「2027年から電子マニフェストが変わると聞いたけれど、うちの会社は何をすればいい?」
「再資源化等の情報とは、具体的に何を入力するのか?」
「JWNETの新しい操作方法だけ覚えれば対応できる?」
2027年4月1日から、電子マニフェスト(JWNET)の一部報告内容が変わります。
最初に結論を整理すると、今回直接対応が必要になるのは、主に電子マニフェストを利用している産業廃棄物処分業者です。
対象になるのは、
処分終了報告(最終)
と、
最終処分終了報告
です。
これらの報告をするときに、処分業者は、最終処分または再生までの処理状況について「再資源化等の情報」を追加で報告します。
2027年4月1日から、この追加項目は必須になります。
一方、
2027年4月から電子マニフェストそのものが、すべての事業者に義務化される
という改正ではありません。
今回の改正で本当に重要なのは、単にJWNETの入力欄が増えることでもありません。
処分業者はその前段階で、
どの廃棄物を
↓
どの方法で処理し
↓
処理後に何が生じ
↓
何が再資源化され
↓
残さをどこへ委託し
↓
最終的にどこで再生・最終処分されるのか
を整理しておく必要があります。
つまり今回の改正対応は、
「JWNETの新しい操作方法を覚える」
ことより先に、
「自社の処理フローをJWNETへ正しく落とし込める状態にする」
ところから始まります。
電子マニフェスト制度全体の仕組みから確認したい方は、既存の電子マニフェスト(JWNET)ページもあわせてご確認ください。
この記事で扱う電子マニフェストは、廃棄物処理法に基づく産業廃棄物の電子マニフェスト(JWNET)です。自動車リサイクル法における電子マニフェストとは別制度です。
2027年4月から電子マニフェストは何が変わる?
今回の改正の正式な根拠は、
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和7年環境省令第15号)」
です。
2025年4月22日に公布され、電子マニフェストの最終処分関係の報告事項追加については、2027年4月1日から施行されます。
今回は「電子マニフェスト全面義務化」ではない
今回の改正は、
2027年4月から紙マニフェストが使えなくなる
という内容ではありません。
また、
すべての排出事業者に新しい入力義務が増える
という改正でもありません。
今回追加されるのは、処分業者が電子マニフェストで行う最終処分関係の報告事項です。JWNETも、今回の省令改正では排出事業者・収集運搬業者の入力項目に追加はなく、処分業者の報告事項のみが追加されると明示しています。
制度改正の公式概要はこちらで確認できます。
なぜ今回の改正が行われるのか
従来の電子マニフェストでも、処分や最終処分が終了したことは確認できました。
一方、
どのような処分方法で処理したのか
どれくらい処理したのか
処理後に何が生じたのか
どの程度が再資源化されたのか
といった情報まで、排出事業者が一連の処理状況として詳しく把握する仕組みは十分ではありませんでした。
今回の改正によって、処分方法や再資源化物等の情報が追加され、排出事業者が処理の流れや再資源化の状況まで確認できるようになります。JWNETは、この変更によって適正処理の強化と資源循環の促進が期待されると説明しています。
益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター「パブリックコメント」
つまり、
「処理が終わったか」
だけではなく、
「どのように処理され、その結果どうなったか」
まで見えるようにする方向への改正です。
2027年3月31日までと4月1日以降の違い
JWNETには、すでに今回の追加項目が実装されています。
2025年5月6日から2027年3月31日までは任意入力で、2027年4月1日から必須入力です。
処分業者向けセミナー(省令改正対応:再資源化等の情報の入力方法)開催のお知らせ
| 項目 | 2027年3月31日まで | 2027年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 再資源化等の情報 | 任意入力 | 必須入力 |
| 処分終了報告(最終) | 従来方式でも報告可能 | 追加情報を含めて報告 |
| 最終処分終了報告 | 従来方式でも報告可能 | 追加情報を含めて報告 |
| 排出事業者の追加入力 | なし | なし |
| 収集運搬業者の追加入力 | なし | なし |
| 処分業者 | 事前準備・任意入力可能 | 直接対応が必要 |
さらに重要なのは、2027年4月1日以降、再資源化等の情報を入力していなければ、対象となる処分終了報告(最終)・最終処分終了報告を完了できなくなることです。
