【完全保存版】産業廃棄物収集運搬業の変更届ガイド|車両追加・役員変更から複数自治体への提出まで徹底解説

【結論】産業廃棄物収集運搬業の「変更届」とは?
産業廃棄物収集運搬業の変更届とは、運搬車両や役員、本店所在地などに変更があった際、原則10日以内に行政庁へ提出する義務書類です。単なる事務報告ではなく、許可の「維持・更新」に直結する最重要業務であり、怠れば最悪の場合、事業停止や許可取り消しのリスクを招きます。

行政書士 小野馨
こんにちは!
行政書士の小野馨です。
今回は、産廃許可を持つすべての事業者が直面する「変更届」の落とし穴と、正しい実務対応について徹底解説します。

「トラックを新しく入れ替えたけれど、忙しくて役所への届出はまだしていない」
「役員が交代したけれど、次の許可更新のついでに報告すればいいだろう」

もし今、経営者様や担当者様がこのように考えているなら、即座に行動を改めてください。その認識は、御社の許可を危険にさらしています。

建設業許可の変更届は比較的期限に猶予がありますが、産廃許可は違います。ルールは極めて厳格で、期限は「原則10日以内」。このスピード感についていけなければ、コンプライアンスを守ることはできません。

この記事では、関西一円で5000社以上の許認可を支援してきた行政書士としての実績に基づき、産廃特有の厳しいルールと、複数自治体の許可を賢く管理する「守りの実務」を公開します。

⚠️ 【警告】「知らなかった」では済まされません。
変更届の提出を怠ると、30万円以下の過料だけでなく、最悪の場合は「許可の取り消し」や「更新不可」という処分が下されます。事業を止めないために、正しいルールを今すぐ確認してください。

この記事でわかる4つのポイント

  • ✅ 建設業とは違う!「10日以内」の提出期限とリスク
  • ✅ 車両・役員・住所など、変更届が必要なケース完全リスト
  • ✅ 品目追加は「変更届」ではない?「変更許可」との決定的な違い
  • ✅ 兵庫・大阪・京都など、複数自治体の許可を一括管理するコツ

はじめに:産廃許可の変更届を「後回し」にしてはいけない理由

「仕事が忙しくて、役所の手続きまで手が回らない」
そのお気持ちは痛いほど分かります。しかし、産業廃棄物処理法において、その言い訳は通用しません。届出の遅れは、御社の事業存続に関わる致命傷になり得るのです。

【読者の心の壁】

「変更届なんて、5年後の許可更新の時にまとめて出せばいいんじゃないの? いちいち出すのは面倒だし、費用ももったいない。」

許可の取り消しや更新不可(許可切れ)に直結するリスク

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得された後、多くの事業者様が陥る最大の罠。それが「変更届の提出漏れ」です。

確かに、日々の収集運搬業務や配車手配に追われる中で、事務手続きは後回しになりがちです。「車両が1台増えただけ」「役員が代わっただけ」という認識であれば、なおさら重要度は低く感じられるかもしれません。実際、建設業許可など他の許認可では、更新時にまとめて変更届を出しても、始末書(理由書)程度で受理されるケースも過去にはありました。

しかし、産業廃棄物処理法(廃掃法)の世界では、その「甘え」は許されません。

行政庁は、不法投棄防止の観点から、業者の実態把握に極めて神経質になっています。もし、変更届を出さずに放置し、許可の更新期限(5年)を迎えた場合、どうなるでしょうか。
窓口での審査の際、「登記簿上の役員と許可証の役員が違う」「マニフェストに記載されている車両番号が、許可台帳に登録されていない」という不整合が即座に発覚します。

この場合、単に怒られるだけでは済みません。
最悪のケースでは、「変更届出義務違反」として許可の更新が認められない(不許可)、あるいは「許可の取り消し処分」の対象となる可能性があります。また、そこまで至らなくとも、過去数年分に遡って膨大な書類を作成し直し、さらに「なぜ遅延したのか」を釈明する始末書の提出を求められ、審査が数ヶ月ストップすることも珍しくありません。

許可が更新できなければ、その時点で事業は停止です。取引先(排出事業者)からの信用も一瞬で失います。「たかが紙一枚」の手続きが、会社の寿命を左右することを、まずは深く認識してください。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

