運送業の許可

【雛形あり】運送業の役員変更届を忘れていた!期限切れの罰則と「遅延理由書」の書き方

【結論】運送業の役員変更届とは?
運送業の役員変更届とは、登記完了後30日以内に運輸支局へ提出する義務がある重要書類です。単なる報告ではなく、これを怠ると「行政処分」や「増車不可」の直撃を受けるため、経営の安全装置としての役割も果たします。

行政書士 小野馨
こんにちは!
運送業支援実績5000件 行政書士の小野馨です。
今回は、多くの社長様がヒヤリとされる【役員変更の期限と遅延対策】について、現場の知恵をお話しします。

「半年前の役員変更、登記はしたけど運輸支局への届出を忘れていた…」
「許可取り消しになりますか?」

私の事務所には、このような焦燥感に駆られたお電話が毎月のように入ります。まず安心してください。今すぐ正しく対応すれば、許可取消という最悪の事態は回避できます。

しかし、放置は厳禁です。運送業において役員変更の不備は、単なる書類ミスではなく、監査での「行政処分」や「車両停止」を引き寄せる時限爆弾だからです。本記事では、期限を過ぎた場合の「遅延理由書」を使った正規のリカバリー手順と、再発を防ぐ法務管理の極意を公開します。

⚠️ 【警告】登記完了だけで安心していませんか?
法務局への登記だけでは、運送業法違反状態は解消されません。「変更届出」が出ていない期間は、運輸支局から見れば「違法状態」です。監査が入る前に、自発的な是正が必要です。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 登記(2週間)と運輸支局(30日)の「ダブル期限」の正体
  • ✅ 期限切れを救済する「遅延理由書」の具体的な書き方
  • ✅ 新役員が「欠格事由」に該当していないかの事前調査法
  • ✅ 運行管理者・整備管理者の変更漏れを防ぐ連動チェック

運送業許可の全体像は運送業許可の教科書をご覧ください!

運送業の役員変更届には「2つの期限」がある(法務局と運輸局)

運送業の役員変更において、最も経営者が混乱し、手続き漏れの原因となるのが「期限のダブルスタンダード」です。結論から言えば、皆様は「法務局への登記(2週間以内)」「運輸支局への届出(30日以内)」という、異なる法律に基づく2つの締め切りを同時に管理しなければなりません。

実務上、非常に厄介なのが「登記が完了しなければ、運輸支局への届出書類(履歴事項全部証明書)が手に入らない」という点です。つまり、登記手続きが遅れれば、連鎖的に運輸支局への届出も期限切れとなる構造になっています。本章では、この複雑なスケジュールの全体像と、法律上の正確な定義を整理します。

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推奨画像: カレンダーと時計をモチーフに、「法務局(2週間)」と「運輸支局(30日)」の2つの期限がタイムライン上で表示されている図解。登記完了後に届出が可能になる「タイムラグ」を視覚化したもの。

生成用プロンプト: A clear timeline infographic comparing two deadlines for Japanese business administration. Top line: 'Legal Affairs Bureau (2 weeks)', Bottom line: 'Transport Branch Office (30 days)'. Visualizing the dependency where registration must finish before notification begins. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme, trustworthy business atmosphere.

Alt属性: 運送業役員変更届期限タイムライン登記届出スケジュール

【法務局】登記は2週間以内、【運輸支局】届出は30日以内

まず、法律で定められた絶対的な期限(デッドライン)を確認します。この数字は努力目標ではなく、違反すれば罰則対象となる法的義務です。

  • 法務局(役員変更登記):変更が生じた日(株主総会決議日等)から2週間以内(会社法第915条)
  • 運輸支局(役員変更届出):変更が生じた日から30日以内(貨物自動車運送事業法第9条)

ここで注意すべきは、運輸支局への「30日」という猶予が、実は見せかけであるという点です。なぜなら、運輸支局へ提出する変更届には、必ず「役員変更後の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」の原本添付が義務付けられているからです。

つまり、実務上のスケジュールは以下のようになります。

  1. 株主総会で新役員を選任(残り30日)
  2. 法務局へ変更登記を申請(残り28日程度)
  3. 【審査待ち】法務局の処理期間(約1週間〜2週間)
  4. 登記完了・新しい謄本を取得(残り5日〜10日)
  5. 運輸支局へ変更届を提出

