運送業の許可

【記入例】整備管理者の実務経験証明書|書き方と「ハンコが貰えない時」の対処法

【結論】整備管理者の実務経験証明書とは?
実務経験証明書とは、整備士資格を持たない従業員を整備管理者に選任するための「唯一のパスポート」です。単なる過去の記録ではなく、御社のトラックが明日から適法に走行できるか、それとも運行停止になるかを決める、極めて重い法的効力を持つ書類です。

行政書士 小野馨
こんにちは!
運送業許可専門・行政書士の小野馨です。
今回は、多くの事業者様が頭を抱える「整備管理者の実務経験証明書」の書き方と、印鑑トラブルの解決策についてお話します。

「整備士の資格を持っている社員がいない。ベテランのドライバーを整備管理者にしたいが、証明書の書き方がわからない」

「以前勤めていた運送会社での経験を証明したいが、その会社はすでに倒産していて連絡がつかない……」

このような壁にぶつかり、選任届の手続きがストップしていませんか?
整備管理者は、緑ナンバーの命運を握る「要(かなめ)」の役職です。しかし、実務経験の証明方法を一つ間違えれば、窓口で受理されないばかりか、最悪の場合、虚偽記載として監査で処分対象となるリスクすらあります。

この記事では、行政書士として5000社以上を支援してきた経験から、運輸支局が一発で受理する「証明書の書き方(記入例)」と、ハンコが貰えない場合の「倒産時の裏技的対処法」まで、実務の核心を包み隠さず公開します。

⚠️ 注意:この証明書の日付と「選任前研修」の受講順序を間違えると、書類はただの紙切れになります。手続きのやり直しでトラックを止めないために、必ず最後までご確認ください。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 整備士資格なしで選任されるための「2年」の計算ルール
  • ✅ 運輸支局が好む「職務内容」の具体的キーワード(記入例)
  • ✅ 前職の会社が倒産・拒否! ハンコがない時の解決策
  • ✅ 9割が陥る「選任前研修」との時系列ミス回避法

整備管理者の「実務経験証明書」とは?(資格なしの必須書類)

整備管理者の「実務経験証明書」とは、国家資格である「3級以上の自動車整備士」の資格を持たない従業員を、整備管理者に選任するために不可欠な法定書類です。道路運送車両法に基づき、資格を持たない者が車両管理の責任者となる場合、「2年以上の実務経験」と「選任前研修の修了」の2点が絶対要件として課されています。

具体的には、運送会社やガソリンスタンド、整備工場等において、点検・整備や車両管理の補助業務に「通算24ヶ月以上」従事した事実を、事業主(当時の代表者など)が証明する必要があります。この書類は単なる形式的なメモではなく、虚偽があれば行政処分の対象となる重要書類です。なお、もし候補者が3級以上の整備士資格をお持ちであれば、本証明書は一切不要です。直ちに「技能検定合格証書の写し」をご用意ください。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [比較図解] 左側に「整備士資格あり(免許証)」=証明書不要、右側に「資格なし(実務経験)」=証明書+研修が必要、という分岐フローチャート。

生成用プロンプト: Flowchart comparison illustration, left side shows a mechanic license card with a green checkmark indicating "No Certificate Needed", right side shows a silhouette of a worker with a document icon and a training seminar icon indicating "Certificate & Training Required", simple and clear infographic style, professional corporate blue and white colors.

Alt属性: 整備管理者 実務経験証明書 必要不要 チャート

では、具体的にどのような資格があれば免除されるのか、また「2年」の期間はどのように計算すれば認められるのか、審査基準のボーダーラインを詳しく解説します。

3級以上の「整備士資格」があれば実務経験は不要

もし、選任予定者が「1級・2級・3級の自動車整備士技能検定」に合格している場合、今すぐ実務経験証明書の作成をストップしてください。この場合、実務経験の証明は法令上免除されます。

有資格者は、無資格者に課される「2年以上の実務経験」と「選任前研修」という2つのハードルを、その国家資格のみでクリアできます。つまり、過去の勤務先からハンコをもらう必要も、研修の予約待ちをする必要もありません。

