険を分けるなど、説明資料によって整理の仕方が異なります。大切なのは項目数を覚えることではなく、必要な確認を抜かさないことです。
| 確認する項目 | 新規申請前に見ること |
|---|---|
| 経営業務の管理体制 | 常勤役員等の立場・経験、必要な場合は直接補佐する人の経験と配置。 |
| 適切な社会保険 | 各営業所について、適用される健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届出がされているか。 |
| 営業所技術者等 | 営業所と業種ごとに、資格・実務経験等の条件を満たす人を専任で配置できるか。 |
| 誠実性 | 申請者や役員等について、請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないか。 |
| 財産的基礎等 | 一般・特定それぞれの基準で、工事の請負契約を履行できる財産的基礎・金銭的信用があるか。 |
これらに加えて、欠格事由、申請書等の重要事項の虚偽や重要事実の欠落がないことを確認します。営業所の実体や使用権限も、書類・写真などで確かめます。
全国制度の基本は国土交通省「許可の要件」、具体的な提出資料は申請先の手引で確認してください。「他県でこの書類だけで済んだ」という話を、そのまま今回の申請へ当てはめないようにしましょう。
経営経験・技術者・社会保険は、担当する人と証拠をそろえる
経管は「社長になって5年」だけで判断しない
経営業務の管理体制では、法人は常勤の役員、個人は本人又は支配人のうち、要件を満たす人を確認します。代表取締役だけに限るわけではありませんが、肩書が「執行役員」というだけで自動的に該当するわけでもありません。
本人の経験で確認する主な経路は、次のとおりです。
- 建設業で、経営業務の管理責任者として5年以上の経験がある。
- 建設業で、経営業務を執行する権限の委任を受けた準ずる地位において、5年以上経営業務を管理した経験がある。
- 建設業で、準ずる地位において経営業務の管理責任者を補佐した経験が6年以上ある。
このほか、一定の経験を持つ常勤役員等と、その人を直接補佐する人を置く体制による経路があります。本人側にも、建設業で2年以上の役員等の経験を含む所定の5年以上の経験などの条件があり、補佐者を雇えば本人の経験が不要になる制度ではありません。
その本人側の条件は、建設業で役員等又は財務管理・労務管理・業務運営を担当する役員等に次ぐ地位の経験が5年以上ある経路と、建設業以外を含めて役員等の経験が5年以上ある経路に分かれます。いずれも建設業で2年以上の役員等の経験が必要です。
直接補佐する人は、申請する事業者での財務管理・労務管理・業務運営について各5年以上の経験が必要です。1人が複数分野を担当することはできますが、常勤役員等本人が直接補佐者を兼ねることはできません。配置・常勤性も含めて確認します。
経験があっても、証明できる資料を先に確認
登記事項、確定申告書・決算書、工事の契約書・注文書・請求書、当時の組織や権限が分かる資料などから、立場・期間・建設業の実体を説明します。「全員が必ず60か月分の同じ資料を出す」とは限りません。
書類を紛失している場合は、当時の会社や取引先に保管資料を確認し、取得できる資料で何を証明できるかを申請先へ相談します。連絡がつかない、代替資料も確認できない場合は、その経験で申請できると決めず、別の経路や人の配置、申請時期を見直します。
名義だけの配置は認められません。他社での職務、通勤状況、実際の勤務・業務内容も整理してください。
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営業所技術者等は、資格名だけでなく「業種との対応」を見る
旧称の「専任技術者」は、現在、一般建設業の営業所技術者と特定建設業の特定営業所技術者を合わせて「営業所技術者等」と呼びます。各営業所で扱う業種に対応する人の配置が必要です。
一般建設業では、主に国家資格等、指定学科の卒業と一定の実務経験、10年以上の実務経験などの経路を確認します。指定学科を修めた大学・高等専門学校は卒業後3年以上、高校等は5年以上が基本で、専門学校や技術検定による別の扱いもあります。