このように、法務局での審査期間中に時間は刻々と過ぎていきます。登記申請そのものが遅れれば、謄本の取得も遅れ、結果として運輸支局への届出は物理的に「30日」をオーバーすることになります。「30日あるから大丈夫」という油断こそが、期限切れを引き起こす最大の要因なのです。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

年末年始や3月〜4月の年度替わりは、法務局も運輸支局も窓口が極端に混雑します。通常1週間で完了する登記が2週間以上かかることも珍しくありません。「登記が終わらないから届出が出せない」という事態を防ぐため、この時期の役員変更は、通常より1週間前倒しでスケジュールを組むのが鉄則です。

期限を過ぎて「忘れていた」場合のペナルティと対処法

「数ヶ月前の役員変更、うっかり手続きを忘れていた…」
このような相談は後を絶ちませんが、行政庁は「うっかり」を免罪符にはしてくれません。期限徒過のリスクは、単に数万円の罰金を払って終わりではないのです。

運送業において最も恐れるべきは、この手続き漏れが「巡回指導や監査の呼び水」になることです。登記と届出の不一致は、コンプライアンス意識の欠如とみなされ、最悪の場合、行政処分によって車両停止や事業拡大の制限といった経営ダメージに直結します。本章では、放置した場合の具体的なペナルティ相場と、傷口を最小限に抑えるための正しいリカバリー手順を解説します。

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推奨画像: 警告色(黄色や赤)を用いた比較図解。左側に「法務局=過料(お金)」、右側に「運輸支局=行政処分(事業停止リスク)」を配置し、右側のリスクの方が経営にとって巨大であることを示す天秤のイラスト。

生成用プロンプト: A conceptual illustration comparing two types of penalties. Left side: 'Legal Affairs Bureau' with a small money bag icon (Fine). Right side: 'Transport Bureau' with a large warning sign and a stopped truck icon (Business Risk). A balance scale shows the right side is much heavier and more dangerous. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme, trustworthy business atmosphere.

Alt属性: 運送業役員変更届期限切れ罰則比較過料と行政処分

過料だけではない?巡回指導や監査で致命傷になる理由

期限を過ぎてしまった場合、経営者は2種類の異なる「制裁」を受ける覚悟が必要です。多くの経営者が「数万円払えばいいのだろう」と軽く考えていますが、運送業においては、お金で解決できない「事業の停滞」こそが真のリスクとなります。

1. 法務局からの制裁:代表者個人への「過料」

まず、登記期限(2週間)を過ぎた場合、会社法第976条に基づき「100万円以下の過料」が科されます。実務上の相場としては、数ヶ月の遅れで数万円程度が一般的ですが、注意すべきは支払い義務者です。

この過料は会社に対する罰金ではなく、「手続きを怠った代表者個人」に対する制裁です。したがって、会社の経費(損金)として処理することは認められず、社長個人のポケットマネーから支払わなければなりません。税務調査でも指摘されるポイントですので、安易な法人支出は厳禁です。

2. 運輸支局からの制裁:監査・巡回指導での「行政処分」と「機会損失」

運送会社にとってより深刻なのがこちらです。変更届(30日以内)が出ていない状態は、貨物自動車運送事業法違反(届出義務違反)となります。

  • 巡回指導での評価ダウン:
    適正化実施機関による巡回指導では、「事業計画の変更・届出は適切か」という重点項目で「否」と判定されます。これが原因で総合評価が「D」や「E」になれば、運輸支局による監査の呼び水となり、最悪の場合、車両停止日車数のペナルティ(行政処分)へと発展します。
  • Gマーク(安全性優良事業所)への影響:
    行政処分を受ければ、当然Gマークの申請・更新は不可能となります。入札要件や優遇措置を失うことは、経営上の大きな痛手です。

3. 最大のリスク:「増車」や「更新」がストップする

私が現場で見てきた中で最も悲惨なケースは、罰則そのものではなく、「ビジネスチャンスの喪失」です。
例えば、急な新規案件が決まり、トラックを増やすための「増車申請」を運輸支局へ提出したとします。その審査過程で「あれ?登記簿上の役員と、過去に届出された役員が違いますね」と発覚した場合、その増車申請はストップします。