手続きに必要なのは、「技能検定合格証書の写し(コピー)」だけです。選任届出書の添付書類としてこれを提出すれば、即日で受理されます。ただし、手元にあるのが「整備士手帳」のみで合格証書が見当たらない場合は、再発行に時間がかかるため、早急に各都道府県の自動車整備振興会へお問い合わせください。

【期間】アルバイトも含む?「2年以上」の実務経験の計算式

結論から言えば、雇用形態がアルバイトやパートであっても、実務経験として認められます。また、一つの会社で2年以上勤務している必要はなく、複数の会社での経験を「通算(足し算)」して2年以上あれば要件を満たします。

運輸支局の審査において重要視されるのは、「正社員だったか」という地位ではなく、「実際に車両の点検・整備や管理の補助を行っていたか」という事実です。したがって、以下のケースでも、期間を合算して「24ヶ月以上」になれば有効です。

  • ケースA:運送会社でのトラックドライバーとしての日常点検期間
  • ケースB:ガソリンスタンドや自動車整備工場での点検・整備アルバイト期間
  • ケースC:レンタカー会社での車両管理・点検業務期間

計算の最小単位は「1ヶ月」です。例えば、A社で「1年(12ヶ月)」、B社で「10ヶ月」の場合、合計22ヶ月となり、あと2ヶ月不足するため受理されません。この場合、現在の会社での経験が2ヶ月に達するまで待つ必要があります。

また、意外と知られていませんが、自家用車(白ナンバー)を使用する営業車等の管理経験も、業務として明確に点検整備を行っていたのであれば、経験期間に算入できる可能性があります(※管轄の運輸支局により判断が厳格な場合があるため、白ナンバー経験を含める場合は事前の窓口相談を推奨します)。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

「重複期間」の引き算忘れに注意!
よくある失敗が、転職時の「在籍期間の被り」です。前の会社を有給消化中で、次の会社で試用期間として働き始めた場合、この重複している1ヶ月間は「ダブルカウント」できません。単純に足し算してしまうと、審査で「実質1ヶ月足りない」と指摘され、その場で却下される事例が多発しています。計算は必ずカレンダーベースで行ってください。

【記入例】運輸支局が一発受理する「実務経験証明書」の書き方

実務経験証明書は、国土交通省が定める様式(またはそれに準ずるもの)に従って作成する必要があります。住所や氏名などの基本情報は住民票通りに記載すれば問題ありませんが、審査で最も厳しくチェックされるのが「職務内容」の欄です。

単に「運送業務に従事」や「トラック運転手」と書くだけでは不十分です。「運転業務の中に、整備管理に関する実務が含まれていたこと」を客観的に読み取れる記述でなければ、窓口で突き返されてしまいます。書き直しになれば、会社に戻って代表印をもらい直すという多大なロスが発生します。

本章では、訂正印だらけの書類にならないよう、運輸支局の審査官が求めている「正解の記載例」を項目別に解説します。特に、これから紹介する「魔法のキーワード」をそのまま使えば、審査はスムーズに通過します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [記入例の全体図] 実務経験証明書の様式(T-4号様式等)の見本画像。赤枠で「期間」「職名」「職務内容」を囲み、注釈を入れたもの。

生成用プロンプト: Official Japanese government document style form "Certificate of Practical Experience", clean layout, focus on three highlighted sections in red boxes: "Period", "Job Title", and "Job Description", minimal and professional design.

Alt属性: 整備管理者 実務経験証明書 記入例 様式

【記載手順】審査に通る「職務内容」の具体的キーワード(日常点検等)

実務経験証明書の「職務内容」欄は、審査官が最も目を光らせる箇所です。ここには、あなたが過去に「具体的にどのような整備・管理業務に関わっていたか」を記述する必要があります。

最大の落とし穴は、事実だからといって「トラックの運転業務」や「配送業務」とだけ書いてしまうことです。これでは「ただ運転していただけで、整備の経験はない」と判断され、即座に却下されます。整備管理者に求められるのはハンドルの技術ではなく、車両の安全を守る技術と管理能力です。

