行政書士選びは、担当範囲・根拠・費用を同じ条件で比較することから
運送業許可を依頼する行政書士は、報酬の安さや広告の実績件数だけで決めず、事前調査、法令試験の案内、許可後の対応、見積り、説明・連絡体制の5点で確認しましょう。高額なら許可や試験合格、巡回指導のA評価を保証できるわけではありません。
一般貨物自動車運送事業では、営業所・車庫を契約する前の確認から、申請、許可後の事業開始準備まで、複数の作業が必要です。どこを自社で行い、どこを依頼するかによって、必要な支援は変わります。申請書類だけを依頼する選択も、開始後まで継続的な支援を受ける選択もあります。大切なのは、必要な作業が誰の担当にもなっていない状態を作らないことです。
この記事では、近畿の公示や公的団体の案内を例に、契約前の確認項目と相談文例を整理します。制度の確認基準日は2026年10月24日です。他地域では提出先の最新の取扱いを確認してください。特定の事務所の実績、料金、教材提供、巡回指導への立会い等を保証するものではありません。
| 選び方の5基準 | 契約前に確認したいこと |
|---|---|
| 1.事前調査 | 場所・道路・人員・資金の確認方法と、契約前に分かる範囲 |
| 2.法令試験の案内・支援 | 現在の受験ルール、本人の準備、支援内容と追加費用 |
| 3.許可後の対応 | 開始準備、届出、帳票整備、巡回指導に関する支援の有無 |
| 4.見積りと契約 | 報酬・実費・税、含む作業、追加費用、解約・再申請の条件 |
| 5.説明と連絡 | 担当者、根拠資料、確認が必要な事項、回答予定、他士業との連携 |
1.営業所・車庫の事前調査を、契約前にどう行うか
物件を借りた後で、予定する営業所や車庫に使えないと分かると、代替物件の調査、契約変更、図面や資金計画の見直しが必要になります。ただし、支払った敷金・礼金・仲介手数料等がすべて戻らないと一律に決まるわけではありません。返還や解除の条件は契約と個別事情によります。物件の契約案を示して、調査の順番と費用負担を相談しましょう。
| 調査対象 | 確認する資料・窓口 | 行政書士への質問例 |
|---|---|---|
| 営業所・休憩睡眠施設 | 所在地、建物の用途・面積、登記、契約案、都市計画・建築担当への確認 | この建物を予定用途で使えるか、どの資料と窓口で確認しますか? |
| 車庫の用途と収容能力 | 土地の現況・登記、農地関係、配置図、車両寸法、使用権原 | 計画車両すべての配置と必要な間隔を、どう確認しますか? |
| 前面道路・出入口 | 道路の種類、幅員、交通規制、計画車両、道路管理者の資料 | 必要な幅員の判断と、提出資料の取得を誰が担当しますか? |
| 人員・管理体制 | 運転者、運行管理者・整備管理者の資格・確保予定、勤務体制 | 申請時と開始前に、それぞれ何をそろえる必要がありますか? |
| 資金・契約の時期 | 見積り、所要資金、調達資料、支払い・残高の推移 | 車両代や家賃の支払い前に、資金維持への影響を確認できますか? |
場所・車両・人員・資金は別々ではありません。車両を変更すれば、車庫の配置や資金計画が変わることがあります。質問への回答が書類ごとに食い違わないか、関連する計画をまとめて確認する担当がいるかを見ます。要件全体は運送業許可の要件と確認手順で整理しています。
丹波篠山市の幅員証明廃止は、地域の取扱いを確認する具体例
丹波篠山市は、2023年10月31日受付分をもって道路幅員証明書の交付事務を廃止しています。対象は同市が管轄する道路で、市の案内は、許可申請等に必要な代替書類について近畿運輸局へ問い合わせるよう求めています。全国の道路幅員証明が廃止された、あるいは道路の通行条件の確認が不要になったという意味ではありません。出典:丹波篠山市「道路幅員証明事務の廃止について」。
近畿運輸局は、幅員証明事務を廃止した自治体の場合に使う代替資料として、写真と前面道路の状況書を案内しています。写真にはメジャー等で計った幅員の写真のほか、計画車両と同種以上の車両を置いた写真等の方法が示され、交通量が多く計測できない道路の取扱いもあります。「行政書士本人が必ず道路へ出て実測する以外に方法がない」とは説明できません。出典:近畿運輸局「幅員証明書に代わる添付書類」。