「まず過去の変更届を出して、法令違反状態を解消してください。審査はそれからです」と指導され、書類作成や遅延理由書の提出に追われている間に、納車日は過ぎ、最悪の場合、荷主からの契約を打ち切られる事態になりかねません。過去のツケが、未来の売上をブロックしてしまうのです。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

「数年前に辞めた平取締役の変更届を出し忘れていた」というだけで、繁忙期直前の5台増車申請が受理されず、パニックになったお客様がいらっしゃいました。運輸支局のシステムと法務局の登記情報は連動していませんが、何かしらの申請(増車、営業所移転、事業報告書)を出したタイミングで、担当官は必ず登記簿(履歴事項全部証明書)と照らし合わせます。つまり、役員変更漏れは「次のアクションを起こした時」に必ずバレて、足を引っ張るのです。

【リカバリー策】運輸支局へ提出する「遅延理由書」の書き方

期限(30日)を過ぎてしまった場合、通常の変更届出書類(表紙や添付書類)に加え、必ず「遅延理由書(ちえんりゆうしょ)」という追加書類を添付しなければなりません。これがなければ窓口で受理されず、出直しとなります。

多くの経営者が「どのような用紙に書けばいいのか?」と迷われますが、実は運輸支局指定の定型フォーマットは存在しません(一部地域を除く)。そのため、「A4用紙(縦)」にパソコン等で作成し、代表印を押印して提出するのが実務のスタンダードです。

1. 遅延理由書に盛り込むべき「3つの鉄則」

行政庁に対して「なぜ法律を守らなかったのか」を釈明する文書ですので、書き方には細心の注意が必要です。以下の3点を必ず構成に含めてください。

  • ① 事実の特定:「いつ」「誰が」「どのような役職に」変更になった届出が遅れたのか。
  • ② 遅延の理由(正直に):「業務多忙」は理由として弱すぎます。「法務局の登記手続きに時間を要し、登記完了をもって全ての手続きが終了したと誤認しておりました」や「前任担当者の退職に伴う引き継ぎ漏れにより、期限の管理ができておりませんでした」など、正直な経緯と反省を記します。ここで下手な嘘をつくのが最も危険です。
  • ③ 再発防止策(最重要):単なる謝罪では足りません。「今後は顧問行政書士に管理を委託します」や「社内のコンプライアンスマニュアルを改訂し、二重チェック体制を敷きます」といった、二度と同じミスを繰り返さないための具体的対策を宣言してください。

2. 窓口での提出マナーと心構え

書類が整ったら、管轄の運輸支局(輸送担当)へ提出します。郵送も可能ですが、大幅に遅れている場合や、事情が複雑な場合は、窓口へ直接出向いて謝罪の意思を示すのが賢明です。

窓口では「遅れて申し訳ありません。気付いてすぐに作成しました」と、誠実な態度で提出してください。担当官から小言を言われることもありますが、反論は厳禁です。行政側も「自主的に申し出てきた事業者」に対しては、いきなり処分を下すよりも、是正を促す対応(指導)に留めるケースが多いため、素直さが身を助けます。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

遅延理由書は必ず「2部(提出用と会社控え用)」作成し、両方に受付印をもらってください。将来、巡回指導が入った際に「なぜこの時の届出は日付がズレているのか?」と指摘される可能性があります。その際、「実は遅延してしまい、このような理由書と共に正規に受理されました」という証拠(受付印付きの理由書控え)があれば、適正化指導員に対しても「すでに解決済みの案件である」と証明でき、再度の追及を避けられます。

【完全実務】役員変更届に必要な添付書類と作成手順

遅延理由書の準備ができたら、次は「本丸」となる届出書類一式を作成します。ここで多くの経営者が陥るミスは、「法務局に提出した書類の控えをそのまま出せばいい」という勘違いです。

