運送業の許可

運送業許可の要件を完全攻略【2026年最新版】資金・人・場所・カネの4つの審査基準

【結論】運送業許可(一般貨物)の要件とは?

運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)の要件とは、緑ナンバー取得のためにクリアすべき「資金・場所・人・車両」の4つの厳格な基準のことです。

単なる書類作成ではなく、事業を安全に継続できる経営基盤(約2,000万円の資金力や法令遵守体制)があるかを国が審査する「参入障壁」です。

行政書士 小野馨
こんにちは!

運送業支援実績5000社超 行政書士の小野馨です。

今回は、多くの起業家が頭を抱える【運送業許可の4大要件】について、現場の裏話を交えてお話します。

「トラックとドライバーさえ揃えば開業できる」

もしそう思っているなら、今すぐその考えを捨ててください。運送業は、日本で最も許可取得が難しいビジネスの一つです。

私の事務所には、

  • 自分で申請しようとして半年無駄にした
  • 借りた駐車場が許可の降りない場所(市街化調整区域)で、初期費用100万円をドブに捨てた

という駆け込み相談が後を絶ちません。

運送業許可は、一度失敗すると再申請に膨大なエネルギーを要します。

しかし、ポイントさえ押さえれば、社会的信用と銀行融資、そして年商1億円へのチケットが手に入ります。

この記事では、国交省の手引きには書かれていない「審査を通すための現場の知恵」を包み隠さず公開します。

⚠️ 【警告】場所選びと資金計画でミスをすると、申請すら受け付けてもらえません。「契約済みだから」は通用せず、数百万円の損失が確定します。必ずこの記事で「NG条件」を確認してください。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 2000万円の壁?「資金要件」の計算式と残高証明のタイミング
  • ✅ 契約したら終わり。「市街化調整区域」と「前面道路」の不動産トラップ
  • ✅ ドライバー5人と運行管理者が「申請時」に揃わない時の対処法
  • ✅ 自力申請(DIY)のリスクと、行政書士に依頼すべき本当の理由

運送業許可(一般貨物)とは?「緑ナンバー」取得の全体像

運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)とは、他人から運賃をもらって、トラック(普通車)で荷物を運ぶために必須となる国の許可です。

いわゆる「緑ナンバー」の取得を指します。

ここが最も重要な点ですが、軽貨物(黒ナンバー)が書類を出すだけの「届出」で即日開業できるのに対し、一般貨物は国土交通省の厳しい審査(貨物自動車運送事業法)をクリアしなければならない「許可」です。

ここに注意

⚠️
無許可営業は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」という極めて重い罪です。

これから解説する「厳しい要件」は、すべてこの法律を守るためのものです。

ですが、この許可を取得することは、単に法律を守るだけでなく、社会的信用を得て、大手企業との直取引や銀行融資を引き出すための「最強の経営パスポート」を手に入れることになります。

なので、乗り越えるだけの価値はあります。

それでは一緒に見ていきましょう!

軽貨物一般貨物の比較

許可取得までの期間と難易度(4〜6ヶ月の長丁場)

結論から申し上げますと、運送業許可の取得は、どんなに急いでも「準備開始から緑ナンバーの取り付けまで最低4ヶ月〜6ヶ月」を要します。

これは脅しでも何でもなく、行政手続法に基づき各地方運輸局が公表している「標準処理期間」だけで3ヶ月〜5ヶ月と定められているからです。

「来月からトラックを走らせたい」というご相談をよく頂きますが、物理的かつ法的に不可能です。

注意ポイント

このタイムラグを計算に入れずに車両を購入したり、駐車場を借りたりすると、許可が降りるまでの半年間、無駄な空家賃と維持費だけで資金がショートしかねません。

この「空白の期間」をどう耐え抜くかが、経営者の最初の試練となります。

💡 行政書士の現場メモ:空白の半年間を「稼ぐ期間」に変える

「許可が降りるまでの半年間、売上がゼロになるのは死活問題だ」

という相談をよく受けます。

私のクライアント様で成功しているパターンは、ただ待つのではなく、この期間を収益化に充てる「ハイブリッド戦略」です。

  • 利用運送(水屋)の先行取得:要件が緩く1〜2ヶ月で取れるため、先に取得して「配車業務」で売上を作りながら本許可を待ちます。
  • 軽貨物(黒ナンバー)での先行稼働:実働部隊を動かし、ドライバーの育成と顧客開拓を同時並行で進めます。

許可を待つ時間は「耐える時間」ではなく、「攻める準備期間」

この戦略を立てられるかどうかが、1年後の生存率を左右します。

👇 この「空白の半年」を攻略するための詳細ガイド

1. スケジュールと資金繰り戦略

最短で許可を通すコツと、半年間を黒字で乗り切る具体的スキームを解説しています。

➡ 期間・難易度と生存戦略を詳しく見る

2. 役員法令試験の完全攻略

「落ちたら即廃業」のプレッシャーを跳ね除け、一発合格を掴むための勉強法と対策です。

➡ 法令試験の完全攻略ガイドはこちら

【最重要】4つの許可要件(ヒト・モノ・カネ・場所)の鉄則

運送業許可の審査基準は膨大ですが、究極的には「場所・資金・人・車両」の4つの要件に集約されます。

この4つは「どれか一つが優れていれば良い」という足し算ではありません。

「どれか一つでも欠ければ即不許可」という掛け算の関係にあります。

参考

例えば、どんなに優秀なドライバーを10人集めても(人)、資金が1円でも足りなければ(資金)許可は降りません。

逆に、2億円の資金があっても、車庫の入り口が狭すぎれば(場所)、その時点ですべて白紙に戻ります。

これより、私が5000件の相談の中で見てきた「多くの申請者が躓くポイント」を中心に、各要件を徹底解剖します。

まずは全体像を把握してください。

4つの要件一つが書けると許可されない

要件の全体像チャート(一つでも欠ければ不許可)