確認したいのは、誰がメジャーを持つかだけでなく、道路管理者と提出先の取扱いを踏まえ、安全な方法で必要な資料をそろえられるかです。地図やストリートビューは候補地の把握に役立ちますが、更新時期、側溝、電柱、出入口、交通規制等を十分に確認できるとは限りません。現地確認の要否、調査者、写真・図面の内容、交通安全への配慮を聞きましょう。
道路幅員を全国一律6.0mだけで判断することもできません。車両の幅や道路の構造・区分、車両制限令等への適合を確認します。特殊な通行の許可・認定等が関係する場合も、どの制度が必要かを道路管理者へ確認するのであって、単に「狭い道路でも認められる地域がある」として進めないことが大切です。
市街化調整区域・農地は、外観や登記だけで判断しない
舗装されている、既存建物がある、不動産広告に事務所向けと書かれている、といった事情だけで運送業に使えるとは限りません。市街化調整区域でも用途・既存建物・許可履歴等によって確認事項が異なります。農地に該当するかも、登記地目だけでなく現況や農業委員会の判断等を確認します。
行政書士には、登記事項証明書と公図を区別して必要資料を整理し、都市計画・建築・農地等の窓口への確認結果を説明してもらいましょう。「絶対に大丈夫」という口頭回答より、何を確認済みで何が未確認かが分かる方が、契約の判断に役立ちます。近畿の許可基準は、営業所や車庫について関係法令への適合等を求めています。出典:一般貨物自動車運送事業の新規許可基準。
現地調査を依頼する際の相談文例
「営業所と車庫の候補地があります。契約前に、用途・前面道路・配置・使用権原を確認したいです。現地確認が必要な範囲、担当者、追加費用、役所への照会方法と、調査結果として受け取れる資料を教えてください。」
2.法令試験は本人が受験|支援の有無と範囲を確認する
法令試験は、行政書士が依頼者の代わりに受けるものではありません。近畿では、個人申請は本人、法人申請は許可等の後に当該事業へ専従する常勤役員のうち1名が受験します。役員登記や実際の勤務体制も確認が必要です。運行管理者の資格試験とは別の制度です。
| 近畿で確認する事項 | 現行取扱いと選び方への反映 |
|---|---|
| 問題・合格基準 | 30問・50分、正答率8割以上。30問なら24問以上の正解が必要 |
| 実施時期 | 隔月。個別の日時は通知で確認。全国一律の毎月・奇数月開催と決めつけない |
| 初回不合格 | 翌々月に再試験を1回。日程と待機費用を再確認する |
| 再試験も不合格 | 取下げの申出がある場合を除いて申請を却下。自主的な取下げとは区別する |
| 資料の扱い | 私物の参考資料等は持込み不可。当日配付の条文集は書込み不可で終了後回収 |
出典:近畿運輸局の法令試験公示(2026年7月1日実施)、貨物自動車運送事業FAQ。地域や実施回の根拠がない合格率、あるいは「この事務所なら合格率100%」という説明だけで選ばないようにしましょう。
教材の数より、現在の範囲と自分に必要な説明があるか
| 確認したい支援 | 具体的な質問 |
|---|---|
| 公式資料の案内 | 現行の出題範囲、公開過去問、条文集の入手先を案内してもらえますか? |
| 条文の読み方・学習相談 | 法律名・目次から根拠条文を探す説明や、質問への対応はありますか? |
| 練習問題・模擬試験 | 実施する場合、法改正の確認日、時間、解説の範囲はどうなっていますか? |
| 費用・担当者 | 許可申請の報酬に含まれる支援と、別契約の講座等を分けて教えてください |
| 不合格・再申請 | 再試験の案内、追加の学習支援、取下げや再申請の費用はどうなりますか? |
公開過去問を自分で学ぶ方法もあります。過去問の案内だけだから無責任、独自教材がないから専門家ではない、と一律に評価することはできません。ご自身の学習時間や理解度に合う支援を選び、過去問の答えを現在の条文と照合できるかを確認します。学習手順は役員法令試験の対策も参考にしてください。
試験の待機中にも、契約に応じた家賃・リース料等が発生します。例えば固定費が月20万円で、開始が予定より2か月後になれば40万円の支出差です。ただし、初回不合格なら許可が必ず2か月遅れるとまでは断定できません。審査・補正と試験を分けた工程表を作りましょう。標準処理期間は近畿の一般新規では3〜5か月ですが、許可日の保証ではありません。
不合格の場合の相談文例