以下に、運輸支局の審査を確実にクリアするための「5つの鉄板キーワード」を公開します。これらをあなたの実際の実務に合わせて組み合わせ、記述してください。

1. 必須キーワード:「日常点検の実施」

これは必ず含めてください。トラックドライバーであれば、出発前の日常点検(タイヤの空気圧、ライトの点灯確認など)は義務として行っていたはずです。「日常点検」という言葉が入っていないと、整備の基礎経験がないとみなされます。

2. 管理系キーワード:「定期点検整備の管理(または補助)」

3ヶ月点検や車検(12ヶ月点検)に関わっていたことを示します。自身が整備士でなくても、「いつ点検に出すか」のスケジュール管理や、整備工場への入庫・出庫の立ち会い、整備済み車両の確認を行っていたのであれば、それは立派な「管理実務」です。「実施」と書くと無資格整備を疑われるリスクがあるため、「管理」や「補助」と書くのが実務上のテクニックです。

3. 事務系キーワード:「点検整備記録簿の管理・保存」

整備管理者の重要な仕事の一つに、書類管理があります。点検記録簿(記録簿)のファイリングや確認を行っていた経験は、管理者としての適性を強くアピールできます。

4. 補足キーワード:「油脂類・消耗部品の管理」

エンジンオイル、タイヤ、ウィンドウォッシャー液などの在庫管理や発注業務です。これも車両維持に不可欠な業務であり、有効な実務経験としてカウントされます。

【そのまま使える! 推奨記入例】
これらを組み合わせた、最も安全な記述例は以下の通りです。

「事業用自動車の日常点検の実施、定期点検整備のスケジュール管理、および点検整備記録簿の保存・管理業務に従事。」

このように、「点検(現場)」と「管理(事務)」の両方の要素を盛り込むことで、審査官は「この人は現場も書類も分かっている」と判断し、スムーズにハンコを押してくれます。逆に、「車両管理全般」のような曖昧すぎる表現は、「具体的に何をしていたのですか?」と突っ込まれる原因になるため避けてください。

💡 行政書士の現場メモ(職名欄の書き方)

「職名」の欄に「運転手」と書くことに抵抗がある経営者様が多いですが、実は「運転手 兼 整備管理補助者」のように併記するのがベストです。
単に「運転手」だと整備経験が読み取れず、「事務員」だと現場経験が疑われます。実態としてドライバー兼任で管理を行っていたのであれば、その通りに「兼務」であることを明記しましょう。これにより、職務内容との整合性が取れ、審査官の心証が格段に良くなります。

【自己証明】「代表取締役」自身の経験を証明する際の特例ルール

設立間もない運送会社では、代表取締役ご自身が整備管理者・運行管理者を兼務するケースが非常に多くあります。この際、最大の疑問となるのが「社長が自分の実務経験を証明する場合、誰のハンコを押せばいいのか?」という点です。

答えは、「自社の代表印(実印)」で問題ありません。形式上は「自分から自分へ」の証明に見えますが、法律上は「法人(会社)」が「自然人(個人)」の経験を証明するという構造になるため、法的に完全に有効です。

証明者欄には「株式会社〇〇 代表取締役 〇〇〇〇」と記載し、法務局に登録している会社の代表者印を押印してください。被証明者欄(選任される人)にも同じ氏名を書くことになりますが、全く問題なく受理されます。ただし、ここで個人の認印(三文判)を使ってしまうと、「会社の証明」として認められず却下されるためご注意ください。

複数の会社での経験を合算する場合の作成術

「前の会社で1年、今の会社で1年」のように、複数の会社での経験を足し合わせる場合は、「実務経験証明書を2枚(会社ごとに1枚ずつ)」作成する必要があります。

1枚の用紙に複数の会社の履歴をまとめて書くことはできません。それぞれの会社ごとに証明権限が異なるためです。

  • 1枚目:前職のA社に依頼し、A社の代表印をもらう(期間:平成〇年~令和〇年)
  • 2枚目:自社(B社)で作成し、自社の代表印を押す(期間:令和〇年~現在)

この2枚をセットにして窓口に提出し、合計期間が24ヶ月を超えていれば要件クリアとなります。「前の会社は辞めているから頼みづらい」という場合でも、法的にはその期間の証明が必要ですので、円満に退社している場合は素直に依頼するのが最短ルートです。

