「別府のホテル改修工事が決まった!」…喜ぶのは早いですよ。
大分市の許可だけ持って別府に行くと、それは立派な「無許可営業」です。

大分県全域の産廃許可をスピード申請。
「おんせん県」の産廃業許可の代行をしている行政書士、小野馨です。
今回は【大分県の産業廃棄物収集運搬許可】について、特に需要が急増している「別府」と「湯布院」の現場に焦点を当てて解説します。
インバウンドの復活で、別府の大型ホテルや湯布院の老舗旅館から「リニューアル工事」や「解体案件」の依頼が増えています。
しかし、ここで多くの業者様が陥る罠があります。
「うちは大分市の会社だから、大分市の許可はある。隣の別府も同じ大分県内だし、そのまま行けるやろ?」
これ、完全にアウトです。逮捕されます。
大分県は「大分市(中核市)」と「その他のエリア(別府・由布など)」で、許可の管轄が明確に分かれています。
さらに、別府と湯布院でも、申請書類を出す保健所が違います。
この記事では、観光地ならではの「特殊な産廃(温泉スケール等)」の扱いや、複雑な管轄ルールを整理し、あなたが最短で現場に入れるようナビゲートします。
▼ この記事のポイント ▼
- ✅ 「大分県許可」と「大分市許可」の決定的な違い
- ✅ 別府の現場:管轄は「東部保健所」と温泉泥の罠
- ✅ 湯布院の現場:管轄は「中部保健所」と狭隘道路
- ✅ 手数料は「大分県収入証紙」。購入場所に注意
※なお、産廃許可取得の全体像や費用感を知りたい方は、
『産業廃棄物許可の教科書(トップページ)』
をブックマークして、実務バイブルとしてお使いください。
【別府・湯布院エリア】の産業廃棄物収集運搬許可の大分特別ルール
まずは、建設需要が最もホットな「別府市」についてです。
別府で産廃の収集運搬を行う場合、絶対に知っておくべきは「管轄保健所」と「温泉特有のゴミ」です。
別府市の管轄は「東部保健所」。大分市とは窓口が違う?
もしあなたの会社が大分市内にあっても、別府市の現場でゴミを積むなら、必要なのは「大分市長の許可」ではなく、「大分県知事の許可」です。
そして、もしあなたが別府市に本店を置く業者なら、申請窓口は県庁ではなく、別府市鶴見にある「東部保健所(地域衛生課)」になります。
ここを間違えて大分市保健所や県庁に行っても、「管轄外です」と追い返されます。
東部保健所は、日出町や杵築市も管轄していますが、別府市内の案件が圧倒的に多いため、窓口が混み合うことがあります。
必ず事前に電話予約を入れてから向かいましょう。
温泉成分が付着した配管・がれき類は「汚泥」になる?
別府の現場ならではの注意点です。
温泉旅館の解体や配管工事で出る「湯の花(スケール)」や、温泉成分がこびりついた配管。
これらをどう扱うか?
単なる「がれき類」や「金属くず」として申請していると、現場で行政指導が入るケースがあります。
水分を多く含む温泉沈殿物は「汚泥(おでい)」に分類されることがあり、これを運ぶには「汚泥」の許可品目が必要です。
また、汚泥を運ぶには「水密仕様のダンプ(水が漏れない車)」が必要になる場合も。
「普通の2tダンプで運んでたら、後ろから温泉水がポタポタ…」なんてことになれば、観光地・別府のブランドを傷つける行為として厳しく処罰されます。
申請時には、取り扱う品目に「汚泥」を含めるべきか、必ず保健所に相談してください。
行政書士 小野馨の「ここだけの話」
別府市内は坂道が非常に多いですよね。
産廃の許可申請では「駐車場の図面」や「前面道路の幅員」をチェックされますが、別府の山手にある会社様の場合、「坂道すぎて積載車が停められない」とか「前面道路が狭すぎて4t車が入らない」と判断されることがあります。
許可を取る前に、そもそも「その車庫で登録できるか?」を現地で確認しておくことが重要です。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 別府の現場は「大分県許可」が必要(大分市許可ではダメ)。
- 申請窓口は別府の「東部保健所」。
- 温泉絡みのゴミは「汚泥」になる可能性を疑え。
大分の産廃収集運搬許可のルール【湯布院(由布市)】ブランド観光地での収集運搬と「景観」の罠
次に、全国屈指の温泉地「湯布院(由布市)」です。
ここは別府以上に「ブランド」を大切にするエリアであり、工事車両への視線も厳しいものがあります。
湯布院の管轄は「中部保健所」。狭い道路と車両選定
湯布院(由布市)の管轄保健所は、別府とは異なります。
大分市の大州浜にある「中部保健所(地域衛生課)」が窓口になります。
(※大分市内にありますが、管轄しているのは由布市と臼杵市です)
湯布院の現場で注意すべきは、「道路の狭さ」と「観光客の多さ」です。
湯の坪街道周辺などは人通りが多く、大型の産廃トラックを入れることが困難なケースが多々あります。
許可申請の際、欲張って「大型ダンプ」や「アームロール車」ばかり登録しても、湯布院の現場では使い物にならないことがあります。
小回りの利く「軽トラ」や「2tショート」を許可車両に加えておくことが、湯布院の仕事を獲得する戦略的な鍵になります。
国立公園エリアでの「積替え保管」はほぼ不可能?