4つの要件には、審査される「順序」と「性質」があります。

特に最初の「場所」「資金」は、事業計画の根幹に関わるため、修正が効かない(=失敗すると損害が大きい)項目です。

以下のチェックリストで、自社の現状と照らし合わせてみてください。

  • 【要件1:場所(Facilities)】最も危険なトラップ
    営業所、休憩睡眠施設、車庫の3点セット。都市計画法(市街化調整区域)、農地法、建築基準法のすべてをクリアしているか?
    判定基準:契約前に専門家の調査が必須。
  • 【要件2:資金(Financial)】数字は嘘をつかない
    人件費、燃料費、車両費などの「所要資金」を全額、預金残高で証明できるか?(目安:1500万〜2000万円)
    判定基準:申請時と許可直前の「2回」、残高証明書の提出が必要。
  • 【要件3:人(Personnel)】資格と人数の壁
    運転者5名以上、運行管理者1名以上、整備管理者1名以上を確保(予定含む)できるか?
    判定基準:欠格事由(懲役刑など)がないこと。社会保険への加入が絶対条件。
  • 【要件4:車両(Vehicle)】営業ナンバーの資格
    トラックを5台以上確保できるか?(軽自動車は不可)
    判定基準:車検証の所有者、使用者の名義。リース契約の内容。

これらの要件は、管轄の運輸支局(関東運輸局、近畿運輸局など)によって、細部の運用ルールや添付書類が微妙に異なります。

「ネットのひな形通りにやったのに、窓口で突き返された」というケースの多くは、このローカルルールの確認不足が原因です。

💡 行政書士の現場メモ(最初に確認すべきこと)

4つの要件の中で、最初に確定させなければならないのは絶対に「場所」です。

人は後から採用できますし、お金は融資や増資で調整可能です。

しかし、「場所」だけは契約してしまった後に「ここは運送業ができないエリア(市街化調整区域)でした」と判明しても、契約金や仲介手数料は戻ってきません。

私の経験上、許可申請トラブルの約6割がこの「場所選び」の失敗に起因しています。

不動産屋は運送業法のプロではありません。「借りる前に」必ず相談してください。

【要件1:資金】自己資金はいくら必要か?「残高証明」の罠

運送業許可の要件の中で、最も多くのチャレンジャーを門前払いにするのが、この「資金要件(財務基盤)」です。

ポイント

結論から申し上げますと、中古トラック5台で新規開業する場合、概ね「1,500万円〜2,000万円」の純粋な預金残高が必要となります。

なぜこれほどの巨額が必要なのでしょうか。

それは、国が「資金力のない運送会社は、トラックの整備費用やドライバーの残業代をケチり、遠からず重大事故を引き起こす」と確信しているからです。

悲しいことですが、過去の重大事故の多くは資金繰りの悪化が引き金となっています。

この要件は「所要資金見積書」という書類で1円単位までシビアに計算されます。

「だいたいこれくらい」というドンブリ勘定は一切通用しません。

ここでは、その厳密な計算ロジックと、絶対にやってはいけない資金調達のミスについて解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [概念図] 運送業許可に必要な資金の内訳(人件費・燃料費・車両費)と2000万円の壁

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Alt属性: 運送業許可 資金要件 いくら 2000万円 内訳

所要資金の計算式(2000万円の壁)

建設業許可の「500万円」のような固定額とは異なり、運送業許可の必要資金は「事業計画に基づいた積上げ方式」で計算されます。

つまり、家賃が高いエリアや、新車を導入する場合は、その分だけハードルが上がります。

具体的な計算式は、国交省の審査基準(公示)により以下のように厳格に定められています。これを1円でも下回れば不許可です。

【法定】所要資金の計算期間一覧

費目 計算期間・条件
① 人件費 役員報酬・給与・手当・賞与等の「6ヶ月分」
※法定福利費(社保)も含む
② 燃料油脂費 実走行距離予測に基づくガソリン代等の「6ヶ月分」
③ 車両修繕費 車検・点検・修理費等の「6ヶ月分」
④ 施設使用料 営業所・車庫の家賃・共益費の「6ヶ月分」
※敷金・礼金等の初期費用は全額計上
⑤ 保険料・税金 自賠責・任意保険・自動車税等の「1年分」
⑥ 車両購入費 一括購入なら全額。リースの場合は「6ヶ月〜1年分」
※頭金は全額計上

なぜ「2,000万円」になるのか?

例えば、ドライバー5名(月給30万)を雇うだけで、人件費は「30万×5名×6ヶ月=900万円」になります。

これに社保(約15%)、車両5台分の保険料(1年分)、駐車場代(6ヶ月)、そして車両の頭金を足していくと、どんなに切り詰めても1,500万円を下回ることは稀です。

「ギリギリの資金で申請したい」という相談も多いですが、カツカツの計画は審査官に「事業継続能力に疑義あり」と判断されるリスクを高めます。

余裕を持った資金計画こそが、最短許可への近道です。

【警告】残高証明書は「申請時」と「許可直前」の2回必要

ここは運送業許可申請における最大の難所、通称「死の谷」です。

多くの経営者が「お金なんて、申請の時だけ口座に入っていればいいんだろう?」と甘く見ていますが、この認識が命取りになります。

ポイント

運送業許可の審査では、所要資金(約2,000万円)が確保されていることを証明するため、以下の2回のタイミングで残高証明書の提出が義務付けられています。

  1. 1回目:申請受付日(スタート)申請書類一式を運輸支局の窓口に提出する日です。この日の日付が入った残高証明書が必要です。ここまでは誰でもクリアできます。
  2. 2回目:許可処分が降りる直前(ゴール手前)申請から補正対応を経て、審査が完了する約3〜4ヶ月後。運輸局から突然、「審査が終了しますので、任意の日付(現在)の残高証明書を提出してください」と連絡が入ります。

■ 鉄の掟:1円でも減ったら「即アウト」

最も恐ろしいのは、この2回目の提出時に、1回目の金額(所要資金総額)を1円でも下回っていたら、その時点で不許可が確定するという点です。

  • 「トラックの手付金を払った」
  • 「事務所の家賃を払った」
  • 「生活費に使った」……

理由は一切考慮されません。

行政側の理屈はこうです。

ココがダメ

「許可が降りて事業が開始される前から資金を食いつぶすような計画性のない会社に、国民の安全を預かる運送事業を任せるわけにはいかない」

この論理により、多くの申請者が最後の最後で涙を呑んでいます。

■ 「見せ金(一時的な借入)」が100%バレる構造的理由

インターネット上には「一時的に誰かから借りて、証明書を取ったらすぐ返せばいい(見せ金)」という無責任なアドバイスが存在しますが、これは運送業許可においては「自殺行為」です。

なぜなら、2回のチェック機能が「見せ金」を物理的に不可能にしているからです。

  • ケースA:1回目の直後に返済した場合2回目の残高証明書が出せません。「今はお金がないけど、許可が出たら融資が降りる」という言い訳は通用せず、審査は却下されます。
  • ケースB:2回目まで半年間借り続けた場合今度は「金銭消費貸借契約書」の提出や、決算書上の「負債」としての整合性が問われます。個人の通帳から会社へ巨額の資金移動があれば、その原資の出所(誰から借りたか、贈与か)まで厳しく追求されます。ここで説明がつかなければ、最悪の場合、虚偽申請として行政書士会や警察に通報されるリスクすらあります。