【トラブル】前の会社から「証明印」が貰えない時の対処法

実務経験証明書の作成において、最も高いハードルとなるのが「過去の勤務先からハンコ(代表印)を貰えない」というケースです。

「倒産して会社自体が消滅している」「当時の社長と連絡がつかない」「喧嘩別れをして捺印を拒否された」。現場ではこうした相談が後を絶ちません。原則として、証明者がいない期間は実務経験としてカウントされませんが、例外的に公的書類を組み合わせることで、証明印の代わりとして認められる救済措置が存在します。

ただし、これはあくまで「会社が存在しない場合」などの特例であり、単に「頼みづらいから」という理由では適用されません。本章では、行政書士が実際に用いる「閉鎖事項全部証明書」を使った立証テクニックと、どうしても証明できない場合の引き際(リスク管理)について解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [イメージ図] 廃墟となったオフィス(倒産)や、電話が繋がらない様子。その横に「閉鎖事項全部証明書」という書類が光って解決策を示しているイラスト。

生成用プロンプト: Conceptual illustration of business bankruptcy, a dusty abandoned office, next to it a glowing official document labeled "Closed Registry Certificate" in Japanese, symbolizing a legal solution, dark to bright gradient, professional flat style.

Alt属性: 整備管理者 実務経験証明書 倒産 ハンコがない

【反証証明】会社が「倒産・閉鎖」している場合の閉鎖謄本活用術

勤務していた会社が倒産・廃業し、法務局での登記が閉鎖されている場合、当然ながら代表印を押せる人物は存在しません(※清算人が登記されている場合を除く)。しかし、この「物理的にハンコが貰えない状態」を客観的に証明できれば、特例として実務経験が認められる道が開かれています。

運輸支局にこの特例を認めさせるためには、口頭での説明ではなく、以下の「3つの代替証拠書類」をセットで提出し、外堀を埋める必要があります。

1. 会社が存在したことの証明:「閉鎖事項全部証明書」

まず、法務局(登記所)に行き、その会社の「閉鎖事項全部証明書(または閉鎖登記簿謄本)」を取得します。これには「〇年〇月〇日 破産手続き開始」や「解散」といった記録が公的に刻まれています。
これにより、「ハンコを貰いたくても、会社自体が消滅しているため不可能である」という事実を、国に対して法的に立証できます。手数料は600円程度で、誰でも取得可能です。

2. 在籍の事実証明:「公的機関が発行した記録」

会社が消滅している以上、あなたがそこで働いていたことを会社は証明してくれません。そこで、第三者(国や自治体)が発行した書類で「在籍期間」を証明します。

  • 年金定期便や被保険者記録照会回答票:厚生年金の加入記録に会社名と期間が記載されています。
  • 雇用保険被保険者証の履歴:ハローワークで取得可能です。
  • 源泉徴収票(過去分):税務上の書類として強力な証拠になります。
  • 運転記録証明書:自動車安全運転センターで発行。事業用自動車の運転履歴に会社名が残っている場合があります。

これらの中から可能な限り多くの書類を集め、「間違いなくこの期間、この会社に在籍していた」という事実を固めます。

3. 事情説明:「理由書(申立書)」の作成

最後に、上記の書類だけでは証明しきれない「具体的な整備業務の内容」について、申請者自身が作成する「理由書」を添付します。
決まった様式はありませんが、「当該法人は〇年に倒産し、代表者とも連絡不通のため証明印が得られない」旨と、「在籍時は日常点検および定期点検の管理を行っていた」旨を宣誓し、現在の会社の代表印を押印して提出します。

⚠️ 重要:必ず「窓口への事前相談」を行ってください

この「倒産特例」は、書類を郵送すれば自動的に通るものではありません。必ず管轄の運輸支局(整備課・保安担当)へ事前に電話をし、「前の会社が倒産しており証明印が貰えないため、代替書類での申請を相談したい」と伝えてください。

担当官の指示を仰ぎ、指定された書類を持参することで、受理される確率は格段に上がります。いきなり窓口に持ち込むと、「証拠不十分」として門前払いされるリスクが高いため、ここだけは慎重に進めてください。