以前、ご相談に来られたある社長様の事例です。
「許可の更新をお願いしたい」と依頼を受け書類を確認すると、3年前に退任したはずの取締役が、許可上は「現役」のままでした。さらに悪いことに、その元取締役は退任後に別の事件で逮捕され、欠格要件に該当していました。

本来、退任時に変更届を出していれば何の問題もなかったのですが、放置していたために「欠格要件該当者が役員として登録されている」状態とみなされ、危うく会社全体の許可が取り消されそうになりました。
「いないはずの人」が会社のリスクになる。これが変更届を放置する最大の怖さです。

📌 この章のポイント

  • 変更届の放置は、5年後の更新時に「更新不可」となる時限爆弾である。
  • 行政は実態把握に厳しく、未届けの車両や役員は即座にトラブルの原因となる。
  • 退任した役員の放置は、予期せぬ「欠格要件」リスクを招く恐れがある。

産業廃棄物収集運搬業における「変更届」の鉄則

産廃許可の管理において、最も危険なのは「建設業許可と同じ感覚」でいることです。この2つの許認可は、似て非なるものです。特に「期限」と「提出範囲」のルールは、産廃の方が圧倒的にシビアです。

【読者の心の壁】

「建設業の変更届は決算後4ヶ月以内でいいのに、なんで産廃はそんなに急かされるの? 兵庫県に出せば、隣の大阪府も自動的に変わるんじゃないの?」

建設業とは違う!「原則10日以内」という厳しい期限

建設業許可をお持ちの事業者様であれば、「決算変更届は事業年度終了後4ヶ月以内」「その他の変更は30日以内」というスケジュール感に慣れていることでしょう。しかし、産業廃棄物収集運搬業許可において、その時間感覚は命取りになります。

廃棄物処理法では、変更届の提出期限を以下のように定めています。

  • 原則:変更があった日から10日以内
    (例:車両の増車・減車、政令使用人の変更、駐車場の変更など)
  • 特例:登記事項証明書を添付する場合のみ30日以内
    (例:法人の役員変更、本店所在地の移転、商号変更など)

ご覧の通り、基本は「10日」です。これは「営業日」ではなく「暦日(土日祝含む)」でカウントされることが一般的です。
例えば、新しいトラックを納車した日が1日だとすれば、11日頃までには役所の窓口へ書類を提出し、受理されなければなりません。この間に、車庫の写真を撮り、車検証の写しを用意し、申請書を作成するのです。本業の合間に行うには、あまりにタイトなスケジュールと言わざるを得ません。

許可を持っている「すべての自治体」への提出義務

もう一つ、産廃許可ならではの厄介なルールが「許可行政庁ごとの縦割り管理」です。

建設業許可の場合、大臣許可でない限り、基本的には本店所在地を管轄する都道府県知事に届け出れば完了します。
しかし、産業廃棄物収集運搬業は「ゴミを積む場所」と「ゴミを降ろす場所」の両方の許可が必要になるため、多くの事業者様が複数の自治体の許可を取得されています。(例:兵庫県、大阪府、京都府、神戸市、大阪市など)

ここで重要なのは、「ある自治体への変更届は、他の自治体には共有されない」という事実です。

例えば、本店を「神戸市中央区」から「神戸市灘区」へ移転したとします。
この場合、兵庫県の許可だけでなく、お持ちであれば大阪府、京都府、奈良県など、許可を持っている全ての自治体に対して、それぞれ個別に変更届を提出しなければなりません。

「兵庫県に出したから、大阪府も把握してくれているだろう」というのは大きな間違いです。それぞれの役所で様式(申請書のフォーマット)をダウンロードし、それぞれの宛名で書類を作成し、それぞれの窓口(または郵送)へ提出する必要があります。
許可を5つ持っていれば、手間もコスト(郵送代や交通費)も5倍になる。これが産廃変更届の実態です。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

特に注意が必要なのが、「県」と「政令指定都市」の二重提出です。
例えば、「兵庫県」の許可と「神戸市」の許可の両方を持っている場合、兵庫県の窓口(各県民局)と、神戸市の窓口(環境局)の両方に変更届を出す必要があります。

よくあるミスが、「兵庫県に出したから神戸市も大丈夫だと思っていた」というケース。管轄が異なるため、それぞれ別個の手続きが必要です。これを忘れると、神戸市の許可だけ更新時にトラブルになる…という事態に陥ります。