運送業の役員変更届には、運送業法独自の様式である「宣誓書」や、法務局では不要だった「欠格事由の確認」が含まれます。これらは既存書類のコピーでは代用できず、新たに作成しなければなりません。本章では、窓口で「書類不足です」と突き返されないための、完璧な提出セットの作り方を解説します。

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推奨画像: デスク上に整理された3つの重要書類のアイコンイラスト。「1. 変更届出書」「2. 履歴事項全部証明書(原本)」「3. 宣誓書」が並び、チェックマークがついている様子。

生成用プロンプト: A flat lay illustration of three specific business documents on a desk. 1. 'Application Form', 2. 'Certificate of Registry (Original)', 3. 'Written Oath'. Each document has a green checkmark indicating readiness. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme, trustworthy business atmosphere.

Alt属性: 運送業役員変更届必要書類チェックリスト宣誓書原本

必須書類リスト:履歴事項全部証明書(原本)と宣誓書の注意点

運輸支局へ提出する「役員変更届出書」には、事実を証明するための添付書類が義務付けられています。ここで最大の注意点は、税務署や労働基準監督署への届出とは異なり、「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の原本」の提出が求められる点です。

「コピーで済ませて、原本は会社に保管しておきたい」という経営者様の心理は理解できますが、運送業法の手続きにおいて、登記内容の証明は原本でなければ受理されません(※窓口提示で還付可能な場合もありますが、郵送等の場合は原則提出となります)。また、新役員が法的にクリーンであることを証明する「宣誓書」も、独自様式での作成が不可欠です。以下に、不備なく一発で受理されるための必須書類リストを公開します。

まず、管轄の運輸支局に関わらず、必ず提出が求められる「4点セット」を確認します。これらが揃っていなければ、審査のテーブルにすら乗れません。

  • 1. 役員変更届出書(表紙):運輸支局の様式。「変更の日」は登記簿上の就任日と合わせます。
  • 2. 履歴事項全部証明書(原本):発行から3ヶ月以内のもの。コピーは原則不可です。新役員の就任が登記されていることを確認してください。
  • 3. 役員名簿:全役員の氏名(フリガナ)、役職、常勤・非常勤の別を記載します。
  • 4. 宣誓書(重要):新しく就任した役員が「法的な欠格事由」に該当しないことを誓う書類です。

特に「宣誓書」の不備には要注意

添付書類の中で最も差し戻しが多いのが宣誓書です。これは「私は懲役刑などを受けておらず、運送業の役員としてふさわしい人間です」と行政庁に約束する重い書類です。

よくある間違いは、既存の役員の名前で作成してしまうケースですが、原則として「新任・再任を含む現在の全役員分」または「新しく就任した役員分」の提出が求められます(※管轄により運用が異なるため、全役員分提出するのが無難です)。また、ここでの押印は会社の実印ではなく、「各役員個人の印鑑(認印)」が必要となるケースが大半ですので、書類作成時には新役員本人の協力が不可欠です。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

履歴事項全部証明書を取得する際、ケチって「一部事項証明書(抄本)」を取る方がいますが、これはNGです。運輸支局は「誰が辞めて、誰が入ったか」の整合性をチェックするため、必ず「履歴事項全部証明書」である必要があります。また、複数部数(銀行用、社会保険用、運輸支局用)をまとめて取得しておくと、法務局へ行く手間が省けます。

新役員が「欠格事由」に該当したら許可取消?第5条の鉄則

役員変更手続きにおいて、最も恐ろしい落とし穴。それが「貨物自動車運送事業法第5条(欠格事由)」です。
書類の書き間違いや期限遅れは「修正・始末書」で済みますが、この欠格事由だけは、該当した瞬間に「運送業許可の取消し(事業廃止)」という、取り返しのつかない結末を招きます。

たった一人の過去が、会社全体を連座させる

運送業法では、「役員のうち一人でも」欠格事由に該当する者がいる場合、その会社は許可を受けることができないと定めています(第5条)。そして、すでに許可を持っている会社であっても、事後的に欠格事由に該当する役員が就任すれば、法第33条に基づき許可を取り消さなければならない(必要的取消)という非常に厳しいルールが存在します。