湯布院エリアの多くは「阿蘇くじゅう国立公園」や「景観条例」の指定区域に入っています。
もしあなたが「湯布院に土地があるから、そこで産廃の積替え保管(一時保管)をしたい」と考えているなら、それは極めて困難だと思ってください。
産廃の許可以前に、都市計画法や自然公園法、景観条例のハードルが高すぎて、保管場所としての許可が降りない可能性が高いです。
湯布院での仕事は、基本的に「現場から処分場への直行」スタイルで計画を立てるのが鉄則です。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 湯布院の窓口は、大分市にある「中部保健所」
- 狭い道が多いので、軽トラや2t車の登録が必須
- 湯布院での「積替え保管」は法規制が厳しく非現実的
大分県知事許可があれば「大分市(中核市)」も走れるか?
最後に、一番重要な「管轄の落とし穴」について解説します。
大分県には、県とは別に独自の許可権限を持つ「大分市(中核市)」が存在します。
積替えなしなら「県許可」1本で県内全域(大分・別府・由布)OK?
ここが間違いやすいポイントです。
原則として、「大分市内で積む」なら「大分市長の許可」、「大分市外(別府や湯布院)で積む」なら「大分県知事の許可」が必要です。
他の都道府県(例えば京都など)では「県許可があれば市もOK」というルールが多いですが、大分市に関しては「大分市内で仕事をするなら、ちゃんと市の許可も取ってくださいね」という運用が基本になっています。
ただし、「大分市を通過するだけ(運搬のみ)」なら市の許可は不要です。
【よくあるパターン】
● パターンA: 別府で積んで、大分市の処分場へ運ぶ。
→ 「大分県」と「大分市」の両方の許可が必要になるケースが多いです。
(※処分場(降ろし地)の自治体の許可も必須だからです)
この「県と市の両取り」が必要かどうかは、具体的な運搬ルートによって判断が分かれます。
自己判断せず、必ず申請前に「大分市廃棄物対策課」と「県保健所」に確認してください。
知らずに片方だけで営業していると、無許可営業のリスクがあります。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 大分市は「中核市」なので独自の許可が必要。
- 別府(県)で積んで大分市(市)で降ろすなら、両方必要になる可能性大。
- 自己判断せず、必ず両方の窓口に確認せよ。
【費用】大分県の許可取得にかかる総額シミュレーション
「で、結局いくらかかるんか?」
大分の社長様にとって、一番シビアなのはコストですよね。
ここで注意が必要なのは、大分県はまだ**「収入証紙(しゅうにゅうしょうし)」**が現役だということです。
大阪や兵庫のように「現金払い」や「キャッシュレス」だと思って手ぶらで行くと、窓口で門前払いを食らいます。
また、前述の通り「大分市」と「大分県(別府・由布)」の両方が必要な場合、コストが倍になる可能性もあります。
しっかり計算しておきましょう。
申請手数料は「大分県収入証紙」!国税印紙と間違えるな
まず、絶対にやってはいけないミス。
それは、郵便局で売っている「収入印紙(国税)」を買ってしまうことです。
大分県知事への申請手数料(81,000円)は、必ず「大分県収入証紙」で購入しなければなりません。
【購入できる場所】
● 大分銀行(県内各支店)
● 県内の各保健所にある食品衛生協会窓口
● 大分県職員消費生活協同組合(県庁内など)
特に注意すべきは、「大分市」への申請は支払方法が違うという点です。
大分市への申請手数料(81,000円)は、大分市保健所の窓口で「現金納付」または「納付書払い」になるケースが一般的です。
「県への申請用に81,000円分の証紙を買ったけど、実は市の許可が必要だった!」となると、証紙の払い戻し手続き(非常に面倒)が必要になります。
証紙を買うのは、書類が完璧に出来上がり、管轄が確定してからにしましょう。
| 項目 | 金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 申請手数料(新規) | 81,000円 | 大分県収入証紙で購入 |
| 講習会受講料 | 約31,000円 | JWセンターへWeb申込み |
| 公的証明書取得費 | 約3,000円〜 | 法務局(登記簿など) |
| 合計(法定費用) | 約115,000円 | ※大分市も取るなら倍額(約20万円) |
行政書士に依頼する場合の相場(大分エリア)