資格の種類・級・取得時期・業種によって、追加の実務経験が必要な場合があります。資格証だけでなく、勤務や常勤性、必要な経験を示す資料も確認するため、「資格の原本を1枚見せれば全部終わる」と考えないでください。
複数業種の実務経験では、同じ期間を自由に二重計上できるわけではありません。一方、複数業種に係る経験の特例や、1つの資格が複数業種に対応する場合もあるため、「2業種なら必ず20年」とも限りません。
特定建設業は、対応する国家資格、所定の指導監督的実務経験、大臣認定などの経路があります。ただし、指定建設業の7業種では指導監督的実務経験の経路を使えません。「特定はどの業種も1級資格だけ」と一括りにせず、業種別に確認します。
社長1人で兼ねる場合は、役割ごとの条件を確認する
同じ人が経管と営業所技術者等の両方の条件を満たし、同一営業所で両方の職務を果たせる場合は、兼ねられることがあります。しかし、現場の主任技術者・監理技術者との兼任は別の確認です。
営業所技術者等には営業所で専任として勤務する原則があり、現場兼任には工事金額、現場数、移動時間、連絡体制などを確認する経路があります。近い現場なら何でもよい、又は監理技術者とは絶対に兼ねられない、という説明では判断できません。
候補者の資格・経歴と、営業所・現場の場所、契約金額、兼任予定を並べて確認します。条件が不明なら、配置できる前提で工事を契約しないことが大切です。
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社会保険は「加入義務があるのに未届出」と適用除外を分ける
健康保険・厚生年金保険・雇用保険は、適用事業所・適用事業に該当する営業所で必要な届出がされていることを確認します。適用除外の事業所へ、一律に同じ加入を求める趣旨ではありません。
法人・個人の別、従業員の人数や働き方、既に加入している制度によって確認が必要です。「建設国保だから全部問題ない」「従業員を1人雇えば誰でも同じ保険」という判断は避け、年金事務所やハローワーク等で適用関係を確認してください。
未届出が分かった場合は、必要な手続きと許可申請に使う確認資料を整理します。加入手続きが未完了なのに、申請書だけ加入済みにしてはいけません。
財産的基礎・誠実性・欠格事由を別々に確認する
一般の500万円要件には3つの経路がある
一般建設業の財産的基礎は、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、申請直前の過去5年間の許可を受けた継続営業実績のいずれかで確認します。初めての申請では、通常、自己資本又は資金調達能力を検討します。
法人の自己資本は貸借対照表の純資産合計で、資本金や預金残高と同じではありません。個人には別の計算があります。赤字だから直ちに不許可、資本金が500万円ないから不可能、とも限りません。
兵庫県では資金調達能力の資料として預金残高証明書や融資証明書等が示され、証明日や残高日は申請日前1か月以内とされています。複数金融機関の預金は、申請者名義・同じ残高日の証明で合算できる扱いです。発行日だけ新しければよいとは限りません。
資金を一瞬だけ移せば必ず認められるという制度ではありません。借入の実態や利用条件も説明できるよう整理し、証明書を取得する時期は、申請予定と銀行の発行日数に合わせます。
特定建設業では、欠損の額が資本金の20%以下、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上という基準をすべて満たす必要があります。500万円の残高証明で代えることはできません。
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誠実性は、前科がないことだけを意味しない
誠実性は、請負契約の締結・履行について、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかでないことを確認する要件です。申請者本人・法人のほか、役員等や政令で定める使用人も関係します。
兵庫県の手引は、不正な行為として詐欺・脅迫・横領など、不誠実な行為として工事内容・工期等の請負契約に違反する行為を説明しています。単に「前科がなければ誠実性は問題ない」と置き換えないでください。
欠格事由は、対象者・理由・期間によって確認する