したがって、
「4月になったら今までどおり終了報告をして、新しい情報は後から整理する」
という運用はできません。
2027年4月になる前に、必要な情報を整理しておくことが重要です。
誰が対象?排出事業者・収集運搬業者・処分業者の違い
今回の改正では、マニフェストに関係するすべての事業者へ同じ入力項目が追加されるわけではありません。
| 立場 | 今回の主な変更 |
|---|---|
| 排出事業者 | 新しい入力項目の追加なし。報告された情報を確認する側 |
| 収集運搬業者 | 今回の改正による追加入力なし |
| 処分業者 | 対象となる終了報告時に再資源化等の情報を報告 |
直接対応が必要になるのは処分業者です。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
自社の処理で最終処分・再生まで完了する場合
自社の処理で最終処分または再生まで完了し、その後に2次マニフェストによる処理が続かない場合は、
処分終了報告
↓
報告区分「最終」
↓
再資源化等の情報を報告
という流れです。
自社の中間処理後も処理が続く場合
自社で中間処理した後の廃棄物を別の処分業者へ委託する場合は、
処分終了報告「中間」
↓
下流で処理
↓
最終処分・再生を確認
↓
最終処分終了報告
↓
再資源化等の情報を報告
となります。
JWNETも、1次マニフェストで処理が完了する場合は「処分終了報告」で報告区分「最終」を選び、2次マニフェスト以降で完了する場合は「最終処分終了報告」で再資源化等の情報を報告すると説明しています。
「処分終了報告(最終)」と「最終処分終了報告」の違いを詳しく確認したい場合はこちらをご覧ください。
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参考電子マニフェストの終了報告とは?運搬・処分・最終処分と期限をわかりやすく解説
「運搬終了報告と処分終了報告は何が違う?」 「最終処分終了報告まで必ず確認するの?」 「3日、60日、90日、180日は、それぞれ何の期限?」 電子マニフェストは、排出事業者がマニフェスト情報を登録し ...
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「再資源化等の情報」とは?処理ルートの具体例で理解する
JWNETでいう「再資源化等の情報」では、主に次の内容を報告します。
| 報告する情報 | 実務上の意味 |
|---|---|
| 処分を行った者の氏名・名称及び許可番号 | 誰が処理したか |
| 処分を行った事業場の名称・所在地 | どこで処理したか |
| 処分方法 | どのように処理したか |
| 処分方法ごとの処分量 | その方法でどれだけ処理したか |
| 処分後の産業廃棄物または再生された物の種類・数量 | 処理後に何がどれだけ生じたか |
JWNETのFAQでも、処分業者名・許可番号、処分事業場、処分方法、処分方法ごとの処分量、処理後物の種類と量が主要な追加情報として整理されています。
自社の処理だけ整理すればよいとは限らない
たとえば、次のような処理ルートを考えてみます。
排出事業者
↓
収集運搬
↓
中間処理業者A:破砕・選別
↓
60kg:再生原料
+
40kg:中間処理業者Bへ
↓
焼却
↓
4kg:燃え殻
↓
最終処分場
↓
埋立処分
中間処理業者Aに必要なのは、
「自社で100kgを破砕した」
という情報だけではありません。
最終処分または再生まで、
誰が
どこで
どの方法で
どれだけ処理し
その結果何が生じたか
を整理する必要があります。
さらに重要なのが、下流で紙マニフェストを使っている場合です。
1次マニフェストが電子の場合は、2次マニフェスト以降で紙マニフェストを使用していても、下流の再資源化等の情報を把握して1次電子マニフェスト側で報告する必要があります。
したがって、
「二次処理以降は紙だから、今回のJWNET改正とは関係ない」
とは考えないようにしましょう。
処分方法は許可証との関係も確認する
処分方法を整理するときは、産業廃棄物処分業許可証等に記載されている処分方法との関係も確認します。
たとえば、
許可証では「破砕」
現場では「破砕選別」
社内資料では「中間処理」
のように、社内で表現が統一されていないことがあります。
この状態自体が直ちに問題というわけではありません。
ただし、JWNETへ処分方法を登録する以上、
許可上の処分方法
実際の処理
JWNET上の区分
の関係は整理しておいた方がスムーズです。
「再資源化等の情報パターン」とは?何を準備して設定する?