■ 陥りやすい「善意の失敗」:車両の先買い

悪意のある見せ金以上に多いのが、真面目な経営者が陥る「車両の先買い」トラブルです。

「早く営業を始めたいから」「良い中古車が出たから」と焦って、許可が降りる前に車両代金1000万円を振り込んでしまうケースです。

これにより口座残高は1000万円減ります。当然、2回目の残高証明では資金要件を満たせなくなります。

「トラックは資産だから、お金が形を変えただけだ!」と主張したくなりますが、審査基準上の「所要資金」はあくまで「流動資産(現金預金)」でなければなりません。

この場合、減ってしまった1000万円を、社長個人の貯金から補填するか、親族から借りて再度入金しない限り、許可は永遠に降りません。

💡 行政書士の現場メモ(究極の資金管理術)

私がお客様に徹底していただいているのは、「運送業許可専用の別口座を作る」ことです。

普段使いの運転資金口座と混ぜてしまうと、電気代やリース料の引き落としで、気付かないうちに数万円減ってしまい、計算が狂う事故が多発します。

2000万円を入金した専用通帳を作り、申請から許可までの半年間、「通帳と印鑑を金庫に入れ、ガムテープで封印する」

泥臭いようですが、これが5000社の支援実績から導き出した、最も確実なリスク管理手法です。

所要資金の計算式(2000万円の壁)

建設業許可の「500万円」のような固定額とは異なり、運送業許可の必要資金は「事業計画に基づいた積上げ方式」で計算されます。

つまり、「安い駐車場を借りる」「中古トラックにする」といった経営努力で圧縮は可能ですが、法律で決まった計算期間(6ヶ月〜1年)があるため、限界があります。

「トラック5台・ドライバー5名」というミニマムスタートでも、なぜ2,000万円近くになってしまうのか? ここでは、多くの申請者が青ざめる「リアルな試算表」を公開します。

■ 【実演】一般貨物・新規許可の資金シミュレーション

以下の条件で計算してみましょう。これは決して贅沢な計画ではなく、ごく標準的な開業モデルです。

車両: 中古4トンウイング車×5台(1台300万円/ローン・リース利用)
人員: 運転者5名(月給30万円)、運行管理者1名(社長兼任・役員報酬40万円)
場所: 郊外の営業所兼車庫(家賃15万円)

■ 多くの人が見落とす「隠れコスト」

上記のシミュレーションで「高すぎる!」と思われたかもしれません。しかし、これは国交省が定める最低ラインです。さらに実務上、以下のポイントで資金が膨らむことが多々あります。

  • 法定福利費(社会保険料)の重み:「試用期間だから社保は後でいいだろう」という甘えは一切通用しません。見積もり段階で、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金をフルセットで計上する必要があります。これで人件費が15%近く跳ね上がります。
  • 車両の「1年分」ルール:多くの運輸局で、車両のリース料や任意保険料は「1年分」の計上を求められます(※管轄により「6ヶ月」の場合もあり)。トラック5台分の保険料を一括で1年分先払い計算するため、ここだけで100万円単位の現金確保が必要になります。
  • 什器備品費の盲点:営業所には、パソコン、電話、机だけでなく、運行管理に必要な「アルコールチェッカー」「点呼記録簿の保管庫」、休憩室の「寝具」なども必要です。これらも全て資金計画に含まれます。

このように、運送業の資金要件は「鉛筆を舐めて適当に書いた数字」では絶対に突破できません。

自己資金が2,000万円に届かない場合、「車両を安くする」か「役員報酬を下げて調整する(※最低賃金割れは不可)」などの綿密なパズル合わせが必要です。ここが行政書士の腕の見せ所でもあります。

【要件2:場所】営業所と車庫の「都市計画法」リスク

資金の次は「場所(営業所・休憩施設・車庫)」の要件です。

断言します。運送業許可の申請において、最も取り返しがつかない失敗をするのが、この「場所選び」です。

資金は融資でカバーできます。

人は採用でカバーできます。

しかし、場所だけは「賃貸借契約」を結んでしまった後に、「ここは法律上、運送業の許可が降りない場所(市街化調整区域など)でした」と判明しても、支払った敷金・礼金・仲介手数料・前家賃は一切戻ってきません。

実際、私が受けた「駆け込み相談」の中で、悲劇的なケースの約6割がこの不動産関連です。

「元々倉庫だったから大丈夫だと思った」「不動産屋が『駐車場として使える』と言ったから契約した」

これらは運送業法においては何の免罪符にもなりません。

運送業の車庫・営業所は、「都市計画法」「農地法」「建築基準法」「車両制限令」という4つの法律の十字砲火をくぐり抜ける必要があります。

ここでは、契約書にハンコを押す前に必ず確認すべき「絶対に借りてはいけない土地」の条件を解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [図解] 都市計画法における「市街化区域(OK)」と「市街化調整区域(NG)」の区分地図

生成用プロンプト: City planning zoning map, distinct blue zone (Urbanization Promotion Area) vs gray zone (Urbanization Control Area), check mark and cross mark, isometric city view, professional business style.

Alt属性: 運送業許可 営業所 車庫 市街化調整区域 都市計画法

絶対に借りてはいけない「市街化調整区域」の罠

物件探しの際、不動産屋から「安くて広い土地がありますよ」「元々運送屋さんが使っていた駐車場です」と紹介されたら、まず警戒してください。

その土地が「市街化調整区域(しがいかちょうせいくいき)」であれば、99%の確率で運送業の許可は降りません。

結論から言えば、運送業の営業所・車庫は、原則として「市街化区域」(建物を建てて街を活性化させるエリア)になければなりません。

「調整区域」とは、都市計画法に基づき「市街化を抑制すべき区域(=田畑や自然を守る場所)」と定義されており、原則として新たな建物の建築や、事業活動の拠点を置くことが禁止されているからです。

■ なぜ「契約済み」でも不許可になるのか?