📌 この章のポイント

  • 産廃の変更届は原則「10日以内」。登記が必要な場合のみ「30日以内」となる。
  • 許可を持っている「すべての自治体」へ個別に提出が必要。自動連携はされない。
  • 県と政令市(例:兵庫県と神戸市)は別管轄。両方の許可があれば両方に届出が必要。

【チェックリスト】変更届の提出が必要なケース一覧

「何が変わった時に届出が必要なのか?」
この判断を誤ると、未届けのまま違法操業状態となってしまいます。ここでは、頻繁に発生する変更事項から、意外と見落としがちな項目まで、すべてを網羅します。

【読者の心の壁】

「トラックを廃車にしたけど、減らす分には報告しなくていいよね? 株主が変わったことなんて、役所に関係あるの?」

運搬車両の変更(増車・減車・入替)※最も多い

産業廃棄物収集運搬業において、最も発生頻度が高いのが車両に関する変更です。
事業拡大による「増車」、老朽化に伴う「廃車(減車)」、そして買い替えによる「入替」。これらすべてにおいて、変更後10日以内の届出が必須です。

特に注意が必要なのが、「減車(車両を減らすこと)」の届出忘れです。
「使わなくなっただけだから、わざわざ言わなくていいだろう」と思われがちですが、許可行政庁の台帳にはその車両が残り続けます。もしその車両を売却し、次の持ち主が不法投棄などのトラブルを起こした場合、ナンバープレートや車台番号から御社に捜査の手が及ぶリスクがあります。手放した車両は、速やかに許可証(副本・台帳)からも削除しなければなりません。

また、増車時には「車庫(駐車場)の確保」と「適切な写真撮影」が求められます。
写真は「斜め前方」と「斜め後方」から撮影し、ナンバープレートが読めること、そして車体に「産業廃棄物収集運搬車」「氏名又は名称」「許可番号」が表示されていることが要件となります。これらが不鮮明だと、窓口で受理されず撮り直しとなります。

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役員・代表者・監査役の変更

株式会社などの法人の場合、役員(取締役、代表取締役、監査役など)の就任や辞任が発生した際は、法務局での登記変更完了後、30日以内に変更届を提出する必要があります。

ここで最も恐ろしいのが「欠格要件」のチェック漏れです。
新しく就任する役員が、過去5年以内に禁錮以上の刑を受けていたり、廃棄物処理法違反で罰金刑を受けていたりする場合、その人が役員になった瞬間に、会社が持っているすべての産廃許可が取り消されます。

また、建設業許可とは異なり、産廃許可では「監査役」も役員に含まれます。
「監査役が変わっただけだから」と届出を放置していると、更新時に「登記簿と申請書の役員欄が一致しない」として指摘を受け、始末書案件となります。退任した役員の削除漏れも同様です。

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本店・営業所の所在地変更、名称変更

オフィスの移転や、商号(会社名)の変更を行った場合も、登記変更後30日以内に届出が必要です。

本店移転でよくあるトラブルが、「許可証の書き換え」に関する勘違いです。
変更届を出すと、現在手元にある許可証の記載内容(住所や会社名)と実態がズレてしまいます。そのため、多くの事業者は変更届と同時に「許可証の書き換え交付申請」を行います(別途手数料がかかります)。

もし書き換えを行わないと、古い住所のままの許可証を現場で提示することになり、排出事業者(お客様)から「本当に今の会社で許可を持っているのか?」と不審がられる原因になります。信用維持のためにも、住所変更時は新しい許可証の発行までセットで行うことを強く推奨します。

🏢 本店移転・住所変更の手順

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5%以上の株主・政令使用人の変更

ここはプロでも見落としがちなポイントですが、廃棄物処理法では、以下の変更も届出義務の対象です。

  • 発行済株式総数の5%以上を有する株主の変更
    (法人の株主が変わった場合、その法人の登記事項証明書等は不要ですが、変更後の株主構成を届け出る必要があります)
  • 政令使用人(支店長・営業所長など)の変更
    (許可申請時に「政令使用人」として登録した人物が変わった場合、10日以内に届出が必要です。ここも欠格要件の対象となるため要注意です)

特に株主の変更は、事業承継やM&Aの際に見落とされがちです。更新申請の直前になって「株主構成が全然違う!」と慌てないよう、株式譲渡の際は必ず行政書士にご相談ください。