【限界証明】連絡不能・拒否された場合の「源泉徴収票」の効力と限界

前の会社が倒産しておらず現存している場合、残念ながら「源泉徴収票」や「年金記録」だけで実務経験証明書の代わりとすることは、原則として認められません。

なぜなら、これらの公的書類はあくまで「その会社に在籍していた事実」と「給与額」を証明するものであり、「整備管理の実務を行っていた事実」までは証明できないからです。会社が存在している以上、運輸支局は「民事不介入」のスタンスを取ります。「ハンコを貰えないのは当事者間の問題(労働争議など)であり、役所は関知しない。正規の証明書を持ってきてください」というのが、窓口の基本的な対応です。

ここで絶対にやってはいけないのが、連絡がつかないからといって、「100円ショップで印鑑を買ってきて自分で押す」行為です。これは刑法の「有印私文書偽造罪」にあたる犯罪行為です。運輸支局はプロですので、印影の違和感や筆跡ですぐに見抜きます。もし発覚すれば、選任届が受理されないだけでなく、会社の信用失墜、最悪の場合は刑事告発されるリスクすらあります。

では、どうすればよいのでしょうか。行政書士としての現実的なアドバイスは以下の2点です。

  • 粘り強く交渉する:菓子折りを持って訪問する、あるいは共通の知人を介して依頼するなど、感情論を排して「書類作成への協力」だけをお願いする。
  • 諦めて別の人選を行う:交渉が決裂した場合、その期間の証明は潔く諦めてください。無理に証明しようと時間を浪費するより、外部委託を検討するか、別の有資格者を採用する方が、経営判断として遥かに低コストで安全です。

絶対に間違えてはいけない「選任前研修」との時系列の罠

実務経験証明書が無事に完成しても、まだ安心はできません。実は、DIY(自社)で申請を行う事業者の約3割が、この後の「日付の順序」で致命的なミスを犯し、書類一式を作り直す羽目になっています。

その鉄則とは、「実務経験の期間満了日」は、「選任前研修の受講日」よりも前でなければならないというルールです。

法律上、選任前研修は「整備管理者の要件(実務経験など)を満たした者」が、選任される直前に受けるものと位置づけられています。つまり、実務経験が2年に達していない段階(例えば1年11ヶ月目)で研修をフライング受講しても、その時点では「受講資格なし」とみなされ、研修修了証が選任届に使えないケース(無効)が発生します。この「時系列のパラドックス」は、行政の窓口で最も厳格に指摘されるポイントです。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [時系列タイムライン図解] 左から右へ矢印。「①実務経験2年完了(3月31日)」→「②選任前研修受講(4月15日)」→「③選任届出(4月20日)」という正しい順序を青色で表示。下にNG例として研修が先に来ているパターンを赤色×で表示。

生成用プロンプト: Timeline infographic showing the correct legal sequence for Maintenance Manager appointment. Step 1: 2 years experience completed (Blue), Step 2: Training Course (Green), Step 3: Official Notification (Orange). Clearly cross out an incorrect timeline where Training comes before Experience. Minimalist corporate style.

Alt属性: 整備管理者 選任前研修 順番 図解

【手順証明】「証明書作成」の後に「研修受講」をしないと無効になる

実務経験証明書を作成する際、絶対に守らなければならない「鉄の掟」があります。それは、「実務経験期間の満了日」は、必ず「選任前研修の受講日」よりも過去の日付でなければならないというルールです。

多くの経営者様が、「研修の予約はすぐに埋まるから、とりあえず先に受講させておこう」と考え、経験年数が2年に達する前(例:1年10ヶ月目)に従業員を研修に行かせてしまいます。しかし、これは法的に大きな誤りです。

なぜ「フライング受講」は認められないのか?