ここが最大の落とし穴です。多くのチャレンジャーが以下の論理で失敗します。

  • 誤解:「すでにプレハブが建っているから大丈夫だろう」
  • 誤解:「前の借主も運送屋だったから、実績があるはずだ」
  • 誤解:「屋根のない更地の駐車場(青空駐車)なら、建物じゃないからOKでは?」

【行政の審査基準(真実)】
運送業許可の申請では、営業所や車庫が「都市計画法に違反していないこと」を証明する宣誓書(または証明書)を提出させられます。

もしその土地にあるプレハブが、過去に無許可で建てられた違法建築物だった場合、または前の運送屋が許可を取らずにモグリで営業していた場合、「違法状態の土地」として審査は即刻ストップします。

特に車庫に関しても、多くの運輸局で「営業所と車庫は併設、または近距離」が原則であり、営業所(点呼場)を建てられない調整区域の土地は、実質的に使い物になりません。

■ 不動産屋を信じてはいけない理由

非常に厳しい言い方になりますが、運送業許可において「不動産屋の『大丈夫』」は信じてはいけません。

彼らは「民法上の賃貸借契約」のプロですが、「行政法上の許認可」のプロではないからです。
彼らにとって「駐車場として使える」とは、「車を置いても警察に捕まらない」という意味に過ぎません。

一方、我々が求めているのは「国土交通省が緑ナンバーの事業用車庫として認可するか」です。この乖離により、「契約して、家賃も払ったのに、許可申請ができない」という悲劇が生まれます。

■ 「開発許可」という蜘蛛の糸(例外について)

「市街化調整区域でも許可が取れる例外がある」と聞いたことがあるかもしれません。
確かに、都市計画法第29条の「開発許可」や、第43条の「建築許可」を取得すれば、調整区域でも営業所を設置できる可能性があります。また、既存宅地権などの既得権がある場合もあります。
しかし、これを新規で取得するには、開発審査会の同意などが必要で、手続きに100万円以上の費用と、半年〜1年の期間がかかります。
これから創業しようとする会社が、許可が降りるかわからない土地のために、追加で100万円と1年を費やせますか? 答えはNOはずです。
だからこそ、私は「調整区域には手を出すな」と指導しています。

■ 確実に回避するための「調査アクション」

気に入った物件が見つかったら、契約書にハンコを押す前に、以下の手順で必ず「裏取り」をしてください。これは行政書士に依頼する前でも、ご自身で可能です。

  1. Googleマップではなく「ブルーマップ」を見る:
    法務局や図書館にあるブルーマップ(公図)で、地番を確認する。
  2. 市役所の「建築指導課」または「都市計画課」に電話する:
    「〇〇市の〇〇町〇番地の土地で、運送業の事務所を置きたいのですが、ここは市街化調整区域ですか? 事務所の建築は可能ですか?」とストレートに聞く。
  3. 農地(田・畑)でないか確認する:
    登記簿上の地目が「田」や「畑」の場合、農地法の手続き(農地転用)が必要になり、これも許可まで数ヶ月かかります。原則は「宅地」か「雑種地」を選んでください。

💡 行政書士の現場メモ(コンテナハウスの罠)

「市街化調整区域だけど、基礎のないコンテナハウスなら『車両扱い』だから建築物じゃない。だから置いても大丈夫!」
これは都市伝説です。運送業許可の審査において、営業所(休憩室)は恒久的な設備としてみなされるため、コンテナであっても建築確認申請が通らないものは認められません。
過去に、この理屈で調整区域にコンテナ事務所を置いて申請し、運輸局の実地調査で「違法設置」と認定され、撤去を命じられた(=許可取り直し)事例を目撃しています。法をハックしようとする試みは、運送業では通用しません。

前面道路の幅員証明(車両制限令)と「10kmルール」

都市計画法をクリアしても、まだ安心してはいけません。
次に待ち受けているのが、トラックが車庫に出入りするための「前面道路の幅員(道幅)」と、営業所からの「距離制限」という2つの物理的ハードルです。
「トラックが物理的に通れるから大丈夫」という感覚は捨ててください。行政が求めているのは「法令上の数値基準」を満たしていることの証明です。

■ トラップ1:車両制限令と「幅員証明書」

運送業許可の車庫の要件として、出入り口が接している道路(前面道路)の幅が、「車両制限令」という法令に適合していなければなりません。
具体的には、原則として「幅員6.0m以上」が求められます。
もし6.0m未満の場合でも許可されるケースはありますが、その際は「車両の幅」に応じて厳密な計算式が適用されます。

  • 原則:幅員6.5m以上(大型車も余裕でOK)
  • 特例措置:幅員が狭い場合でも、「車両の幅 × 〇〇 + 0.5m」などの計算式で、使用するトラックが通行可能だと証明できればOK。

この証明のために提出するのが「幅員証明書(道路幅員証明書)」です。
これは、その道路を管理している役所(市道なら市役所の道路管理課、県道なら土木事務所)で取得します。
ここで恐ろしいのが、「現況の見た目」と「公的な台帳上の幅員」が違うことがある点です。
見た目は5mあっても、台帳上は4mしかなければ、4mとして審査されます。逆に、見た目は狭くても、セットバック等で法的には広い場合もあります。
不動産契約前に、必ず管轄の役所へ行き、「この土地の前の道路幅は何メートルで登録されていますか?」と確認する作業が不可欠です。

■ 【DIYの罠】Googleマップと「実測」の誤差

「Googleマップで距離を測ったら5mあったから大丈夫だろう」
これは非常に危険です。私が現場調査に行く際は、必ずロードメジャー(コロコロ転がして測る器具)とコンベックスを持参します。
なぜなら、車両制限令における「道路幅」には、以下のような落とし穴があるからです。

  • 側溝(U字溝)の扱い:
    多くの自治体で、蓋がついている側溝部分は道路幅に含めてくれますが、蓋がない場合や、強度が足りない場合は「有効幅員」から除外されます。
  • 電柱やガードレール:
    道路上に電柱が飛び出している場合、その部分の幅員が狭いと判定され、NGになることがあります。

たった10cm足りないだけで、4トントラックの車庫として認められず、2トントラックしか置けない(=事業計画の変更・やり直し)という事態になりかねません。

■ トラップ2:営業所と車庫の「距離制限」

運送業では、点呼や運行管理を適切に行うため、営業所(事務所)と車庫は「併設」が原則です。
しかし、土地の確保が難しい都市部では、離れた場所に車庫を借りることが認められています。ただし、これには限界距離があります。

【地域別の距離制限(直線距離)】

地域(管轄運輸局) 最大距離
関東運輸局(東京・神奈川・千葉・埼玉など) 原則 10km以内
※東京都23区・横浜市・川崎市のみ20km以内
中部運輸局(愛知など)・近畿運輸局(大阪など) 原則 10km以内
※一部地域で5km制限の場合あり
その他の地域 原則 5km以内
※10kmまで緩和されている地域も多数