講習会修了者の変更(許可の要件に関わる重要事項)

産業廃棄物収集運搬業の許可要件の一つに、「講習会修了者が在籍していること」があります。
通常は代表取締役が受講していますが、もし「許可申請時に修了証を提出した取締役」が退職した場合、どうなるでしょうか。

この場合、速やかに「代わりの人(別の取締役など)が講習を受け、修了証を取得」し、変更届を提出して、要件を満たす人物を入れ替える必要があります。
これを放置し、要件を満たす人が不在の状態が続くと、許可の要件欠格(取り消し事由)に該当してしまう極めて危険な状態になります。

🎓 講習会修了者の変更・退職対応

修了者が辞めてしまった場合の緊急対応、変更届のタイミング、更新時の講習受講計画について。

【詳細】産廃講習修了者が退職したら?変更と再受講 >

📌 この章のポイント

  • 車両の「減車」も届出必須。放置すると不法投棄トラブルに巻き込まれるリスクあり。
  • 役員変更時は、新役員の「欠格要件(前科等)」調査が最優先事項。
  • 5%以上の株主や、政令使用人の変更も届出対象。忘れずに管理すること。

【要注意】「変更届」では済まないケース(変更許可申請)

「仕事の幅を広げたい」という前向きな動機であっても、手続きの種類を間違えれば違法行為となります。ここでは、無料の「変更届」ではなく、有料かつ審査が必要な「変更許可申請」が必要なケースを解説します。

【読者の心の壁】

「今まで『がれき』を運んでいたけど、現場から『廃プラ』も頼まれた。ついでに運ぶだけだし、簡単な変更届を出せば明日からできるでしょ?」

「取り扱う廃棄物の種類」を追加したい場合

産業廃棄物収集運搬業許可において、最も誤解が多いのがこの「品目追加」です。

許可証には、御社が運搬できる廃棄物の種類(例:「廃プラスチック類」「がれき類」「木くず」など)が限定列挙されています。これ以外のものを運ぶことは、例え許可業者であっても「無許可営業」と同じ扱いになります。

「新しい品目を追加したい」という場合、これは軽微な変更ではなく「事業範囲の変更」に該当するため、変更届ではなく「変更許可申請」を行わなければなりません。

🚫 「変更届」と「変更許可申請」の決定的な違い

項目 変更届(車両・役員など) 変更許可申請(品目追加)
行政手数料 無料 約71,000円(自治体による)
審査期間 即日(形式審査のみ) 標準1.5ヶ月〜2ヶ月
難易度 書類が整っていればOK 新規許可並みの厳格な審査

つまり、「明日から廃プラを運びたい」と思っても、物理的に不可能です。
申請書を作成し、手数料(証紙代)を納め、約2ヶ月の審査を経て新しい許可証が発行されて初めて、運搬が可能になります。

これを待たずにフライングで運搬してしまうと、「事業範囲無許可変更」として、許可の取り消し処分を受けるリスクがあります。品目追加の依頼が来たら、まずはスケジュールの確認と、専門家への相談を最優先してください。

📈 事業拡大:品目追加の手続き詳細

「変更許可申請」に必要な書類、審査をスムーズに通すためのポイント、費用対効果の考え方を解説します。

【詳細】産廃の品目追加・変更許可申請マニュアル >

積替え保管の有無を変更する場合

もう一つ、非常にハードルが高いのが「積替え保管(つみかえほかん)」の追加です。

「トラックで回収したゴミを、一旦自社の敷地に降ろして分別し、後でまとめて処分場へ運びたい」
これを実現するには、「積替え保管を含む」許可への変更許可申請が必要です。

ただし、積替え保管の追加は、単なる書類申請ではありません。
事前に保管場所の立地基準(学校や病院からの距離など)をクリアし、近隣住民への説明会を行い、自治体との事前協議を経る必要があるため、許可が下りるまでに半年〜1年以上の期間と、数百万円規模の設備投資が必要になるケースがほとんどです。

これを「変更届でちょこっと変えればいい」と考えていると、事業計画が根底から崩れます。積替え保管の追加は、新規事業の立ち上げと同義であると捉えてください。

📌 この章のポイント

  • 品目(廃棄物の種類)の追加は「変更届」ではなく、審査のある「変更許可申請」が必要。
  • 変更許可申請には、約7万円の手数料と、約2ヶ月の審査期間がかかる。
  • 許可が下りる前に運搬すると「無許可変更」となり、最悪の場合は許可取り消しになる。