欠格事由には、復権を得ていない破産、一定の許可取消し・営業禁止、刑罰、暴力団関係などがあります。現行法の刑名は「拘禁刑」で、拘禁刑以上の刑や法令で対象とされる罰金刑について、刑の執行終了等から5年間の条件が定められています。
ただし、すべての罰金、すべての取消し、すべての役員の過去を同じ条件で判断するわけではありません。執行猶予、対象犯罪、対象となる役員等の範囲や例外もあるため、罪名・判決や処分の内容・日付が分かる資料で確認します。
該当するか不明なときは、重要事項を隠さず、申請先へ確認してください。刑事責任等の個別判断が必要なら弁護士等にも相談し、回答がないまま「該当なし」として進めないようにしましょう。
29業種・知事と大臣・一般と特定・営業所を決める
許可の区分は、会社の規模や見栄えで選ぶものではありません。次の3つは別の判断です。
| 区分 | 判断する内容 |
|---|---|
| 29業種のどれか | 実際に請け負う工事の内容。土木・建築の一式2業種と、内装・電気・塗装・解体などの専門27業種がある。 |
| 知事許可か大臣許可か | 建設業の営業所が1つの都道府県内だけか、2つ以上の都道府県にあるか。工事現場が県外かどうかではない。 |
| 一般か特定か | 発注者から直接請け負う1件の工事で、下請契約の総額が特定の基準に達するか。自社の元請受注金額だけでは判断しない。 |
建築一式の許可は、すべての専門工事を単独で請け負える許可ではない
たとえば、内装仕上工事を単独で請け負う場合、建築一式の許可だけで、その専門工事の許可が必要な規模まで自由に受注できるわけではありません。リフォームという名称だけでなく、見積内訳・工事の目的・施工内容を確認します。
建設業許可が不要な軽微工事は、建築一式以外では1件の請負代金が消費税込み500万円未満であることが基準です。建築一式には税込1,500万円未満、又は延べ面積150㎡未満の木造住宅工事という別の扱いがあります。支給材料や契約分割も確認が必要です。
財産要件の500万円とは別の話なので、工事金額の税込判定と軽微工事の境界を確認してください。電気・解体等では、建設業許可以外の登録や資格が必要な場合もあります。
営業所が1県だけなら、県外施工のために大臣許可へ変える必要はない
兵庫県内だけに建設業の営業所がある事業者は、県外の現場を請け負うという理由だけで大臣許可を取る必要はありません。反対に、他県の拠点で契約締結等の営業を実際に行うなら、営業所としての扱いを確認します。
営業所は、登記上の住所だけではなく、見積り・入札・契約締結などの実体や、他の営業所への指導監督など建設業の営業への実質的な関与を基に判断されます。単なる資材置場や、建設業と無関係な拠点まで同じ扱いになるわけではありません。
自宅・賃貸・共同利用の事務所は、契約と使い方を確認する
営業所では、継続して営業できる場所と使用権限、事務を行う設備や人の配置を確認します。自宅だから一律不可というわけではありませんが、登記だけの場所や、実際に業務を行えない住所では足りません。
兵庫県の資料では、所有を確認する書類、賃貸借契約書・使用承諾書等と、外観・入口・看板・ポスト・事務室等の写真が示されています。他法人と共同利用する場合は、営業所としての区分が分かる平面図も必要です。
居住部分や他社部分との区分、入口からの動線、契約上の事務所使用の可否を確認してください。間仕切りを全国一律に「高さ170cm以上なら合格」と判断せず、図面と写真を示して所管へ確認してから、契約や改装を進めると手戻りを抑えられます。
許可申請の流れと費用|個人事業主・法人成りも先に確認する
申請は「診断→不足確認→資料→提出→審査」の順で進める
- 工事の内容と営業所から、業種・知事又は大臣・一般又は特定を整理する。
- 経管・技術者・財産・保険・欠格等を確認し、満たせる条件と不足を分ける。
- 申請先の最新手引に沿って、登記・申告書・経験資料・資格証・営業所資料等を集める。
- 証明書の日付、書類間の整合、申請方法・予約・納付方法を確認して提出する。
- 補正や追加確認に対応し、許可通知と許可された業種・営業所・有効期間を確認する。
審査期間は、許可行政庁、申請区分、補正等で変わります。兵庫県の公式Q&Aでは、受理後の目安を新規おおむね2か月、更新おおむね1か月、業種追加おおむね1か月半とし、審査状況等で延びる場合も案内しています。