注意すべきは、これが「道のり(走行距離)」ではなく「直線距離」である点です。
ギリギリの距離にある場合、地図上でコンパスを使って円を描き、証明する必要があります。
「安い土地が見つかった!」と喜んで契約したら、営業所から10.5km離れていて許可が降りない……という悲劇も実際に起きています。

💡 行政書士の現場メモ(私道の落とし穴)

最も厄介なのが、前面道路が「私道(個人の所有地)」の場合です。
この場合、役所で幅員証明書が出ません。代わりに、その私道の持ち主全員(場合によっては何人もいます)から「通行承諾書(使用承諾書)」に実印をもらわなければなりません。
これは交渉難易度が極めて高く、トラブルの元です。前面道路が「公道」か「私道」か。これも契約前の重要チェック項目に入れてください。

【要件3:人】ドライバー5名と運行管理者の確保

資金と場所が完璧に揃っても、最後の難関である「人」が確保できなければ、トラックは単なる鉄の塊です。
運送業許可(一般貨物)では、最低でも「運転者5名」、そして国家資格を持つ「運行管理者」「整備管理者」という組織体制の確立が法律で義務付けられています。

昨今の人手不足の中、この「5人の壁」を超えられずに許可取得を断念するケースが急増しています。
さらに審査では、単に頭数を揃えるだけでなく、「申請日時点で確保できているか」「適切な社会保険に加入しているか」「欠格事由(過去の犯罪歴など)はないか」が徹底的に洗われます。
ここでは、多くの社長が苦悩する「申請時の人員確保」のリアルな基準と、資格者がいない場合の対処法について解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [組織図イラスト] 運送会社の必須体制(社長・運行管理者・整備管理者・運転者5名のピラミッド構造)

生成用プロンプト: Organizational chart of a trucking company, pyramid structure, CEO at top, Operation Manager and Maintenance Manager in middle, 5 Drivers at bottom, professional icons, business blue color scheme, flat design.

Alt属性: 運送業許可 人数要件 運行管理者 運転者5名 組織図

人数要件(運転者5名+運行管理者1名)の兼務ルール

「社長、あと一人足りません」
申請書類を作成する最終段階で、私がこの事実を告げると、多くの経営者が頭を抱えます。
運送業許可(一般貨物)を取得するための「最小ユニット」は、法律で厳格に決まっています。結論から言えば、「最低5人の確保」が絶対条件ですが、ここには「誰が何を兼任できるか(兼務)」という複雑なパズルが存在します。

このパズルを解き間違えると、せっかく人を集めても「要件不備」として許可が降りません。ここでは、最小人数でチームを組むための「正解ルート」と、多くの人が陥る「点呼の罠」について解説します。

■ 必須となる3つの役割

まず、運送会社には以下の3種類の人間が必要です。

  • ① 運転者(ドライバー):5名以上
    大型、中型など、運転する車両に対応した免許証を持つ者。
  • ② 運行管理者(ウンカン):1名以上
    国家資格者。ドライバーの健康管理、休憩の指示、点呼を行う「安全の司令塔」。
  • ③ 整備管理者(セイカン):1名以上
    国家資格者(整備士)または、2年以上の実務経験+研修受講者。車両の点検を管理する責任者。

■ 誰が何を兼任できる?(兼務マトリクス)

「5人も雇う余裕はない。社長が全部できないのか?」
この質問への答えは、「イエスでもあり、ノーでもある」です。以下のルールを厳守してください。

兼務の組み合わせ 可否判定 条件・注意点
社長 が 運行管理者 〇 可能 多くの新規開業はこのパターンです。社長自身が資格を取るのが最短ルートです。
運行管理者 が 整備管理者 〇 可能 1人が両方の資格を持っていれば兼任OK。
運行管理者 が 運転者 △ 条件付 【最大の落とし穴】
運行管理者がトラックに乗ってしまうと、誰が点呼(出発前の健康チェック)をするのか?という問題が発生します。これには「補助者」が必要です。

■ 「点呼の罠」と補助者の必要性

運行管理者がドライバーを兼任する場合、絶対にクリアしなければならないのが「自分自身への点呼は禁止」というルールです。
運行管理者は、ドライバーの顔色を見て「酒を飲んでいないか? 疲れていないか?」を確認する義務があります。自分で鏡を見て「ヨシ!」とやることは認められません。
そのため、運行管理者がハンドルを握る日は、代わりに点呼を行える「運行管理補助者」(基礎講習を受けたスタッフ)を配置しなければなりません。
つまり、実質的にはもう一人、講習を受けた人間が必要になるのです。ここを見落とすと、審査や開業後の監査で詰みます。

■ 採用のタイミングと「5人の壁」

「許可が降りてから求人を出します」
これは通用しません。申請の段階で、すでに雇用しているか、あるいは「就任承諾書(雇用確約書)」にハンコを押してくれる具体的な5名の名前と免許証コピーが必要です。
さらに、許可が出る直前(2回目の残高確認の頃)には、全員を社会保険(健康保険・厚生年金)と雇用保険に加入させ、その証明書(保険証の写し等)を提出しなければなりません。

【恐怖のシナリオ】
審査期間中に、「待ちくたびれた」と言ってドライバー予定者が1人辞退したとします。
この瞬間、予定人数は4人になります。
運送業許可(一般貨物)の絶対条件は「5人・5台」です。4人になった時点で要件欠格となり、許可は降りません。
大急ぎで代わりの1人を見つけ、書類を差し替えない限り、半年間の努力が水の泡になります。この「5人の維持」こそが、申請期間中の最大のプレッシャーとなります。

💡 行政書士の現場メモ(名義借りの末路)

「友達の名前だけ借りて、5人いることにして申請しよう」
これは「虚偽申請」という犯罪です。
運輸局は甘くありません。許可直後の「巡回指導」や、社会保険の加入記録照合で、実体のない幽霊ドライバーは100%バレます。
バレれば許可取消しはもちろん、今後5年間は運送業界に関われなくなります。5人集まらないのであれば、無理に一般貨物を目指さず、まずは軽貨物から始める勇気も「経営判断」です。

欠格事由(懲役・禁錮)と社会保険の加入義務

運送業許可の申請において、最も恐ろしい瞬間。それは、申請書類が受理された後、審査官が「警察・検察庁への照会」をかける瞬間です。
もし、申請会社の役員の中に一人でも法律で定められた「欠格事由(けっかくじゆう)」に該当する人物がいれば、その時点で審査は打ち切り。即、不許可となります。
また、近年厳格化された「社会保険の加入」も、避けて通れない大きな壁です。

