産廃収集運搬業の事業計画を、運搬ルートや車両の資料と照らして書くイメージ

産業廃棄物許可の基礎知識

産業廃棄物収集運搬業許可の事業計画の概要|書き方・記載例と申請前の確認事項

産業廃棄物収集運搬業の許可申請で、「事業計画の概要」を書こうとしたものの、何をどこまで具体的に記入すればよいか迷っていませんか。

「建設現場から廃棄物を運ぶ」と決めていても、それだけでは予定運搬量の数字も、排出事業場や運搬先の名称も決まりません。車両や運搬容器、環境保全措置の欄にも、実際の計画に合った説明が必要です。

ココがポイント

大切なのは、記入例をそのまま写すことではなく、「何を・どこから・どこへ・どれだけ・どう運ぶか」を一つの事業計画としてつなげることです。

この記事では、産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請(積替え・保管なし)を想定し、建設系産業廃棄物を運搬する架空の事業モデルを使って、各欄の書き方と数字の決め方を順番に説明します。大阪府の公式記入例を主な参照資料とし、未定事項の扱いについては自治体による違いも紹介します。

申請先によって様式や記載方法が異なるため、実際に提出する際は、申請先の最新の申請手引き・指定様式を優先してください。

記入したい項目から読む

事業の全体計画 / 品目・予定運搬量・事業場・運搬先 / 車両・容器・環境保全措置

取引先や運搬先がまだ決まっていない方は、未定の場合の書き方と確認事項をご覧ください。記入を終えた方は、申請前の点検表で内容を照合できます。

 

事業計画の概要には何を書く?記入例の見方

最初に確認したいのは、記入する項目の全体像です。大阪府の令和8年4月版「許可の手引き」では、今回のテーマに関係する「様式第六号の二」が、主に次の記入面に分かれています。

記入面 主に書くこと
第1面:事業計画の概要 事業の全体計画、廃棄物の種類・運搬量・性状、予定排出事業場、予定運搬先
第2面:運搬施設の概要 運搬車両、事務所・駐車場、運搬容器等
第4面:収集運搬業務の具体的な計画 車両ごとの用途、収集運搬業務を行う時間、休業日、従業員数
第5面:環境保全措置の概要 運搬に際して講じる環境保全措置

出典:大阪府「産業廃棄物収集運搬業(積替え又は保管を含まない)の許可の手引き+様式集」令和8年4月版。表のリンクから各面の記入例を参照できます。PDFが先頭から開く場合は、手引きの47ページ(第1面)、49ページ(第2面)、50ページ(第4面)、51ページ(第5面)をご覧ください。

長野県の積替保管施設なしの許可申請案内など、申請先によって関連書類の名称・番号や記載要領が異なる場合もあります。大阪府の様式をそのまま他自治体へ提出するのではなく、自分が申請する行政庁の様式と照合しながら読み進めてください。

記入前にそろえておく情報

白紙の申請書から考えるより、手元の情報を次のように先にまとめると、各欄を埋めやすくなります。

先に整理するもの 記入時に使う情報
予定する仕事 排出元の業種・現場、取扱品目、運搬する地域
予定数量 品目ごとの1回当たりの量、月間運搬回数、月間見込み量
排出事業場・運搬先 決まっている名称・所在地、未定の項目、施設の取扱品目
車両 車体の形状、登録番号、最大積載量、使用者、用途
運搬容器 名称、用途、容量、許容荷重、使用する数量
運搬方法 積込み方法、シート掛け、容器の閉鎖・固定など