つまり、社長であるあなたが潔白でも、新しく入れた平取締役や監査役に「隠れた過去」があれば、会社ごとその運送免許を剥奪されるのです。

絶対にチェックすべき「魔の3要件」

特に注意が必要な欠格事由は以下の3点です。新役員候補者に対し、就任前に必ず確認をとってください。

  • 1. 懲役刑・禁錮刑の経歴:
    罪名(交通事故、詐欺、暴行など)を問わず、懲役または禁錮の刑を受け、その執行が終わってから(または執行を受けることがなくなってから)5年を経過していない者
  • 2. 運送業法違反での処分歴:
    過去に他の運送会社で役員をしていて、その会社が許可取消処分を受けた場合、取消しから5年を経過していない者
  • 3. 執行猶予期間中の者:
    ここが盲点です。「刑務所には行っていないから大丈夫」ではありません。執行猶予期間中は「刑の言渡しを受けている状態」であるため、欠格事由に該当します(※執行猶予が満了すれば、直ちに欠格事由から外れます)。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

「市役所で取る『身分証明書』で前科もわかりますよね?」とよく聞かれますが、これは大きな間違いです。市役所の証明書は「破産手続き中」などを証明するもので、前科・前歴は記載されません。
つまり、行政側も申請時点では自己申告(宣誓書)を信じるしかないのですが、後日、警察とのデータ照合や密告等で発覚した場合、「虚偽申請」としてさらに罪が重くなります。親族や友人であっても、就任前には「過去5年以内に警察沙汰はないか?」と真剣なトーンで確認すること。これが経営者の責任です。

役員変更に伴う「連動手続き」の漏れに注意

ここまで、役員変更に伴う登記と届出について解説してきましたが、実はこれで終わりではありません。運送業の経営において最も見落とされがちなのが、役員変更が引き金となって発生する「資格者・管理者の連動手続き」です。

特に中小規模の運送会社では、取締役が「運行管理者」や「整備管理者」を兼務しているケースが多々あります。もし、退任する役員がこれらの重要ポストを兼ねていた場合、役員変更届とは別に「管理者の解任・選任届」を提出しなければなりません。これを忘れると、監査において「管理者不在(=重大な欠格事項)」とみなされ、最悪の場合、事業停止処分の対象となります。本章では、役員人事とセットで確認すべき必須チェックポイントを解説します。

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推奨画像: ドミノ倒しのイラスト。最初のドミノ(役員変更)が倒れると、次のドミノ(運行管理者変更)、その次(整備管理者変更)へと連鎖していく様子を表現し、手続きの連動性を視覚化。

生成用プロンプト: A concept illustration of falling dominoes representing business procedures. The first domino is labeled 'Officer Change', knocking over the second domino 'Operation Manager', and the third 'Maintenance Manager'. Visualizing the chain reaction of legal procedures. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme, trustworthy business atmosphere.

Alt属性: 運送業役員変更運行管理者選任届連動手続きドミノ

運行管理者・整備管理者を兼任している場合の変更届

ここで、ベテランの運送会社様でも見落とす致命的なミスをお伝えします。それは、「役員変更届を出しても、運行管理者や整備管理者の登録情報は自動更新されない」という事実です。

特に小規模な事業所では、社長や取締役が「運行管理者」や「整備管理者」を兼任しているケースが一般的です。もし、これらの資格を持つ役員が退任したり、転勤で営業所にいなくなったりした場合、役員変更届とは別に、以下の手続きがセットで必要になります。

  • 運行管理者(または補助者):選任・解任届出書
  • 整備管理者(または補助者):選任・解任届出書

もし、この手続きを忘れて「退職した役員が運行管理者のまま」になっていると、監査では「運行管理者不在」という極めて悪質な違反と判定されます。これは是正勧告では済まず、「30日間の事業停止」など、会社存続に関わる行政処分直結の違反です。

「役員が変われば、現場の指揮官も変わる」。この連動性を常に意識し、退任する役員が何の資格者として登録されているか、必ず確認してください。

📝 あわせて読みたい(実務解説)

運行管理者や整備管理者の変更手続きは、役員変更以上に添付書類や要件が複雑です。具体的な記入例や必要書類については、以下の完全ガイドをご確認ください。
👉 【図解】運行管理者・整備管理者の選任・解任届出書の書き方と必要書類マニュアル