「法令試験について、本人が準備する範囲と、依頼に含まれる支援を確認したいです。不合格時の連絡・再試験、申請を取り下げる場合、再申請する場合の作業と費用を、契約前に書面で教えてください。」
3.許可後の準備と巡回指導を、誰が担当するか
許可取得後も、車両登録、管理者の選任関係、保険、開始前確認等を整えて営業を始め、開始後の届出や日々の安全管理を行います。許可申請だけの契約であれば、これらは自動的には含まれません。契約範囲が明確で、自社や別の支援者が担当するなら、その分担自体に問題があるわけではありません。
近畿の公式案内では、運輸開始届は開始から30日以内、運賃料金設定届は設定から30日以内です。「この2つを先に提出しなければ事業を開始できない」という説明とは区別します。出典:近畿運輸局「一般貨物自動車運送事業」。
巡回指導と行政監査は同じものではない
巡回指導は地方貨物自動車運送適正化事業実施機関が行う指導で、運輸局等の行政監査とは区別されます。近畿の細部取扱には、運輸開始の届出後1か月以降3か月以内に巡回指導を実施できるよう関係機関が連携する旨があります。許可日から全社必ず1〜3か月で来るという説明ではなく、開始時から記録を整え、実際の日程は通知等で確認します。出典:近畿運輸局の細部取扱。
巡回指導の評価や指摘事項は、是正対応や事業計画変更等に関係します。ただし、一度E評価を受けたら直ちに全車停止、何年間もすべての申請が受理されない、といった一律の制度ではありません。違反内容・改善状況・手続きごとの基準を確認してください。
| 論点 | 確認できる制度上の扱い | 依頼先に確認したい支援 |
|---|---|---|
| D・E評価と改善 | 重点化の対象となり、半年ごとの巡回指導等が行われる。D・Eで3か月以内に改善結果報告をしない場合等は国への報告対象 | 指摘事項の整理、改善期限、報告資料、再発防止の進捗確認 |
| E評価と増車 | 近畿では、変更する営業所が申請日前1年間にE評価を受けた場合、増車は届出でなく認可申請の対象 | 通常の届出か認可かを、評価日や処分歴等から確認する |
| 事業規模拡大の審査 | 近畿では申請日前3か月間又は申請日以降のE評価に関する基準があり、全指摘事項の改善報告を行った場合の例外もある | 評価書・改善報告と、他の認可要件を照合する |
| 監査・行政処分 | 指導の評価だけで一律に処分量が決まるものではなく、違反等に応じて判断される | 事実確認、必要資料、是正、適切な専門家・窓口への連携 |
出典:D・E評価営業所の巡回指導・改善対応、近畿運輸局の事業計画変更に関する公示。E評価の「適」の割合が60%未満という説明を、D評価にも同じように当てはめないでください。改善結果報告を出すだけで、ほかの要件も含めた認可が自動的に得られるわけではありません。
模擬点検は選択肢|A評価やGマークの保証ではない
開始後の帳票を事前に点検する支援や、巡回指導への立会いは、必要に応じて検討できるサービスです。法令で行政書士による模擬監査が必須とされているわけではなく、受ければ必ずA評価になるというものでもありません。Gマークも別の評価制度で、初回の巡回指導で良い評価を得れば直ちに取得できるとは限りません。
- 運転日報等と勤務記録の時刻に整合があり、休憩・休息等を実態に沿って確認できるか
- 点呼の実施・記録、酒気帯び確認等に必要な事項がそろっているか
- 事業用トラックの3か月点検等、対象車両に応じた定期点検・整備予定と実施記録を管理しているか
- 運転者への指導監督を実施し、内容・対象者・実施日等を記録しているか
- 指摘後の是正を誰が担当し、いつまでにどの資料で確認するか
事前点検で不足が分かった場合は、過去に行っていない点呼や教育を、行ったように書き足してはいけません。事実を整理し、必要な是正と今後の実施・記録方法を相談します。点検対象、成果物、訪問回数、立会いの可否、追加費用を契約前に確認しましょう。
日車の計算例と、事業への影響の見方
車両使用停止の「日車」は、停止する車両数と日数を掛けた単位です。計算上、20日車は1両×20日、2両×10日といった組合せになります。ただし、実際の対象車両や期間は処分に従うもので、事業者が自由に好きな配分を選べるわけではありません。行政処分の種類等は運輸局の行政処分基準の案内で確認できます。