決まっていない項目は、架空の社名や施設名で埋めてはいけません。何が未定かを分けておき、申請先に確認するための材料にします。

まだ運ぶものや運搬先などの計画自体が固まっていない場合は、産廃収集運搬業許可の事業計画で決めることで、準備の全体像を確認できます。

この記事で使用する架空の事業モデル

以下は実在しない申請者・現場・処理施設を用いた説明例です。自治体の公式な完成記入例でも、許可取得事例でもありません。

項目 想定する事業内容
事業 建設工事現場から発生する産業廃棄物の収集運搬
産業廃棄物 がれき類、廃プラスチック類
排出事業場 (架空)甲建設株式会社・あおば新築工事現場
がれき類の運搬先 (架空)乙再資源化株式会社・第1中間処理施設
廃プラスチック類の運搬先 (架空)丙リサイクル株式会社・選別施設
がれき類の予定量 12t/月(1回3t×月4回)
廃プラスチック類の予定量 1t/月(1回0.5t×月2回)
使用車両 最大積載量4,000kgのダンプ車、2,000kgのキャブオーバ型トラック、各1台
容器 廃プラスチック類用のフレキシブルコンテナバッグ
積替え・保管 行わない

がれき類と廃プラスチック類は、それぞれ対応する車両・運搬先を想定します。以下、同じ計画を使って第1面から第5面まで説明します。

このモデルは、石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、特別管理産業廃棄物などの個別の取扱いを要する廃棄物を想定していません。それらを扱う場合に、この例をそのまま適用しないでください。

積替え・保管の有無から迷う場合は、積替え保管あり・なしの違いと判断方法で、自分の運搬計画を整理してください。

 

事業の全体計画の書き方と記入例

事業の全体計画は、予定する収集運搬事業を短い文章で説明する欄です。大阪府の公式記入例では、排出場所、廃棄物、運搬先などを組み合わせて事業内容を記載しています。

全体計画には何を盛り込む?

文章を作る前に、次の順番で考えます。どこで発生するか → 何を扱うか → どこへ運ぶか → どのような運搬方法か。 さらに、申請先の様式が求める場合は営業範囲なども明確にします。

例えば「建設工事現場から発生する、がれき類と廃プラスチック類を、それぞれ対応した中間処理施設へ、積替え・保管なしで運搬する」という情報があれば、文章の骨格ができます。

事業の全体計画の具体的な記入例

【記入例:架空の建設系廃棄物収集運搬事業】

主に例示県あおば市内の建設工事現場から発生するがれき類及び廃プラスチック類について、排出事業者から収集運搬の委託を受け、積替え又は保管を行わず、それぞれ受入れを予定する中間処理施設へ運搬する。

がれき類はダンプ車で運搬し、廃プラスチック類はフレキシブルコンテナバッグに収納してキャブオーバ型トラックで運搬する。運搬中は荷台へのシート掛け、容器の閉鎖・固定などにより、廃棄物の飛散や流出を防止する。

ここでの「例示県あおば市」は説明用の架空地域です。正式な申請では、実際に予定する地域や施設に合わせて記入します。

この文章は、前段で事業の大枠を説明し、後段で運搬方法を補っています。すべての申請先でこの文量・表現が要求されるという意味ではありません。申請先の記載要領に照らして、事業の全体像が伝わる内容に調整してください。

ほかの記入欄と矛盾しないようにする

全体計画に「がれき類と廃プラスチック類」と書いたのに、品目別の欄にがれき類しかないと、内容が一致しません。また、全体計画で廃プラスチック類は容器に収納すると説明したら、運搬容器欄にも実際に使う容器が反映されているか確認します。

全体計画の記述 対応して点検する記入欄
がれき類・廃プラスチック類を扱う 第1面の品目別記入欄
それぞれの中間処理施設へ運ぶ 第1面の予定運搬先
ダンプ車・キャブオーバ型トラックを使う 第2面の車両一覧、第4面の車両ごとの用途
フレキシブルコンテナバッグを使う 第2面の運搬容器欄
シート掛け・容器の固定を行う 第5面の環境保全措置

全体計画に営業地域を書くことと、その地域で事業を行うための許可を取得していることは別です。許可の対象となる地域については、産業廃棄物収集運搬業許可の申請先と許可権者で、積込み・荷卸し場所に応じた調べ方を確認してください。

 

廃棄物の種類・予定運搬量・排出事業場・運搬先の書き方

第1面の品目別欄では、取り扱う廃棄物ごとに運搬量、性状、予定排出事業場、予定運搬先を記載します。ここでは、同じ品目についての情報を横につなげて考えると書きやすくなります。