整備管理者選任前研修は、あくまで「整備管理者の要件(実務経験や資格)を既に満たしている者」を対象とした研修です。つまり、研修を受ける時点で、その受講者はすでに「2年以上の実務経験」を完了していなければなりません。

運輸支局の窓口では、以下の2つの日付を厳密に照合します。

  • A:実務経験証明書の「期間」欄の終了日(至 〇年〇月〇日)
  • B:選任前研修修了証の「交付日」(〇年〇月〇日)

このとき、もし「Aの日付 > Bの日付」(研修を受けた後に実務経験が終わっている)となっていた場合、その研修修了証は「資格要件を満たしていない状態で受けたもの」とみなされ、選任届の添付書類として無効になります。
結果として、もう一度研修を予約し直し、再受講しなくてはならず、数ヶ月単位でトラックを動かせない期間が発生します。

正しいスケジュールの組み方

最短で手続きを進めるための正しい順序は以下の通りです。

  1. 実務経験の完了:まず、通算24ヶ月の実務経験を満たすまで勤務する。
  2. 証明書の作成:期間満了日以降の日付で証明書を作成し、ハンコをもらう。
  3. 研修の申し込み:完成した(または完成見込みの)証明書を手元に置き、研修を予約する。
  4. 研修受講・選任:研修修了証を受け取り、即座に選任届を提出する。

もし現在、従業員の経験期間がギリギリの場合は、焦って研修を予約せず、確実に24ヶ月が経過する日を計算してから、その日以降に開催される研修日程を押さえてください。「急がば回れ」が、最短受理への唯一の道です。

💡 行政書士の現場メモ(研修修了証の有効期限)

逆に、「昔受けた選任前研修の修了証は使えるのか?」という質問もよく頂きます。
多くの運輸支局では、選任前研修修了証に厳密な有効期限を設けていません(※一部地域を除く)。しかし、実務経験証明書の日付との整合性は問われます。
例えば「5年前に実務経験2年を完了し、その直後に研修を受けたが、今まで選任していなかった」というケースであれば、順序は守られているため原則として有効です。ただし、あまりに期間が空いている場合は「知識の再確認」として再受講を行政指導されることもあるため、事前に管轄の運輸支局へ確認することをお勧めします。

【添付書類】選任届には「研修修了証」の原本提示が必須

実務経験証明書が完成したら、いよいよ運輸支局への提出です。この際、必ずセットで提出しなければならないのが、先ほど解説した「選任前研修修了証の写し(コピー)」です。

ここで一つ、非常に重要な注意点があります。提出するのは「コピー」ですが、窓口では「修了証の原本」の提示を求められるケースがほとんどです。

これは、コピーによる偽造や変造(日付の改ざん等)を防ぐための「原本照合」の手続きです。もし原本を会社に忘れてきてしまうと、どんなに事情を説明しても受理されず、取りに帰ることになります。必ず「原本」と「コピー」をセットで持参してください。

【提出書類チェックリスト(一般貨物の場合)】
管轄によって若干異なりますが、基本セットは以下の通りです。

  • 整備管理者選任届出書(鑑+別紙)
  • 実務経験証明書(本記事で作成したもの)
  • 選任前研修修了証(写し提出・原本提示)
  • (※確認用)整備士手帳など(資格者の場合のみ)

なお、よくある質問として「履歴書や住民票は必要ですか?」と聞かれますが、現在の運用では、整備管理者選任届において履歴書や住民票の添付は原則不要です(※ただし、事業用自動車の変更登録等を同時に行う場合は別途必要になることがあります)。

余計な書類を用意して個人情報を提出する必要はありません。必要なものだけを、漏れなく揃えて窓口へ向かってください。

【経営判断】運行管理者との兼任と外部委託の選択肢

運送業の経営において、人材の確保と人件費の抑制は永遠の課題です。「ギリギリの人数で回しているため、一人の社員に複数の役職を任せたい」「どうしても社内に条件を満たす適任者がいない」というご相談を、私も数多く頂きます。

法律上の結論を申し上げますと、一定の条件下において、「整備管理者と運行管理者の兼任」は可能ですし、社外の有資格者に依頼する「外部委託」も認められています。

これらを活用すれば、大幅なコスト削減や急場の人員補充が可能になります。しかし、そこには「業務過多による事故リスク」や「名義貸しとみなされる監査リスク」という落とし穴も潜んでいます。本章では、経営者が知っておくべき兼任・委託の「法的ルール」と、安易な判断で許可を取り消されないための防衛策について解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: [比較イラスト] 左側に「兼任(一人二役)」でコストダウンして喜ぶ社長の図。右側に「外部委託(アウトソーシング)」で握手をしている図。その中央に「法的要件」という天秤(バランス)が描かれている。

生成用プロンプト: Business strategy illustration split in two. Left: A manager wearing two hats (Operation & Maintenance) symbolizing cost saving. Right: Shaking hands with an external expert symbolizing outsourcing. Center: A scale labeled "Legal Requirements" balancing the two options. Professional flat design.