毎回、最終処分までの処理ルートを一から入力すると、処分業者の事務負担は大きくなります。
そこでJWNETには、**「再資源化等の情報パターン」**という機能があります。
JWNETはパターンを、
最終処分が終了するまでの処理ルートと、各処分段階での量を割合で表したもの
と説明しています。
たとえば、
自社:破砕・選別
↓
60%:再資源化
40%:焼却へ
↓
焼却後10%:燃え殻
↓
最終処分
というような流れをあらかじめ整理しておきます。
パターンに整理する主な情報
主に、
- 処分業者・処分事業場
- 処分方法
- 処分方法ごとの割合
- 処理後物の種類
- 処理後物ごとの割合
- 下流の処理ルート
などです。
基準重量とは
JWNETでは、処分量などを算出する際に「基準重量」を使用します。
基準重量とは、
処分業者が排出事業者から受け入れ、処分の対象とする廃棄物の量をkg単位で表したもの
です。
この基準重量が、処分方法ごとの処分量や、再資源化物・中間処理後廃棄物の量を算出する基準になります。
パターンそのものは必須ではない
ここは重要です。
2027年4月から必要になるのは、
再資源化等の情報を報告すること
です。
再資源化等の情報パターンを作成すること自体が法的義務になるわけではありません。
直接入力する運用もできます。
ただし、パターンを使用しない場合でも、処分方法・処理後物・処分事業場など、再資源化等の情報を入力するための基本設定は必要です。JWNETの入力手引きでも、「基本設定」が再資源化等の情報入力の事前準備として位置付けられています。
したがって、
パターンを使わない
= 何も準備しなくてよい
ではありません。
同じ処理ルートを繰り返し使用する会社では、パターンを設定することで入力を効率化しやすくなります。
JWNETでは、整理表・作成ガイドなども用意されています。
処分業者が2027年4月までに準備すべきこと
今回の記事で最も重要なのがここです。
JWNETの入力方法を見る前に、まず次の12項目を確認してください。
- □ 自社が受け入れている産業廃棄物を整理する
- □ 自社の処分方法を整理する
- □ 処理工程をフロー化する
- □ 処理後に生じる物を整理する
- □ 再資源化される物を整理する
- □ 二次処理先を整理する
- □ 最終処分・再生までのルートを確認する
- □ 各工程の数量をどう把握するか決める
- □ パターンを使うか、直接入力するか決める
- □ 許可証と実際の処理内容を確認する
- □ 下流の委託契約を確認する
- □ 社内で入力・確認する担当者を決め、施行前に一度試す
1.受け入れている廃棄物を整理する
まず、
どの産業廃棄物を受け入れているか
を整理します。
同じ廃棄物種類でも、
性状が良いものは再生利用
性状が悪いものは焼却
など、処理ルートが変わる場合があります。
同じ品目だからといって、必ず1つのルートにまとめられるとは限りません。
2.自社の処分方法を整理する
たとえば、
- 破砕
- 選別
- 焼却
- 圧縮
- 脱水
- 中和
- 埋立て
など、実際に行っている処分方法を整理します。
その際には、処分業許可証に記載されている内容も確認しておきます。
3.処理工程をフロー化する
文章だけではなく、
受入れ
↓
一次処理
↓
処理後物A/処理後物B
↓
再資源化/二次処理/最終処分
という形で見える化すると整理しやすくなります。
特に、
工場長は全部分かっているが、JWNETを操作する事務担当者は分からない
という会社では、この作業が重要です。
4.処理後に生じる物を整理する
たとえば、
- 再生原料
- 金属
- 燃料化物
- 処理残さ
- 燃え殻
- 汚泥
- その他の中間処理後廃棄物
などです。
社内で使っている名称と、JWNETで使用する分類が同じとは限りません。
5.二次処理先を整理する
自社処理で完結しない場合は、
何を
どの会社へ
どの事業場へ
どの処分方法で
委託しているのかを確認します。