廃棄物の種類と性状の記入方法

今回の事業モデルで考えると、次のようになります。

産業廃棄物の種類 実際に運ぶ物の例 性状の記入例
がれき類 建設工事で発生するコンクリート片 固形状
廃プラスチック類 建設工事で発生する廃プラスチック製シート 固形状

「建設廃棄物」とまとめて終わらせず、実際に扱う物が申請上どの産業廃棄物の種類に当たるのかを区別します。例えば廃プラスチック製シートは具体的な物の説明であり、申請欄の種類は「廃プラスチック類」です。

申請する品目の選び方から確認したい場合は、産業廃棄物収集運搬業許可の品目と選び方も参考になります。

性状欄には廃棄物の状態を記入します。福岡市の公式手引きには「固形状」「泥状」「液状」などの例が示されています。性状は、後で使う車両・容器や飛散・流出防止の方法を考える際にも関係します。(参照:福岡市「収集運搬業許可申請の手引き」令和5年9月版・PDF6~7ページ)

予定運搬量の決め方と月間数量の記入例

予定運搬量は、車両の最大積載量そのものではありません。品目ごとに、月にどの程度の数量を運搬する計画かを示します。大阪府の第1面には「t/月又はm³/月」の単位があり、福岡市の手引きでは予定数量で差し支えないとされています。

例えば、がれき類を1回当たり3t、月4回運搬する計画なら、

3t × 4回 = 12t/月

です。同じように、廃プラスチック類を1回0.5t、月2回運搬するなら、

0.5t × 2回 = 1t/月

となります。これが今回のモデルの数量設定の根拠です。

品目 車両の最大積載量(仮定) 1回の予定量 月の予定回数 月間予定量
がれき類 4,000kg 3t 4回 12t
廃プラスチック類 2,000kg 0.5t 2回 1t

これは計画数量の考え方を示すための仮の計算です。全国一律に決められた行政上の算定式ではありません。 実際には取引予定数量、運行回数、車両能力、廃棄物の形状・かさ、運搬容器の仕様などに合わせて見込量を設定します。

例えば、最大積載量4,000kgの車両だからといって、必ず毎回4tを積めるわけではありません。廃棄物の形状や荷台の容量によって、実際に積める量が小さくなることがあります。

また、廃プラスチック類を容器で運ぶ場合は、容器の「容量(m³)」と、積載する「重量(t)」を混同しないでください。1m³の容器1袋が必ず1tになるわけではありません。計画数量は、その廃棄物を実際にどれだけ積載できるかを踏まえて考えます。

運搬実績がまだない場合はどうする? すでに月間の発生見込みを聞いている取引先があれば、それを計算の材料にできます。取引がまだ始まっていない場合は、想定する1回の運搬量と月間回数から計画を組み立てる方法があります。ただし、予定数量の記入方法や補足資料について指定があるかは、申請先の手引きで確認してください。

予定排出事業場の名称・所在地の書き方

予定排出事業場は、実際に産業廃棄物が発生し、収集する予定の事業場です。今回の架空モデルでは、次のように整理します。

項目 記入例
予定排出事業場 (架空)甲建設株式会社・あおば新築工事現場
所在地 例示県あおば市見本町1丁目2番3号
対象品目 がれき類、廃プラスチック類

会社の本社所在地と、実際に廃棄物を収集する工事現場の所在地は同じとは限りません。会社名だけでなく、どこから収集する予定なのかを確認します。

今回のモデルは両品目とも同じ工事現場から収集する想定ですが、実際に排出場所が違うなら、それぞれの品目と対応させて整理する必要があります。取引先・現場が未定の場合は、未定の場合の書き方と確認事項をご覧ください。