資料収集の期間は別に必要です。全国一律に「申請すれば1か月で必ず取得」と予定を組まないでください。許可前に、許可が必要な工事を請け負えることにはなりません。
必要資料が取れないときは、代替資料の可否を窓口へ確認します。要件そのものが不足する場合は、名義借りや架空書類で埋めず、人の確保・経験・資金・申請時期を見直します。
法定費用と、資料取得費・行政書士報酬を分ける
| 申請の種類 | 主な法定費用 |
|---|---|
| 知事許可の新規 | 申請手数料9万円。一般と特定を同時に申請する場合などは、区分に応じた計算が必要。 |
| 大臣許可の新規 | 一般又は特定の一方で登録免許税15万円。両方なら30万円。知事の申請手数料とは税の性質が異なる。 |
| 更新・業種追加 | それぞれ申請手数料5万円が基本。一般・特定や同時申請の組合せを確認する。 |
金額の基本は国土交通省「許可申請の手続き」で確認できます。業種数を単純に5万円ずつ掛けるのではなく、申請区分と組合せで確認してください。
このほか、証明書の交付手数料や郵送費、依頼する場合の行政書士報酬などがあります。法定費用だけで申請準備全体の予算が足りるとは限りません。
兵庫県では紙申請は県収入証紙、電子申請は県の電子納付システムによる扱いです。大臣新規の登録免許税は、更新等の手数料とは納付方法が異なります。全国一律に現金・証紙・収入印紙を選べるわけではないため、提出先と申請方式の案内を確認してください。
兵庫県の申請手数料は、不許可や受理後の取下げでも返還されません。一方、大臣新規の登録免許税には、取下げ・却下に伴う還付手続きがあります。自動返金と考えず、申請先へ必要な手続きを確認します。
行政書士へ依頼する場合は、新規・追加・更新の区分、業種数、経験証明の整理、書類収集の範囲、実費・消費税・追加対応を含めて見積もりを確認してください。依頼範囲が違う見積もりを、表示された金額だけで比較しないことが大切です。
自分で申請することもできます。判断が難しい要件、過去資料の不足、兼任、事業承継などがある場合は、その部分から相談する方法もあります。依頼すれば要件がなくても許可される、又は審査期間が必ず短くなるわけではありません。
個人事業主でも取得できるが、法人化の時期は別に検討する
法人化は許可取得の必須条件ではありません。個人事業主も必要な要件を満たせば申請でき、個人用の財務諸表や本人の経歴等で確認します。法人の登記事項証明書を身分証明書1枚に置き換えれば全部そろう、という意味ではありません。
個人の許可が、設立した会社へ自動的に移ることはありません。一方、建設業法には許可に係る建設業の全部を譲渡する場合等について、事前認可による承継制度があるため、「必ず個人を廃業して新規で取り直す」とも限りません。
法人化を予定しているなら、事業を移す日を決める前に、承継制度の対象・受け手側の人員配置等の要件・事前認可の申請時期を所管へ確認します。兵庫県の手引は、事前相談のうえ、効力発生日の45日前(土・日・祝を除く)までの申請を案内しています。これは全国一律の45暦日ではありません。
既許可の満了日、譲渡予定日、業種と人員配置を整理し、先に移転や廃業を済ませないでください。承継を利用できない、又は認可が間に合わない場合は、新規申請の要否とその間の営業範囲を確認します。法人設立を先にするか、現在の個人事業で取るかは、受注予定と費用・税務等を合わせて検討します。
2025年の建設業法改正は施行済み|現在の金額・契約ルールで判断する
特定建設業が必要となる下請総額は5,000万円・8,000万円
2025年2月1日から、発注者から直接請け負う1件の工事について、下請契約の総額が消費税込み5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上となる場合の基準が適用されています。旧基準の4,500万円・7,000万円を、現在の基準と混ぜないでください。
これは、元請受注額の上限や、無許可で請け負える500万円の基準を引き上げたものではありません。複数の下請への発注も合計して判断し、追加工事で基準へ達する見込みがある場合も先に確認します。この下請代金の判定には、元請が提供する材料等の価格を含めません。無許可で請け負える軽微工事の判定における支給材料の加算とは区別してください。