[比較表] 役員変更を「自分でやる」vs「行政書士に頼む」

「役員変更くらい、法務局で書き方を聞けば自分でできる」
コスト意識の高い経営者様がそう考えるのは自然なことです。実際、時間さえかければ、登記申請自体はご自身でも可能です。

しかし、運送業の経営において重要なのは「登記ができるか」ではなく、「その変更が、会社が持つ『全ての許認可』と整合性が取れているか」という点です。運送業に加え、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可をお持ちの場合、一つの役員変更が複数の役所へ波及し、それぞれ異なる期限と添付書類が求められます。本章では、目先の代行費用だけでなく、万が一のミスが生んだ時の「損害額」を含めたトータルコストを比較します。

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推奨画像: 氷山のイラスト(Iceberg model)。水面上の「目に見えるコスト(専門家報酬)」は行政書士が高いが、水面下の「見えないコスト(自分の作業時間、修正の手間、法的なリスク、他許可への悪影響)」を含めると、DIYの方が巨大であることを示す図解。

生成用プロンプト: An iceberg infographic comparing 'DIY' vs 'Hiring a Pro'. Left side (DIY): Small visible cost, but huge hidden underwater mass labeled 'Time Loss', 'Risk', 'Legal Mistakes'. Right side (Pro): Visible fee, but zero hidden risks. Visualizing the hidden cost of doing it yourself. Style: Professional minimalist flat illustration, reliable corporate blue and white color scheme, trustworthy business atmosphere.

Alt属性: 役員変更行政書士費用対効果DIYリスク比較

社会保険・建設業許可など「他法令」との整合性リスク

「運送業の届出は30日以内だから、来週ゆっくりやればいい」。その判断が、別の許可証を失効させる引き金になることがあります。
多くの運送会社様は、建設業や産業廃棄物収集運搬業を兼業されていますが、それぞれの法律が定める「期限」は全く異なります。ここに、縦割り行政の最大の罠があります。

1. 【要注意】期限が「運送業より短い」手続き

運送業法(30日)の感覚でいると、以下の手続きで確実に期限オーバーとなります。

  • 産業廃棄物収集運搬業許可:役員変更から「10日以内」(廃棄物処理法)。
    ※運送業の準備をしている間に、産廃の期限は過ぎてしまいます。
  • 社会保険(年金事務所):被保険者資格取得届は「5日以内」
    ※新役員が社会保険に加入する場合、就任即手続きが必要です。

2. 建設業許可への「致命的な飛び火」

もし、退任する役員が建設業許可における「経営業務の管理責任者(経管)」「専任技術者」として登録されていた場合、事態は深刻です。
単なる役員変更届ではなく、後任者を確保し、その実務経験を証明する膨大な資料を揃えて「交代の承認」を得なければ、建設業許可そのものが維持できなくなります。これを考慮せずに安易に登記をしてしまうと、後戻りできない状態で許可要件を欠くことになります。

3. 複数役所間の「整合性」というパズル

「運輸支局にはAと報告し、県庁(建設業)にはBと報告し、年金事務所にはCと報告する」。
ご自身で手続きをされる方が無意識にやってしまうミスです。例えば、運輸支局では「常勤役員」として登録したのに、年金事務所では社会保険料をケチるために「非常勤(社保未加入)」扱いにしていれば、それは明白な虚偽であり、調査が入れば一発で露見します。

行政書士に依頼する最大のメリットは、この「全方位的な整合性」を担保できる点にあります。4万円程度の電子定款作成費用や数万円の報酬は、これら複数の許認可を人為的ミスから守るための「保険料」として捉えていただければ、決して高い投資ではありません。

⚠️ 【警告】自己判断のリスクと「見えないコスト」

「自分でやれば無料」は間違いです。定款の不備による再申請の手間、10日・30日という異なる期限管理、そして何より「本業に集中できない時間的損失」は計り知れません。社長の時給はいくらですか? 書類作成に数日を費やすより、営業や採用にその時間を使う方が、会社にとって利益になるはずです。

【毎月3名様限定】役員変更の期限切れ・不備をプロが解決します

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