ここは「知らなかった」では済まされないエリアです。ご自身と役員全員の過去、そして未来のコスト負担について、以下の基準で厳しくチェックしてください。

■ 【レッドカード】絶対アウトな「欠格事由」リスト

貨物自動車運送事業法第5条には、「許可を与えてはならない人」のリストが定義されています。
対象となるのは、社長だけでなく、取締役、監査役を含む「役員全員」です。

⚠️ 以下のいずれかに該当する場合、許可は降りません(5年間の参入禁止)

  • 1. 懲役刑・禁錮刑を受けた者
    罪名に関わらず、懲役または禁錮の刑を受け、その刑期を終えてから(または執行を受けることがなくなってから)「5年」を経過していない者。
    ※執行猶予期間中の場合も原則として欠格となります(猶予期間満了で解除)。
  • 2. 運送業許可の取消処分を受けた者
    過去に運送会社を経営していて、法令違反等で許可を取り消され、その取消しの日から「5年」を経過していない者。
  • 3. 未成年者・成年被後見人など
    法的能力に制限がある者(※法定代理人がいれば可となるケースもあり)。

「昔の万引きや喧嘩はバレますか?」という質問をよく受けますが、罰金刑(道路交通法違反など)であれば原則セーフです。
しかし、禁錮以上の刑(刑務所に入る、または執行猶予付きの判決)はアウトです。行政は警察のデータベースと照合するため、隠しても100%発覚します。万が一、虚偽の宣誓書を出せば、それ自体が新たな犯罪(虚偽申請)となります。

■ 「社会保険」に入れない会社は退場せよ

かつては「社会保険なんて入ったら潰れる」と公言する運送会社もありましたが、今は時代が変わりました。
現在は、許可取得の絶対条件として「社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)」への加入が義務付けられています。

【審査のタイミングと提出書類】

  • 申請時:「許可が降りたら加入します」という宣誓書を提出。
  • 許可後(運輸開始前):実際に加入したことを証明する「保険証の写し」「領収書」「概算保険料申告書」などを提出。

もし、ここで加入証明が出せなければ、許可証はあっても「緑ナンバー」が交付されません(事業開始不可)。

■ 【悪用厳禁】「個人事業主扱い(偽装請負)」の誘惑

社会保険料(給与の約15%)を節約するために、「ドライバーを社員ではなく、個人事業主(外注)として契約すればいいのでは?」と考える方がいます。
確かに「庸車(ようしゃ)」という仕組みはありますが、自社の緑ナンバーのトラックに乗せるドライバーを、指揮命令系統下にあるにも関わらず形式的に個人事業主として扱うことは「偽装請負」とみなされます。

運送業許可の前提は、「雇用したドライバーによる運行」です。
巡回指導や労働基準監督署の調査でこれが発覚した場合、是正勧告はもちろん、遡って膨大な保険料を徴収され、会社が倒産するリスクがあります。
「法定福利費」は、運送業をやるための「入場料」だと割り切ってください。それを含めた運賃交渉を荷主と行うのが、経営者の仕事です。

💡 行政書士の現場メモ(役員の入れ替え)

調査の過程で、取締役の一人に「実は執行猶予中だった」という事実が発覚することがあります。
その場合どうすればいいか? 残酷ですが、その方には役員を辞任していただくしかありません。
役員登記から外し、株主総会を経て適法に退任すれば、会社としての欠格事由は解消されます。
「言いにくいから」と放置して申請すれば、会社ごと不許可になります。創業メンバーであっても、泣いて馬謖を斬る決断が必要です。

【要件4:車両】トラック5台の所有とリース契約

資金、場所、人と来て、最後のピースが「車両」です。
運送業許可(一般貨物)を取得するためには、営業所ごとに「5台以上」の事業用自動車を確保しなければなりません。
これは絶対的なルールです。「まずは1台から」というスモールスタートは、軽貨物(黒ナンバー)では可能ですが、一般貨物(緑ナンバー)では認められません。

なぜ5台なのか? それは「組織的な運行管理」を行うために最低限必要な規模だからです。
対象となるのは、4ナンバー(小型)や1ナンバー(普通)のトラックです。軽自動車(軽トラ・軽バン)は何台集めても「0台」としてカウントされるので注意してください。
また、必ずしも現金で一括購入する必要はありません。リース契約や割賦(ローン)でも、「使用する権利」さえ証明できれば要件を満たします。
ここでは、審査に通るトラックの条件と、契約書の注意点について解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [比較図] 一般貨物(トラック5台以上必須)と軽貨物(1台からOK)の参入障壁の違い

生成用プロンプト: Comparison illustration, General Cargo Trucking (5 large green trucks lined up) vs Light Cargo (1 small black kei-van), hurdle bar chart, professional business style, isometric view.

Alt属性: 運送業許可 車両要件 5台 軽貨物 違い

車検証の要件と使用権原(車検切れは論外)

運送業許可において、車両は「数」だけでなく「質(法的な適合性)」が問われます。
審査官は、提出された「自動車検査証(車検証)」の写しを、穴が開くほどチェックします。
もし、あなたが購入予定のトラックが以下の基準を満たしていなければ、その車両は頭数(5台)に入りません。
契約後に「このトラック、使えません」と言われないよう、車検証の以下の項目を必ず確認してください。

■ 【チェックリスト】車検証の絶対確認ポイント

確認項目 合格ライン・注意点
① 用途 必ず「貨物」であること。
※「乗用」「特種(8ナンバーの一部)」は原則不可。
ハイエースやキャラバンを使う場合、座席付きのワゴン(乗用)ではなく、荷室の広いバン(貨物)でなければなりません。
② 車体の形状 「キャブオーバ」「バン」「ウイング」など、荷物を運ぶ構造であること。
※霊柩車や現金輸送車など、特殊すぎる用途の車は一般貨物として認められない場合があります。
③ 種別(サイズ) 「普通」または「小型」。
※「軽自動車」は絶対に不可!
黄色ナンバーの軽トラを何台集めても、一般貨物の5台にはカウントされません。それは「貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)」の領域です。
④ 備考欄(Nox・PM) 【最重要】大都市圏(東京・大阪・愛知など)で登録する場合、「Nox・PM不適合」の記載があるディーゼル車は登録できません。
地方で安く売られている古いトラックは、この規制に引っかかるものが多いため、購入前に必ず車庫のエリアが規制対象地域か確認してください。

■ 「使用権原(しょうけんげん)」の証明方法

申請の段階で、まだトラックの名義が自社になっていなくても大丈夫です。
重要なのは、「許可が降りたら確実にこの車を使える権利(使用権原)があるか」です。これを証明するために、以下の書類を提出します。

  • 購入済み(名義変更済み)の場合:車検証の写し(自社名義)
  • 購入予定(未購入)の場合:売買契約書 または 売渡承諾書の写し
  • リースの場合:リース契約書の写し
    ※リース期間は概ね「1年以上」であることが望ましいです。短期レンタルは認められません。

■ 車検切れ(一時抹消中)の車両は使えるか?