労務費・見積り・契約のルールは「許可が取りやすくなるだけ」の改正ではない
2025年12月12日には、改正建設業法等が全面施行されました。労務費等を適切に確保するため、著しく低い労務費等による見積りや、その変更を求める行為などに関する規制が整備されています。
「労務費に関する基準」は、個々の職人へ全国一律の賃金額を直接定めるものと同じではありません。適正な労務費を見積り・請負契約で確保し、技能者の処遇改善につなげる仕組みです。
なお、価格変動等に伴う請負代金の変更方法や、工期・代金へ影響するおそれのある情報の通知など、2024年12月13日に施行された内容もあります。すべてを「2025年12月からの新制度」とまとめず、見積書・契約書・変更協議の運用を確認してください。
具体的な対象と運用は、国土交通省の改正建設業法・第三次担い手3法の案内から確認できます。許可区分の判断と、許可後も守る取引ルールの確認は両方必要です。
許可取得後のメリットと負担を考え、更新・決算変更届まで準備する
受注の選択肢は広がるが、融資や売上が保証されるわけではない
許可を受けた業種では、許可が必要な規模の工事を適法に請け負うための基盤を整えられます。取引先が許可を条件にする場面にも対応しやすくなりますが、受注・融資・売上を国が保証するものではありません。
維持には、5年ごとの更新、毎年の決算変更届、役員・営業所・技術者等の変更手続きが関係します。変更内容によって届出期限が異なるため、担当者と管理方法を決めておきます。許可の有無にかかわらず適用される建設業法のルールもあり、「取得すると初めて法律の対象になる」という意味ではありません。
決算変更届は毎年4か月以内、更新は満了日から逆算する
事業年度が終わったら、原則として終了後4か月以内に決算変更届を提出します。税務署への申告とは別の手続きです。未提出がある場合の整理は、決算変更届の期限と必要書類で確認してください。
許可の有効期間は5年間で、更新申請は満了日の30日前までに提出することとされています。「30日前までに新しい許可が出ていないと、その日に失効する」という意味ではありません。更新申請後に満了日が来ても、処分まで従前の許可が有効となる規定があります。
30日前を過ぎた、又は満了日が迫っている場合は、自己判断で通常どおり進めず所管へ直ちに確認します。満了による失効と、更新審査中の状態を区別し、更新手続きと期限の確認を進めてください。
経審・CCUS・補助金は、目的と別の条件を確認する
公共工事への参加を目指す場合は、許可の次に経営事項審査や発注者ごとの入札参加資格を確認します。経審の点数だけで、全国共通の工事ランクや受注が決まるわけではありません。
CCUS(建設キャリアアップシステム)は技能者の資格・就業履歴等を蓄積する仕組みです。経審で関連する取組が評価される場合も、登録しただけで自動的に加点されると考えず、対象工事・就業履歴の蓄積等の条件を確認します。
補助金も、許可があれば必ず採択される制度ではありません。年度ごとの公募要領で対象事業者、対象経費、交付決定前の契約・支出の扱い等を確認し、未確認の採択や入金を資金繰りの前提にしないようにしましょう。
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相談前に「分かること」と「まだ証明できないこと」を分ける
準備するのは、希望業種・工事の内訳、営業所の所在地、候補者の資格と経歴、決算書・申告書、経験を示す資料、社会保険の状況、申請希望時期です。書類が全部そろっていなくても、何がないのかが分かれば確認の順番を決めやすくなります。
おのっちからひと言
許可の準備は、先に証明書を大量に集めるよりも、要件ごとに「誰の、どの期間の、何を証明するか」を決めることが大切です。足りないものが資料なのか、経験や配置なのかを分けてから、費用と日程を組みましょう。
具体的な資料と申請先の運用は、兵庫県「建設業許可申請等の手引」等の最新案内で確認してください。他県・大臣許可では、それぞれの提出先へ確認します。
※この記事は一般的な制度案内です。個別の許可可否、刑事責任、税務・融資・補助金の判断を保証するものではありません。