6.最終処分・再生までのルートを確認する
二次処理先へ委託したところで確認を止めないことが重要です。
その先で、
再生されるのか
さらに処理されるのか
最終処分されるのか
まで整理します。
1次マニフェストが電子の場合は、下流で紙マニフェストが使用されていても、その下流工程の情報把握が必要になります。
7.数量をどう把握するか決める
処分量・処理後物量を把握する際、実測できるものは実測しておくのが分かりやすいでしょう。
一方で、毎回すべてを個別に実測することが難しい場合もあります。
JWNETの準備資料では、帳簿や過去の実測値などをもとに、処分方法ごとの割合や処理後物ごとの割合をあらかじめ算出しておく方法も示されています。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
その場合でも、
「だいたい50%」
ではなく、
なぜその割合にしたのか説明できる資料
を残しておくことが重要です。
8.パターンを使うか決める
処理ルートが比較的固定されている会社では、パターン利用を検討します。
一方で、案件によって処理ルートが大きく変わる場合などは、複数パターンや直接入力を組み合わせる方法も考えられます。
直接入力する場合でも、基本設定は事前に行います。
9.許可証との関係を確認する
少なくとも、
許可品目
処分方法
処理施設
と、実際の処理内容を確認しておきます。
今回の改正だけを理由に、すべての事業者で許可変更が必要になるという意味ではありません。
あくまで、処分方法をJWNETへ報告する機会に、現在の許可内容と実処理を確認しておくという位置付けです。
10.下流の委託契約を確認する
自社からさらに処理を委託している場合は、
誰に
何を
どのような処分で
委託しているのかを確認します。
今回の2027年改正によって、すべての委託契約書を一律に作り直さなければならないという意味ではありません。
現在の契約内容と実際の処理ルートを確認する機会として考えます。
11.社内の役割分担を決める
たとえば、
工場長
→ 処理工程・数量や割合を確認
契約担当
→ 二次処理先・契約情報を確認
事務担当
→ JWNETへ入力
管理者
→ 報告内容を確認
というように整理します。
再資源化等の情報は、事務担当者だけでは判断しにくい情報も多いため、現場との連携が重要です。
12.2027年4月前に一度試しておく
2027年3月31日までは任意入力期間です。
そのため、
情報整理
↓
基本設定
↓
パターン作成または直接入力の準備
↓
実際に入力して確認
まで先に進めることができます。
JWNETも2026年10月から、処分業者向け説明会について、単なる制度説明ではなく再資源化等の情報パターンに必要な情報整理や作成手順に重点を置いています。
最新の説明会情報は公式ページで確認できます。
JWNETへ入力する前に、許可証・委託契約・実際の処理フローも確認する
今回の改正対応を、
「JWNETだけの問題」
と考えないことが重要です。
実務では、
産業廃棄物処分業許可
↓
許可品目
↓
処分方法
↓
処理施設
↓
実際の処理工程
↓
処理後物
↓
二次処理先
↓
再生・最終処分
↓
委託契約
↓
JWNET登録情報
をつなげて確認すると整理しやすくなります。
JWNETへの入力前に起こりやすい情報のズレ
たとえば、
許可証:破砕
現場:破砕選別
社内台帳:中間処理
営業担当:リサイクル
というように、同じ処理について部署ごとに異なる表現を使っていることがあります。
これだけで直ちに問題があるという意味ではありません。
しかし、2027年4月以降は、JWNETで処分方法や処理後物をより具体的に報告することになります。
そのため、
許可証では何と書かれているか
実際に工場では何をしているか
JWNETではどの区分で表現するか
を整理しておくことには意味があります。
下流処理と委託契約も確認する
自社からさらに下流へ処理を委託している場合は、
どの業者へ
何を
どのような処分で