「ナンバーを切ってある(一時抹消登録中)中古車を買いたい」というケースも多いでしょう。
結論から言えば、申請自体は可能です。
ただし、申請書には「車台番号」等の情報を記載し、審査が完了して許可証が出る日までに、「新規車検」を通して車検を通せる状態(構造等変更検査含む)にしておく義務があります。
ボロボロすぎて車検に通らない車で申請してしまうと、最後の最後で緑ナンバーが付かず、許可が無効になるリスクがあります。「とりあえず数合わせでポンコツを買う」のはやめてください。

■ けん引(トレーラー)のカウント方法

海上コンテナやトレーラー輸送をやる場合、台数のカウント方法に特殊ルールがあります。
原則として、「トラクターヘッド(頭)」+「シャーシ(台車)」=「1セット」として扱われることが一般的ですが、配置基準としては「トラクターヘッドの数」で5台をカウントする運用(※管轄により異なる)が多いです。
ただし、シャーシも「被けん引車」として車検証があり、当然ながら車検も車庫証明も必要です。ヘッドだけ買ってシャーシがない、という状態では事業になりませんのでご注意ください。

💡 行政書士の現場メモ(白ナンバーからの切り替え手順)

現在、白ナンバーで使っているトラックをそのまま緑ナンバーにしたい場合の手順は複雑です。
①許可取得 → ②白ナンバーの返納(抹消) → ③緑ナンバーの新規登録 という流れになります。
つまり、同じ車でもナンバープレートの番号(数字)は変わります。
よくあるミスが、許可が降りた嬉しさで、運輸支局の「輸送部門(許可係)」に行かずに、いきなり「登録部門(車検場)」に行ってしまうことです。
まずは輸送部門で「事業用自動車等連絡書」という魔法の紙(許可証明書のようなもの)を発行してもらわないと、窓口で何時間待っても緑ナンバーはもらえません。

申請の流れと「役員法令試験」対策

すべての書類を揃えて運輸局に提出し、受理されたら終わり……ではありません。
運送業許可申請には、申請後に「役員法令試験」という最大の山場が用意されています。
これは、申請した会社の常勤役員(社長)が、運送業法や労働基準法などの知識を持っているかを問う筆記試験です。

衝撃的な事実をお伝えします。この試験の合格率は、実施回や地域にもよりますが、平均して「30%〜50%」程度です。
つまり、申請者の半数が落ちています。「常識で解けるだろう」とノー勉で挑んだ社長は、ほぼ間違いなく不合格になります。
そして恐ろしいことに、この試験には「2回落ちたらアウト(申請却下・取下げ)」という厳しいルールがあります。
ここでは、最短で許可証を手にするための申請フローと、試験対策の急所を解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [フローチャート] 申請から許可までの流れ(申請→法令試験→審査→許可→登録免許税→運行開始)

生成用プロンプト: Flowchart of Trucking Permit Application Process, Step 1 Application, Step 2 Law Exam (Highlighted Warning), Step 3 Screening, Step 4 Approval, Step 5 Green License Plate, professional business style.

Alt属性: 運送業許可 申請の流れ 期間 法令試験

毎月1回の法令試験(合格率と対策)

「お金を払って行政書士に頼んだのだから、試験くらい何とかしてくれ」
お気持ちは痛いほど分かりますが、こればかりは代行できません。
役員法令試験は、許可申請受理後の「奇数月(管轄により毎月)」に実施され、申請会社の常勤役員(通常は社長)が必ず受験しなければなりません。
これは形式的な通過儀礼ではなく、「落とすための試験」です。

■ 恐怖の「2ストライク」ルール

この試験の最も恐ろしい点は、チャンスが「2回」しか与えられないことです。

  • 1回目:不合格の場合、翌月に再試験のチャンスがあります。ただし、許可審査はストップします。
  • 2回目:ここでも不合格の場合、申請は「却下(または取下げ)」となります。

つまり、2回落ちた瞬間に、数ヶ月かけて作成した書類、確保した駐車場、採用予定のドライバー、費やした専門家報酬……これら全ての努力が「リセット」されます。
再チャレンジするには、また最初から申請書を出し直し、再び試験を受ける必要があります。「無限ループ」に陥り、開業を諦める経営者も少なくありません。

■ 試験の概要と合格ライン

敵を知ることから始めましょう。試験のスペックは以下の通りです。

出題数・形式 全30問(◯✕式 または 語群選択式)
試験時間 50分間
合格基準 30問中24問以上の正解(正答率80%)
出題範囲 貨物自動車運送事業法、車両法、道交法、労働基準法など全13法令

「30問中24問」という合格ライン(8割)は、国家試験並みの高さです。6問間違えた時点で終了です。
さらに、試験時間は50分しかありません。1問あたり1分半強。迷っている暇はないのです。

■ 【秘策】「条文集持ち込み可」の罠と攻略法

唯一の救いは、試験会場に「関係条文集(六法のようなもの)」が用意されており、見ながら解ける点です。
しかし、これが最大の罠です。
「答えが書いてあるなら楽勝だ」と勉強せずに行くと、分厚い条文集のどこに何が書いてあるか探している間にタイムアップになります。

【行政書士直伝:合格への3ステップ】

  1. 過去問を回す(最低3年分):
    問題の傾向は決まっています。運輸局のHPなどで過去問を入手し、何度も解いてください。
  2. 「引く練習」をする:
    暗記する必要はありません。「この問題が出たら、条文集のこの辺りを見る」という検索スピードを上げてください。
    ※注意:条文集への書き込みや付箋の持ち込みは禁止されています(当日配布されるものを使用)。目次から該当条文(例:第◯条)へ素早く辿り着く練習が必要です。
  3. 労働基準法を捨てない:
    運送業法だけでなく、労基法(36協定や労働時間)も出ます。ここが苦手な社長が多いですが、配点が高いので要対策です。