Alt属性: 整備管理者 運行管理者 兼任 外部委託

【コスト実利】「運行管理者」との兼任による人件費削減

小規模な運送会社において、一人の従業員(または役員)が「運行管理者」と「整備管理者」を兼任することは、法的に何ら問題ありません。

実際に、車両台数が10台〜20台程度の営業所では、社長や所長クラスの人材が「一人二役」をこなすケースが一般的です。これにより、それぞれ専任の担当者を雇う場合と比較して、年間数百万円規模の人件費を適法に削減できる点は、経営上の大きなメリットと言えます。

ただし、兼任が認められるには以下の条件をクリアする必要があります。

  • 同一営業所であること:「A営業所の運行管理者」と「B営業所の整備管理者」を兼任することは、物理的に管理不可能であるため認められません。
  • 両方の要件を満たすこと:当然ながら、運行管理者資格者証と、整備管理者の実務経験(または資格)の「両方の切符」を持っている必要があります。

【注意すべき「ワンマン」リスク】
コスト削減の反面、最大のリスクは「その一人が倒れたら会社が止まる」ことです。兼任者が退職や病気で不在になった瞬間、運行と整備の両方の責任者が不在となり、即座に行政処分(車両停止等)の対象となります。車両台数が増えてきた段階で、必ず「補助者」を選任するか、後任を育てるリスクヘッジを行ってください。

【代替案】要件を満たす者がいない場合の「外部委託」のハードル

社内に適任者がおらず、採用も難しい場合、「整備管理業務を外部へ委託(アウトソーシング)できないか?」と考えるのは自然な流れです。しかし、運送業における整備管理者の外部委託は、経理や税務のような自由な外注とは異なり、極めて限定的な条件でのみ認められる「例外措置」です。

単に「近所の整備工場にお願いする」ことは原則として認められません。外部委託が許可されるのは、主に以下のいずれかの厳しい要件を満たす場合に限られます(※貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈・運用基準による)。

1. グループ企業間の委託(資本関係の壁)

親会社、子会社、または同一グループ内の企業(資本金の50%以上を出資している関係など)に所属する整備管理者に委託する場合です。これは「実質的に一つの組織」とみなされるため認められますが、全くの他社である整備工場には適用されません。

2. 地理的・実質的な一体性(距離の壁)

委託を受ける整備士が所属する工場が、運送会社の車庫と「同一敷地内」または「隣接」しており、いつでも即座に点検・管理ができる状態にあることです。
「車で10分の距離」では認められないケースがほとんどです。運行可否の判断(日常点検の結果確認)は毎朝リアルタイムで行う必要があるため、物理的に離れている外部の人間には責任が持てないと判断されるためです。

このように、外部委託は「グループ会社」か「敷地内整備工場」を持たない一般の中小運送会社にとっては、事実上、選択するのが難しいスキームです。
したがって、最も現実的かつ低コストな解決策は、外部を探すことではなく、「現在の従業員の中で候補者を決め、実務経験証明書を作成して選任前研修を受けさせる」という正攻法になります。

「裏技」を探して時間を浪費するよりも、社内人材の育成に舵を切ることが、結果として緑ナンバー取得への最短ルートとなります。

【毎月3社様限定】ハンコが貰えない・書き方が不安な方へ

「前の会社が倒産していて証明印がない」
「この書き方で運輸支局に通るか自信がない」

そんな悩みで、緑ナンバーの許可や変更届がストップしていませんか?
いきなり契約する必要はありません。まずはあなたの実務経験証明書案に不備がないか、行政書士による無料の『書類診断』を受けてみませんか?

5000社以上の支援実績に基づき、「倒産特例」が使えるか、あなたの経歴で受理されるかを正直にお伝えします。

無料・書類診断を申し込む >

※窓口で却下される前に、プロの確認を。
※この記事を見たとお伝え頂ければスムーズです。

-運送業の許可