委託しているかも確認します。
これは、
今回の改正によって、すべての委託契約書を作り直さなければならない
という意味ではありません。
2027年改正への準備をきっかけに、契約上の処理ルートと実際の処理を確認しておくという位置付けです。
紙マニフェストを含むマニフェスト管理や委託契約との関係を確認したい場合は、こちらの記事も参考になります。
自社だけで整理が難しい場合|当事務所で支援できること
今回の改正では、
「JWNETの操作方法が分からない」
という問題より前に、
「JWNETへ何を入力すればよいのか、社内の情報が整理できていない」
という問題が出てくる可能性があります。
たとえば、
- 工場長しか処理ルートを把握していない
- 事務担当者が二次処理先より先を知らない
- 処理後物の名称が社内で統一されていない
- 再資源化率・残さ率の根拠が整理されていない
- 許可証と現場で処分方法の呼び方が違う
- 二次処理先・最終処分先が複数ある
- JWNETのパターンへどう落とし込めばよいか分からない
といったケースです。
当事務所では、個別の状況と業務範囲を確認したうえで、
2027年改正への対応状況の確認
処理工程・処理ルートの整理
JWNET登録前に必要な情報の整理
再資源化等の情報パターン作成に向けた準備
処分業許可証と処分方法の確認
許可品目・処理施設の確認
二次処理先・最終処分先の整理
産業廃棄物処理委託契約書の確認・整備
社内での入力・確認フローの整理
担当者向け社内マニュアルの作成
改正後の運用状況の確認
などの支援を検討できます。
JWNETのID・パスワードを渡せば全部任せられる、とは考えない
JWNETの利用では、加入者番号やパスワードの管理、利用者権限などにも注意する必要があります。
また、JWNETにはサブ番号やASP・EDIなど正式な利用方法があります。
そのため、
「会社のID・パスワードを行政書士へ渡し、自由にログインして全部代理入力してもらう」
ことを当然の前提にはしません。
実際の操作支援まで行う場合は、加入規約、利用権限、利用形態等を確認したうえで、対応できる範囲を個別に判断します。
なお、JWNETでは2027年4月1日に加入規約・利用細則も改正予定です。公式の「加入規約等」ページでは、2027年3月31日までの現行規約と2027年4月1日以降の新規約を確認できます。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
今回の改正対応で専門家を利用しやすいのは、むしろ、
JWNETへ正しく入力できるところまで、会社の処理情報を整理する部分
です。
自社の準備状況を一度整理したい場合は、電子マニフェスト(JWNET)のページからご相談ください。
2027年電子マニフェスト改正についてよくある質問
Q.2027年4月からすべての排出事業者の入力項目が増えるのですか?
いいえ。
今回の省令改正では、処分業者の報告事項のみが追加されます。
排出事業者・収集運搬業者の入力項目には今回の改正による追加はありません。
Q.紙マニフェストにも同じ変更がありますか?
紙マニフェストそのものに、今回と同じJWNETの入力項目が追加されるわけではありません。
ただし、1次マニフェストが電子の場合は、下流で紙マニフェストが使用されていても、下流工程の再資源化等の情報を把握して報告する必要があります。
紙と電子の制度上の違いについてはこちらで詳しく解説しています。
Q.2027年4月までにJWNETの設定変更が必要ですか?
まず必要なのは、報告する情報の整理です。
そのうえで、
- 処分事業場
- 処分方法
- 処理後物
など、再資源化等の情報を入力するための基本設定を確認します。
JWNETの入力手引きでも、基本設定が再資源化等の情報入力の事前準備として位置付けられています。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
Q.再資源化等の情報パターンはいつから作れますか?