仮に1両の売上見込みが1日5万円で20日稼働できず、代替の運送もできないなら、対象期間の売上見込みは100万円分変わります。これは売上の仮定であって、そのまま利益の損失額ではありません。減少する燃料費等、継続する給与・リース料、代替手配の費用、契約条件等も分けて検討します。行政処分を受ければすべての取引契約が必ず解除される、とも限りません。
帳票は「120種類あるか」より、現行制度と現場に合うか
帳票の種類の多さだけで支援の質は判断できません。法令に適合する必要事項があり、自社の運行と記録方法で使え、担当者が書き方を理解できることが重要です。Wordで提供されるかExcelかという形式だけで優劣を決める必要もありません。自動計算を使う場合も、入力条件や計算式、例外の扱いを確認してください。
| 帳票・仕組みの例 | 見せてもらいたいポイント |
|---|---|
| 運転日報・勤務時間の集計 | 拘束・休憩・休息等を実態から確認できるか。別の勤務記録と連携するか |
| 点呼記録簿 | 自社の点呼方法と管理体制に合い、実施した事項を記録できるか |
| 指導監督記録・年間教育計画 | 一般的な指導監督の12項目を踏まえ、対象者・実施内容・記録を管理できるか |
| 事故時の緊急連絡体制 | 実際の連絡先、役割、報告判断を更新できるか |
| 車両管理台帳・点検整備記録・整備管理規程 | 対象車両、実施時期、担当、整備後の対応を確認できるか |
トラック運転者の改善基準告示は2024年4月から改正内容が適用されています。例えば1日の拘束時間は原則13時間以内、休息期間は継続11時間以上を基本とし9時間を下回らない等の基準があります。例外の条件や月・年単位の基準もあるため、単に「9時間空けば全部適法」と判断しないでください。労務の確認は36協定と改善基準告示も参照してください。
社労士等への連携は、責任逃れとは限らない
行政書士に依頼すれば、労働社会保険の手続き、税務、登記、紛争対応まで何でも同じ資格で扱えるわけではありません。36協定等の労働社会保険関係の手続きや労務相談は、社会保険労務士との適切な分担を確認します。税務・登記・紛争等も、内容に応じた資格と権限を持つ専門家への連携が必要です。
「社労士へ確認します」という回答自体を、能力不足や逃げと評価しないでください。誰が何を担当するのか、紹介だけか共同で進めるのか、資料の共有には同意を得るのか、費用は別かを聞く方が実用的です。労務管理の相談・指導は行政書士だけにできるという説明も正確ではありません。出典:厚生労働省「社会保険労務士制度」。
4.報酬は3つの依頼範囲で比較|価格帯だけで品質を決めない
行政書士の報酬は各事務所が定めます。日本行政書士会連合会も、同じ業務名でも具体的な取扱い内容等によって報酬額に大きな差が生じると案内しています。「10〜15万円なら調査なし」「35〜50万円が標準」「50万円以上なら試験・巡回指導・顧問まで全部込み」という全国共通の分類はできません。
相場を調べる場合は、日本行政書士会連合会の報酬額統計で調査年度と対象業務を確認します。公表統計の金額は消費税を含み、立替金は含まないとされています。統計は個別の料金表でも、すべての作業が同じ範囲で含まれる保証でもないため、最後は具体的な見積りで比べてください。
| 比較する依頼範囲の例 | 含まれるか確認する作業 | 自社側に残り得る作業 |
|---|---|---|
| 書類作成・提出を中心に依頼 | 申請書作成、提出、通常の補正対応、控えの受渡し | 物件調査、証明書・見積り取得、試験学習、開始準備等 |
| 事前調査から許可・開始準備まで依頼 | 現地・役所への確認、図面、資金整理、許可後の届出等 | 実際の契約、採用、本人受験、車両・保険の手配等 |
| 開始後の継続支援も依頼 | 帳票導入、定期相談、事前点検、指導時の支援等 | 日々の安全管理、記録、是正の実施。顧問料・別契約も確認 |
これはサービス範囲を比較するための整理であり、業界の価格階級や資格等級ではありません。申請だけを扱う事務所でも、自社に十分な管理体制があれば選択肢になります。逆に幅広い支援を掲げていても、訪問回数や対象業務が曖昧なら、契約前に確認が必要です。
見積書で分ける費用と追加料金
| 費用・条件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 行政書士報酬 | 税抜・税込、着手金・残金の支払時期、業務の完了時点 |