専門家に依頼する場合、報酬相場は「11万円〜16万円(税別)」程度です。
ただし、大分県の場合は「窓口への出張費」が加算されることがあります。
例えば、大分市の事務所の先生に「日田保健所」や「佐伯保健所」への申請を頼むと、距離があるため交通費や日当が発生するケースがあります。
また、「大分県と大分市の両方セット」で依頼する場合は、2件分の報酬(例えばセットで18万円など)になることが多いですが、別々に頼むよりは割安になるはずです。
見積もりを取る際は、「県と市の両方が必要かどうかも含めて判断してほしい」と伝えるのが賢い頼み方です。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 手数料は「大分県収入証紙」。郵便局の印紙はNG。
- 大分市への申請は支払い方法が違うので注意。
- 県と市の「両取り」が必要なら、予算は20万円〜見ておく。
申請の流れと審査期間(標準処理期間)
「別府のホテル工事、来月からなんやけど間に合うか?」
この質問への答えは、ズバリ「今すぐ動けばギリギリ」です。
大分県の審査期間は、他県と同様に時間がかかります。
申請から許可まで約60日。保健所の予約が最初の関門
大分県(および大分市)の標準処理期間は「60日(約2ヶ月)」です。
これは絶対に短縮できません。
そして、申請するには管轄の保健所(東部、中部など)へ「事前の電話予約」が必須です。
大分県の保健所は担当者が少ないことが多く、「担当者が現場検査に出ているので、来週しか空いていません」と言われることも日常茶飯事です。
【最短で取るためのステップ】
1. 講習会の予約(九州エリアが満席なら、広島や山口も視野に!)
2. 保健所へ電話予約(書類作成前でも、「〇月〇日に申請行きたい」と枠だけ押さえるのが裏技)
3. 書類作成・証紙購入
4. 窓口申請
5. 許可証交付
特に年度末や大型連休前は予約が埋まりやすいので、工事が決まった瞬間に電話するくらいのスピード感が必要です。
隣接県(福岡・熊本・宮崎)への乗り入れ対策
大分県は、福岡、熊本、宮崎と接しています。
特に日田エリアや中津エリアの業者様は、県境を越えて仕事をすることが多いでしょう。
「中津で積んで、福岡の処分場へ」
「日田で積んで、熊本へ」
この場合、当然ながら「相手先の県の許可」も必要です。
大分県知事の許可だけでは、県境を越えた瞬間に無許可営業になります。
警察の検問で捕まってからでは遅いので、商圏が広い業者様は、近隣県の許可もまとめて取得(同時申請)することを強くお勧めします。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 審査は2ヶ月。保健所の予約確保が第一歩。
- 県境を越えるなら、福岡・熊本等の許可も必須。
- 講習会は九州全体で探せ。
あなたが得られる未来
大分県は、世界に誇る「おんせん県」です。
別府や湯布院のブランドを守り、さらに発展させるための建設工事。
その現場から出る廃棄物を適正に運ぶあなたの仕事は、単なるゴミ運びではなく、「観光資源を守るエッセンシャルワーク」です。
産廃許可という「信頼の証」を手に入れることで、あなたは大手ホテルや老舗旅館から指名される「選ばれた業者」になります。
堂々と許可看板を掲げ、大分の未来を作りに行きましょう。
🚀 今日から始める「3つの行動」
- 現場が「大分市内」か「市外」かを確認する(最優先!)
- 管轄の保健所(東部・中部など)へ電話予約する
- 大分県収入証紙の売り場をチェックする
よくある質問(FAQ)
Q. 大分市の許可を持っていますが、別府市の現場にも行けますか?
A. いいえ、行けません。大分市の許可は大分市内のみ有効です。別府市(大分市外)で収集運搬を行うには、「大分県知事」の許可が別途必要になります。無許可営業にならないよう、必ず両方の許可を取得してください。
Q. 郵便局で買った収入印紙は手数料に使えますか?
A. 使えません。大分県への申請には「大分県収入証紙」が必要です。郵便局で売っているのは「国(政府)の収入印紙」ですので、買い間違いにご注意ください。証紙は大分銀行などで購入できます。
Q. 湯布院の狭い道でも通れるトラックでないと許可は降りませんか?
A. 許可自体は大型車でも降りますが、実際の現場(排出場所)が狭くて車両が入らない場合、契約が履行できないとみなされるリスクがあります。湯布院エリアでの仕事を想定するなら、軽トラや2t車など、小回りの利く車両もあわせて登録しておくのが実務的な正解です。