すでに準備できます。
JWNETには2025年5月から追加項目が実装されており、2027年3月31日までは任意入力期間です。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
Q.パターンは必ず作らなければいけませんか?
いいえ。
2027年4月から必須になるのは再資源化等の情報の報告です。
パターンは、その情報を効率よく入力するために利用できる機能です。
パターンを使わず、必要情報を直接入力する運用も可能です。
ただし、直接入力の場合でも、報告に必要な基本設定は事前に行います。
Q.処分後の量が毎回違う場合はどうしますか?
実際の量を把握できる場合は、その情報を使用するのが分かりやすいでしょう。
毎回の実測が難しい場合には、帳簿、過去の実測値、施設の実績などから合理的な割合を設定し、基準重量をもとに処分量・処理後物量を算出する方法があります。JWNETも、パターン作成前に帳簿や過去の実測値から比率を算出しておく方法を案内しています。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
その場合は、
なぜその割合を設定したのか説明できる状態にしておくこと
が重要です。
Q.二次処理先が複数ある場合はどう整理しますか?
最終処分または再生までの処理ルートごとに整理します。
たとえば、
ルートA:破砕 → 再生利用
ルートB:破砕 → 焼却 → 埋立て
のように分けます。
廃棄物の性状や委託先によってルートが変わる場合は、複数のパターンを用意して使い分ける方法も検討します。
Q.入力しないとすぐ罰金になりますか?
「2027年4月から新項目を入力しなかったら直ちに罰金」と単純に説明するのは適切ではありません。
一方で、2027年4月1日以降は、再資源化等の情報が未入力では対象となる報告を完了できない仕様になります。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
したがって、
「罰金になるかどうか」だけではなく、対象報告を期限どおり適切に完了できる状態を事前に作っておく
ことが重要です。
Q.行政書士にはどこまで相談できますか?
たとえば、
- 処理フローの整理
- 二次処理・最終処分ルートの整理
- JWNETへ入力するための情報整理
- パターン作成前の資料整理
- 処分業許可証との確認
- 委託契約書の確認
- 社内運用フローの整理
- 社内マニュアル作成
などについて、具体的な状況と業務範囲を確認したうえで支援内容を検討できます。
JWNETそのものの代理操作については、加入規約や利用権限等を確認せず、一律に「代理入力できます」とは案内しません。
2027年4月の電子マニフェスト改正で、処分業者に求められるのは、
単に新しい入力欄を覚えることではありません。
その前に、
自社がどのような処分をしているのか
処理後に何が生じるのか
何がどれだけ再資源化されるのか
残さをどこへ委託しているのか
その先でどのように処理されるのか
最終的に再生・最終処分までどうつながっているのか
を整理しておくことが重要です。
そして、
許可証
委託契約
実際の処理工程
JWNET
の情報をつなげておく必要があります。
2027年4月直前になって入力方法だけを確認するより、2026年度中に処理工程・再資源化ルート・数量の根拠・委託先・社内担当まで整理しておく方がスムーズです。
JWNET自身も、2026年10月から、処分業者向けに情報整理とパターン作成を重視した説明会を実施しています。 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
今から準備を始めれば、2027年4月までに対応を進める時間はあります。
ただし、
処理ルートが複数ある
二次処理先が多い
現場と事務で情報が分かれている
許可証・委託契約まで含めて確認したい
という会社ほど、情報整理には時間がかかります。
「2027年改正への準備状況を確認したい」
「JWNETへ入力する情報の整理から相談したい」
「処理フロー・許可証・委託契約書まで含めて確認したい」
という場合は、2027年4月直前ではなく、準備できる部分から早めに整理しておくことをおすすめします。
今回の改正では、JWNETへ入力する作業そのものより、その前段階の「正しく入力できる状態づくり」が重要です。