| 公的費用・実費 | 登録免許税、証明書取得、交通費・郵送費等。報酬と分けて明示 |
| 申請前調査・図面 | 候補地の件数、現地調査の回数、物件変更時の再調査費 |
| 補正・変更 | 通常の補正を含むか、依頼者の計画変更等で追加になる範囲 |
| 試験・再申請 | 教材・講座・質問対応の有無と費用、再試験と再申請の違い |
| 許可後の手続き | 管理者選任関係、開始準備、運輸開始届、運賃料金設定届の担当範囲 |
| 継続支援 | 相談期間、帳票、立会い、顧問契約、別途費用 |
| 解約・返金等 | 解約時の精算、完了済み作業、不許可や過失の扱い、実費の返還可否 |
将来、建設業や産業廃棄物収集運搬業等も行う計画があるなら、会社の目的や必要な別の許認可も相談事項です。ただし、運送業許可の報酬に定款変更・登記・他業種の許可が当然含まれるわけではありません。担当資格と別途費用を確認します。Gマークや融資に関する支援を希望する場合も、対応の有無、具体的な作業、別途費用を確認し、認定や融資承認が保証されるとは考えないでください。
10万円と50万円の比較例|売上400万円を利益400万円と混同しない
以下は比較方法を考えるための仮定であり、実在事務所の価格や月間平均売上ではありません。報酬が仮に10万円と50万円なら差額は40万円です。予定車両5両について、1両あたり月80万円の売上を見込むと仮定すると、月の売上見込みは400万円になります。
| 仮定した項目 | 計算 | 読み方 |
|---|---|---|
| 報酬の差 | 50万円−10万円=40万円 | 両方で同じ作業範囲か、追加費用を含めて比較する |
| 5両の月間売上見込み | 80万円×5両=400万円 | 売上計画の仮定。全事業者の平均値ではない |
| 報酬差と売上見込みの比率 | 40万円÷400万円=10% | 1割であり「1割未満」ではない。投資利益率そのものではない |
| 遅れた場合の資金影響 | 待機費用+失われる利益等を個別に試算 | 売上全額を現金損失や利益の減少と置かない |
仮に営業開始が1か月遅れ、その月の仕事を受けられなかった場合も、燃料費等の変動費がどれだけ減るか、固定費は何が残るか、仕事を後ろへ動かせるか、代替手配が可能かで影響は変わります。また、報酬が高いから1か月早く許可される、安いから遅れるという因果関係は示せません。費用の差と、確認できる支援内容・自社の作業負担を比較しましょう。
資金要件についても、「申請時と許可直前の2回だけ残高があればよい」「預金を動かせば即不許可」という説明は避ける必要があります。近畿では申請日から許可日までの必要な自己資金の常時確保を確認します。支出と資金計画の扱いまで相談できるかは、依頼先を選ぶ具体的な観点です。詳しくは運送業許可の資金要件を参照してください。
5.初回面談の10の質問|即答より根拠と担当範囲を見る
経験年数や取扱件数は参考になりますが、年間10件以上なら専門家、それ未満なら対応できないという公的基準はありません。「許可支援件数」には新規・変更・相談等が混ざる場合もあるため、対象業務、期間、担当者本人の経験を確認します。守秘義務がある案件の顧客名や書類を無理に開示させる必要はありません。
登録の確認には、日本行政書士会連合会の会員検索を利用できます。事務所名だけでなく、実際の担当者、所属、連絡先を確認しましょう。登録があることは、特定業務の実績や結果を保証する意味ではありません。
| 質問 | 回答で確認するポイント |
|---|---|
| 1.運送業のどの手続きを、どの地域で扱っていますか? | 件数だけでなく、新規・変更の別、管轄、担当者、確認できる経験の範囲 |
| 2.最近の制度変更や補正には、どの資料で対応していますか? | 個人情報を除いた説明、最新の公示・様式の確認方法。審査官の「癖」だけに頼らない |
| 3.幅員証明が出ない地域では、何を提出しますか? | 道路管理者と運輸局の取扱いを確認し、写真・状況書等の具体的方法を説明するか |
| 4.許可後の初回巡回指導への立会いは依頼できますか? | 対応の有無、必要な手配、費用。対応しない場合の分担先が分かるか |
| 5.事前点検を頼む場合、どの帳票と実務を確認しますか? | 点呼・日報・教育・点検等の範囲、成果物、是正確認の方法 |