💡 行政書士の現場メモ(社長へのラストパス)

私は申請を受任した際、必ず独自の「試験対策テキスト(過去問の頻出条文リスト)」をお渡ししています。
ある強面の社長が、「小野さん、俺は勉強なんて高校以来だ。本当に吐きそうだ」と仰っていましたが、このテキストを使って毎晩仕事終わりに1時間勉強され、見事28点で一発合格されました。
合格した瞬間、許可証をもらった時以上に喜ばれていたのが印象的です。
行政書士は試験を代われませんが、「どこが出るか」を教えることはできます。一人で悩まず、プロのデータを頼ってください。

毎月1回の法令試験(合格率と対策)

「お金を払って行政書士に頼んだのだから、試験くらい何とかしてくれ」
お気持ちは痛いほど分かりますが、こればかりは代行できません。
役員法令試験は、許可申請受理後の「奇数月(管轄により毎月)」に実施され、申請会社の常勤役員(通常は社長)が必ず受験しなければなりません。
これは形式的な通過儀礼ではなく、「落とすための試験」です。

■ 恐怖の「2ストライク」ルール

この試験の最も恐ろしい点は、チャンスが「2回」しか与えられないことです。

  • 1回目:不合格の場合、翌月に再試験のチャンスがあります。ただし、許可審査はストップします。
  • 2回目:ここでも不合格の場合、申請は「却下(または取下げ)」となります。

つまり、2回落ちた瞬間に、数ヶ月かけて作成した書類、確保した駐車場、採用予定のドライバー、費やした専門家報酬……これら全ての努力が「リセット」されます。
再チャレンジするには、また最初から申請書を出し直し、再び試験を受ける必要があります。「無限ループ」に陥り、開業を諦める経営者も少なくありません。

■ 試験の概要と合格ライン

敵を知ることから始めましょう。試験のスペックは以下の通りです。

出題数・形式 全30問(◯✕式 または 語群選択式)
試験時間 50分間
合格基準 30問中24問以上の正解(正答率80%)
出題範囲 貨物自動車運送事業法、車両法、道交法、労働基準法など全13法令

「30問中24問」という合格ライン(8割)は、国家試験並みの高さです。6問間違えた時点で終了です。
さらに、試験時間は50分しかありません。1問あたり1分半強。迷っている暇はないのです。

■ 【秘策】「条文集持ち込み可」の罠と攻略法

唯一の救いは、試験会場に「関係条文集(六法のようなもの)」が用意されており、見ながら解ける点です。
しかし、これが最大の罠です。
「答えが書いてあるなら楽勝だ」と勉強せずに行くと、分厚い条文集のどこに何が書いてあるか探している間にタイムアップになります。

【行政書士直伝:合格への3ステップ】

  1. 過去問を回す(最低3年分):
    問題の傾向は決まっています。運輸局のHPなどで過去問を入手し、何度も解いてください。
  2. 「引く練習」をする:
    暗記する必要はありません。「この問題が出たら、条文集のこの辺りを見る」という検索スピードを上げてください。
    ※注意:条文集への書き込みや付箋の持ち込みは禁止されています(当日配布されるものを使用)。目次から該当条文(例:第◯条)へ素早く辿り着く練習が必要です。
  3. 労働基準法を捨てない:
    運送業法だけでなく、労基法(36協定や労働時間)も出ます。ここが苦手な社長が多いですが、配点が高いので要対策です。

💡 行政書士の現場メモ(社長へのラストパス)

私は申請を受任した際、必ず独自の「試験対策テキスト(過去問の頻出条文リスト)」をお渡ししています。
ある強面の社長が、「小野さん、俺は勉強なんて高校以来だ。本当に吐きそうだ」と仰っていましたが、このテキストを使って毎晩仕事終わりに1時間勉強され、見事28点で一発合格されました。
合格した瞬間、許可証をもらった時以上に喜ばれていたのが印象的です。
行政書士は試験を代われませんが、「どこが出るか」を教えることはできます。一人で悩まず、プロのデータを頼ってください。

[比較] 自力申請(DIY) vs 行政書士依頼のコスト対効果

運送業許可の取得において、行政書士に依頼する場合の報酬相場は「40万円〜60万円(税別)」です。

「高い! 自分でやればタダじゃないか」

そう思われるのは、コスト感覚に優れた経営者として当然の反応です。

しかし、ここで比較すべきは目先の出費ではなく、許可取得にかかる「時間(スピード)」と、それによって失われる「見えないコスト」です。

①「社長の時給」をドブに捨てるリスク

慣れない書類作成に300時間かかるとします。

社長であるあなたの時給はいくらでしょうか?

仮に低く見積もって5,000円だとしても、計算式はこうなります。

📉 300時間 × 時給5,000円 = 150万円の人件費

つまり、自分でやるということは、「150万円の人件費を使って、50万円の経費を削減しようとしている」のと同じです。その時間を「荷主開拓」や「採用」に使えば、もっと大きな利益を生めるはずです。

② 開業遅れによる「1,200万円」の機会損失

プロに頼めば最短4ヶ月で開業できるところ、自力申請で不備が続き、開業が3ヶ月遅れたとします。

もし月商400万円(トラック5台)稼げるはずだったなら、損失は甚大です。

📉 月商400万円 × 3ヶ月遅れ = マイナス1,200万円の売上損失

50万円の報酬は、この「1,200万円の売上」を早期に手にするための投資であり、将来の「業務停止命令(監査リスク)」を防ぐための保険料なのです。

💡 行政書士の現場メモ(失敗事例)

以前、DIYで申請し、補正期限に間に合わず申請が「取下げ」になったお客様がいました。

再申請までの間、すでに雇っていたドライバーへの給料と駐車場代が発生し続け、結果として「何もしていないのに300万円が消えた」そうです。

「最初から先生に頼めばよかった。高い勉強代になったよ」――この言葉の重みを、これから挑戦するあなたには味わってほしくありません。

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【完全比較】自力申請 vs プロ依頼の決定的な違い ➡

⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」

「自分でやれば無料」は間違いです。書類不備による再申請の手間、審査遅延による数ヶ月分の家賃・人件費の流出、そして何より「本業に集中できない時間的損失」は計り知れません。プロへの依頼はコストではなく、最速で黒字化するための投資です。

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いきなり契約する必要はありません。
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行政書士としての「法的調査」と、5000件の実績に基づき、最短ルートでの許可取得プランを正直にお伝えします。

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※賢い経営者への第一歩。
※この記事を見たとお伝え頂ければスムーズです。

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