予定運搬先の名称・所在地の書き方

予定運搬先には、実際に搬入する予定の施設を記入します。処分業者の会社名と、廃棄物を搬入する処理施設の所在地は、分けて把握しておくと記入しやすくなります。

品目 予定運搬先の記入例(すべて架空)
がれき類 乙再資源化株式会社・第1中間処理施設/例示県あおば市北町4丁目5番6号
廃プラスチック類 丙リサイクル株式会社・選別施設/例示県あおば市南町7丁目8番9号

実際に申請する際は、処分業者の許可内容や処理施設の所在地を確認し、予定する品目を受け入れられる施設かを調べます。処分業者が許可を持っていることだけで、すべての産業廃棄物を搬入できるとは限りません。

また、同じ処分業者が複数の施設を運営している場合は、どの施設に搬入するかを特定する必要があります。長野県「収集運搬業許可申請書(積替保管施設なし)記載例」の6ページにも、処分場が複数ある場合は処分場ごとの名称と場所を記載する旨が示されています。予定運搬先がまだ決まっていない場合は、実在しない施設を確定した運搬先として書かず、運搬先が未定の場合の確認手順に沿って申請先に確認します。

第1面の情報を品目別につなげるとこうなる

今回のモデルを一つにまとめると、次のようになります。

記入項目 がれき類 廃プラスチック類
運搬量 12t/月 1t/月
性状 固形状 固形状
予定排出事業場 甲建設・あおば新築工事現場 同左
予定運搬先 乙再資源化・第1中間処理施設 丙リサイクル・選別施設
積替え・保管 行わない 行わない

これは申請書の内容を考えるための整理表であり、提出用様式を再現したものではありません。実際の申請書では、名称・所在地の記載欄に、申請先が求める情報を記入してください。

積替え・保管なしのときに該当欄を空欄にするか「なし」とするかも、申請先の様式・記入例を確認します。例えば大阪府の公式記入例には、積替え・保管を含まない場合、該当欄への記入は不要とする案内があります。

 

車両・運搬容器・環境保全措置の書き方と記入例

品目と運搬量が決まったら、その数量を何で運ぶかを具体化します。大阪府の公式様式では、主に第2面に車両・容器、第4面に車両ごとの用途、第5面に環境保全措置を記載します。

運搬車両・運搬容器の記入方法

第2面の運搬車両一覧には、車体の形状、自動車登録番号又は車両番号、最大積載量(kg)、所有者又は使用者などの欄があります。

今回のモデルは次のとおりです。

車両 形状 最大積載量 今回の用途
車両1 ダンプ 4,000kg がれき類
車両2 キャブオーバ 2,000kg 廃プラスチック類

数値は架空の設定です。実際の登録番号、最大積載量、所有者・使用者などは、使用車両の自動車検査証等で確認します。電子車検証の場合は、記載事項を確認できる資料の扱いについて申請先の案内を確認してください。

特に「4トン車」という呼び方だけで実際の最大積載量を決めたり、車検証の備考欄にある積載物品の制限を見落としたりしないことが大切です。福岡市の申請手引きでは、車検証の備考欄に「積載物品は、土砂等以外のものとする」とある車両で、がれき類や鉱さいを運搬できない旨が示されています。運搬する品目に対して、自分の車両に制限がないか確認してください。

運搬容器を使う場合は、名称、用途、容量なども確認します。

容器の項目 今回の架空モデル
名称 フレキシブルコンテナバッグ
用途 廃プラスチック類の運搬
容量 1m³/袋
使用数量 2袋

この例で1回0.5tを運ぶ計画なら、2袋を使うとしても、それぞれの容器の許容荷重、車両全体の積載量、荷台に安全に積めるかを別々に確認します。容量1m³を重量1tと読み替えることはできません。実際の容器が予定する廃棄物に適しているかは、製品の仕様に基づいて判断してください。