| 6.指摘やD・E評価を受けた場合、どこまで支援しますか? | 指摘の整理、改善期限・報告、再発防止。他士業や窓口との連携 |
| 7.法令試験の案内・学習支援はありますか? | 公式資料、質問対応、教材等の有無と料金。不合格時の対応も確認 |
| 8.帳票の制度対応と使い方は説明してもらえますか? | 確認日、必要事項、自社の運行への適合、更新・記入説明の範囲 |
| 9.運輸開始届や運賃料金設定届は見積りに含まれますか? | 開始前と開始後の作業を分け、各届出の担当・期限・報酬を明確にする |
| 10.解約、不許可、再申請、事務所側の過失の扱いはどうなりますか? | 精算・返金・責任の条件を契約書で確認。「全額返金」の対象外条件も見る |
「調べてから回答します」という言葉自体は、逃げではありません。個別の道路・土地・契約や最新の制度では、確認してから答えることが適切な場合があります。確認先、必要資料、回答予定が明確かを見ましょう。反対に、根拠を示さず「絶対許可」「必ず合格」「行政処分を完全回避」と即答する場合には、条件を慎重に確認してください。
返金条件があることと、許可や試験合格を保証できることも別です。返金不可という表示だけで責任がない事務所と断定するのではなく、完了した業務、未実施部分、実費、解約理由、過失がある場合の扱いを具体的に読みます。契約上の紛争が生じた場合は、行政書士会の相談窓口や弁護士等、内容に適した相談先を検討してください。
同じ条件で見積りを依頼する相談文例
一般貨物自動車運送事業の新規許可を検討しています。営業所予定地は〇〇、車庫予定地は〇〇、予定車両は〇両です。希望開始時期は〇年〇月ですが、物件・人員・資金はまだ確認中です。
①契約前の場所・道路の調査、②申請書類作成・提出・補正、③法令試験の案内、④許可後の開始準備・届出について、対応範囲と見積りをお願いします。巡回指導や帳票整備の支援がある場合は、別途内容と料金を教えてください。
報酬、税・実費、追加費用の条件、解約・再申請時の扱い、担当者と連絡方法も確認したいです。相談に必要な資料をご案内ください。
事務所ごとに質問内容や前提を変えると比較が難しくなります。住所・車両・予定人数・希望時期等を同じ条件で伝え、見積りの「含む・含まない」を並べて確認します。その場で契約を急がず、未確認事項が解消してから判断しましょう。
相談前に用意する資料と、依頼後の分担
- 営業所・車庫候補の所在地、写真、図面、契約案、賃料・初期費用
- 予定車両の種類・寸法・台数、購入又はリースの見積り
- 受験する役員、運行管理者・整備管理者・運転者の確保状況
- 手元資金と調達予定、車両代・家賃等の支払い予定
- 希望開始時期と、その前提になる取引・採用・納車の予定
専門家へ依頼しても、経営者の判断、契約内容の確認、受験、実際の採用・安全管理まで他人任せにはできません。自社申請を選ぶ場合も、公式様式と提出先への確認を基に進められます。依頼する場合は、自社の担当者と事務所の担当者、資料の提出期限、変更時の連絡方法を決めておくと、対応漏れを防ぎやすくなります。
運送業許可の無料相談では、現在の計画を整理し、役所への事前相談、資料整理、申請書類の作成・提出、補正対応について相談できます。教材・講座・模擬監査・巡回指導の立会い等は、この記事をもって提供を約束するものではありません。必要な支援をお伝えいただき、対応範囲を個別に確認してください。
行政書士選びについてよくある質問
運送業許可の行政書士報酬の相場はいくらですか?
報酬は各事務所が定め、調査・申請・許可後支援等の範囲で異なります。日本行政書士会連合会の報酬額統計は参考になりますが、個別の料金表ではありません。税・実費・追加費用を分け、同じ依頼条件で見積りを比較してください。
役員法令試験に落ちるとどうなりますか?
近畿では初回不合格の場合、翌々月に1回の再試験があります。再試験も不合格の場合は、取下げの申出がある場合を除き申請が却下されます。本人の学習と、契約上の支援・再申請費用を事前に確認しましょう。
巡回指導でE評価を受けると、増車は一切できませんか?
一律に永久禁止されるわけではありません。近畿では、変更する営業所が申請日前1年間にE評価を受けた場合、増車は認可申請の対象です。事業規模拡大の審査基準には直近のE評価と改善報告に関する規定等があるため、評価日・改善状況・ほかの要件を確認します。