使用する車両や容器そのものの選択に迷う場合は、産廃収集運搬業許可の車両要件・運搬容器の確認ポイントで、選定時に見る条件を確認できます。

車両ごとの用途・業務時間・従業員数

第4面には、どの車両を何の運搬に使うか、業務時間、休業日、従業員数などを記載します。

【車両ごとの用途・記入例】

ダンプ車:がれき類の運搬に使用する。

キャブオーバ型トラック:廃プラスチック類をフレキシブルコンテナバッグに収納して運搬する。

第2面で記入した車両と、第4面の用途が対応していることが重要です。複数の車両で同じ品目を扱う場合は、実際の使用計画に合わせて整理します。

業務時間などは、例えば次のように計画できます。

項目 記入例(架空)
業務時間 午前8時~午後5時
業務日 月曜日~土曜日
休業日 日曜日・祝日
運搬に従事する人 2名(うち1名は役員兼務の想定)

ただし、従業員数の内訳欄には、運転手だけでなく、役員・事務員など申請先の様式で求められる区分があります。 兼務者の人数をどう表すかも含めて記載要領に従ってください。福岡市の手引きでは、役員が運転手等を兼任している場合、当該役員の人数を括弧書きで記載する方法が示されています。

環境保全措置の具体的な記入例

第5面では、運搬中の飛散・流出を防ぐために、実際に講じる方法を記載します。大阪府の公式記入例には荷台へのシート掛けや容器の転倒防止などが示されています。(参照:大阪府「環境保全措置の概要」の記入例・手引き51ページ)

今回のモデルでは、次のように品目別の運搬方法と対応させられます。

【がれき類:環境保全措置の記入例】

がれき類はダンプ車で運搬し、運搬中に廃棄物が飛散又は落下しないよう荷台にシート掛けを行う。積込みの際は最大積載量を超えないよう積載量を確認する。

【廃プラスチック類:環境保全措置の記入例】

廃プラスチック類はフレキシブルコンテナバッグに収納し、開口部を閉じて運搬する。積載時には容器を適切に固定し、運搬中の飛散、荷崩れ及び転倒を防止する。

どちらも記事の説明用の文章です。公式記入例の文言をそのまま転記するのではなく、実際に使う車両・容器・固定方法に合った説明にしてください。

例えば、ドラム缶を使わないのに「ドラム缶に密閉する」と書いたり、実際に講じない措置を書いたりすべきではありません。また、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物などを運搬する場合は、個別の取扱いを踏まえた記載が必要になるため、今回の簡略化した例をそのまま流用しないでください。

 

取引先や運搬先が未定の場合はどう書く?

新規申請では、許可取得後に営業・取引を始めるため、申請時点で工事現場が決まっていないことがあります。ただし、排出事業場が未定であることと、予定運搬先が未定であることは分けて考える必要があります。

排出事業場が決まっていない場合

福岡市「収集運搬業許可申請の手引き」令和5年9月版(PDF7ページ)では、排出事業場が確定している場合は名称と所在地を記載し、未定の場合は「市内建設(解体)現場」「市内食料品製造工場」等と書く例を示しています。

これは福岡市の当該手引きに示された記載方法であり、全国の申請先で一律に認められるという意味ではありません。

大阪府の令和8年4月版「事業計画の概要」の記入例(手引き47ページ)にも、一定の建設系廃棄物について省略記載を認める取扱いがあります。ただし対象は、大阪府・高槻市・八尾市・吹田市に提出する場合で、かつ手引きに掲げられた建設系廃棄物8品目(廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、がれき類)の場合です。

同手引きは、審査時にさらに具体的な名称や資料の提出を求めることがある旨も示しています。したがって「建設系なら全国どこでも排出事業場を省略してよい」「未定とだけ書けばよい」とは判断できません。

 

予定運搬先が決まっていない場合

こちらは排出事業場の未定とは扱いが異なる可能性があります。福岡市の同手引きでは、予定運搬先について具体的な許可業者名と処理施設の所在地を記入するよう案内しています。

大阪府では前述の条件に合う場合、運搬先の省略記載も公式例に示されていますが、これを他自治体へそのまま広げることはできません。

予定運搬先がまだ決まっていなければ、まず候補となる施設を確認し、品目と施設の取扱いが合っているかを調べます。それでも決まらない場合は、候補の有無、決まっていること、未定であることを申請先に説明し、求められる記載方法を確認してください。

実際には搬入する予定のない施設を、確定した運搬先として記入しないことが大切です。 「未定」とだけ記入して提出する前に、申請先が求める記載内容を確かめてください。

申請先には、何を伝えて確認する?

窓口へ問い合わせる前に、品目、収集予定地域、想定運搬量、使用車両、候補の処理施設、未定事項を簡単にまとめておくと、状況が伝わりやすくなります。

例えば、排出事業場が未定なら、次のように確認できます。

産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を予定しています。建設工事現場から発生するがれき類と廃プラスチック類を運搬する計画ですが、許可取得後に取引を開始するため、具体的な排出事業場がまだ決まっていません。この場合、事業計画の概要には、排出予定地域や事業場の種類をどのように記載すればよいでしょうか。

運搬先も未定であれば、「現時点で候補施設があるか」「どの品目の搬入を予定しているか」「その施設の名称・所在地をいつ確定できるか」も添えて確認するとよいでしょう。

申請先の公式資料の読み方と、自分の事業で決まっている範囲をすり合わせることが、書類作成の次の一歩になります。

 

申請前に事業計画の記入内容を確認するポイント

一通り記入できたら、別々の欄を一つの収集運搬事業として読み直すことをおすすめします。これは公式の審査チェックリストではなく、記載内容を自主点検するための方法です。

照合する項目 今回のモデルなら何を見直すか
全体計画と品目 がれき類・廃プラスチック類の両方が品目別欄にもあるか
品目と予定運搬先 がれき類は乙の施設、廃プラスチック類は丙の施設という計画が対応しているか
月間量と運搬回数 がれき類3t×4回=12t、廃プラスチック類0.5t×2回=1tになっているか
数量と車両能力 車両の最大積載量や荷台の容量を踏まえた計画か
性状と容器 廃プラスチック類の容器が想定する形状・重量に適しているか
車両一覧と車両ごとの用途 第2面の車両と第4面の用途が食い違っていないか
運搬方法と環境保全措置 ダンプ車のシート掛け、バッグの閉鎖・固定が実際の計画と一致しているか
未定事項と記載方法 排出事業場・運搬先の未定事項を、申請先の取扱いに沿って記載しているか

例えば、月間運搬量だけを増やしても、車両や運搬回数の計画が変わっていなければ、数字のつながりを説明しにくくなります。逆に、車両を変更したときは、その車両の用途や環境保全措置の欄も見直す必要があります。

最後に、申請先の最新様式を開き、名称・所在地、車両情報、数量の単位、記入方法などを照合してください。大阪府の手引きでは、審査時に具体的な情報や追加資料を求めることがある旨も案内されています。

 

まとめ|自分の事業内容を各記入欄へ落とし込む

事業計画の概要を作るときは、まず予定する品目と排出事業場・運搬先を整理し、次に予定運搬量を考え、使用する車両・容器と環境保全措置を対応させます。最後に、全体計画の文章と各欄が矛盾していないかを確かめます。

今回の「がれき類12t/月」「廃プラスチック類1t/月」という数字も、実際の申請でそのまま使うためのものではありません。取引見込みや運搬回数、車両の能力などから、自分の事業で説明できる数量に置き換えてください。

排出事業場や運搬先が未定の場合は、架空の情報で埋めるのではなく、何が決まっているかを整理して申請先へ具体的に確認します。申請先により記載方法が異なることがあるため、手元の記入例だけで判断しないことが大切です。

自分で作成を進める場合は、大阪府「産業廃棄物処理業の許可申請手続き」(積替え・保管なし)などを参考にしつつ、必ず実際の申請先の資料を使ってください。複数品目・複数施設の計画や、未定事項の整理に負担を感じる場合は、書類作成の専門家による支援を検討する方法もあります。どの欄をどう書けばよいか迷ったら、サクセスファン行政書士事務所へのお問い合わせから、予定する品目・申請地域・未定事項と、記入に迷っている欄をお知らせください。相談前にすべてを完成させる必要はありません。

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