複数自治体の許可を持っている場合の注意点(関西エリアの罠)

産廃業者の皆様が最も頭を抱えるのが、この「管轄の壁」です。デジタル化が進む世の中ですが、残念ながら産廃行政においては、自治体間の横の連携はほぼ皆無と考えた方が安全です。

【読者の心の壁】

「兵庫県と大阪府と京都府の許可を持っているけど、まさか全部に同じ書類を送るの? マイナンバーみたいに一本化されてないの? 面倒すぎる…」

「兵庫県と大阪府と京都府、全部に出す必要があるの?」→「必要です」

結論から申し上げます。許可を持っているすべての自治体に対し、個別に変更届を提出する必要があります。

例えば、神戸市の建設業者様が、現場の関係で以下の許可を取得しているケースは非常に一般的です。

  • 📍 兵庫県(積み地・降ろし地)
  • 📍 大阪府(積み地・降ろし地)
  • 📍 京都府(積み地・降ろし地)

この状態で、もし御社の「代表取締役」が変更になったとします。
この場合、3つの自治体すべてに、それぞれ変更届(+登記簿謄本などの添付書類)を提出しなければなりません。

「兵庫県に出せば、近隣の大阪や京都にも情報が回る」ということは絶対にありません。もし大阪府への提出を忘れていれば、大阪府の許可更新の際に「役員が変わっているのに届出がない」と指摘され、トラブルになります。

さらに厄介なのが、「県」と「政令市」の二重管轄です。
兵庫県内であっても、「神戸市」「姫路市」「尼崎市」「西宮市」「明石市」などは、県とは独立した許可権限を持っています。
もし御社が「兵庫県」と「神戸市」と「尼崎市」の許可を持っていれば、県内だけで3箇所への提出が必要になります。これが産廃事務の負担を増大させる最大の要因です。

自治体ごとに異なる添付書類や様式の罠

「全部に出せばいいんでしょ? 同じ書類をコピーして送れば終わりでは?」
そう思われるかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。自治体ごとに「ローカルルール」が存在するのです。

例えば、「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」の扱い一つとっても異なります。

  • 自治体A: 必ず「原本」を提出(返却不可)。
  • 自治体B: 原本を見せれば、「コピー」の提出でOK(原本還付)。
  • 自治体C: 郵送申請なら原本必須だが、窓口持参ならコピー可。

これを知らずに、手元の登記簿謄本を使い切ってしまい、「あと1通足りない!」と法務局へ走り直す…というのは、自社申請でよくある失敗談です。
また、申請書(変更届出書)の様式自体も、全国統一様式を使用している自治体もあれば、独自のレイアウトを採用している自治体もあります。それぞれのホームページから最新の様式をダウンロードし、間違えないように作成する作業は、想像以上に神経を使います。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

関西エリアのお客様で実際にあった事例です。
「全部郵送で済ませた」とおっしゃっていましたが、実は「大阪府」への届出先を間違えていました。
大阪府の産廃届出は、本庁(咲洲庁舎)ではなく、管轄の「保健所」になるケースや、審査指導課になるケースがあり、非常に複雑です。
送ったつもりの書類が宛先不明で戻ってきていたり、違う部署で放置されていたりして、結局期限オーバーになってしまった…ということがないよう、提出先の事前確認は必須です。

🔄 複数許可の一括管理サービス

「うちは5自治体持っているけど、どこに出せばいい?」
サクセスファンでは、兵庫・大阪・京都など複数エリアの変更届を、1回のヒアリングで丸ごと代行します。

【相談】関西エリアの産廃許可一括管理について >

📌 この章のポイント

  • 許可を持っている自治体「すべて」に個別の変更届が必要。横の連携はない。
  • 県と政令指定都市(神戸、大阪、京都、尼崎など)は別管轄。それぞれ提出が必要。
  • 登記簿謄本の「原本提出」か「コピー可」かは自治体により異なるため、必要部数の計算に注意。

変更届の提出期限と流れ

「いつから数えて10日なのか?」
この起算日を間違えると、書類が完璧でも「遅延理由書」の提出を求められます。ここでは正確なスケジュールの数え方と、準備すべき「証拠書類」の基本セットを解説します。

📷 画像挿入指示

推奨画像: 変更イベント発生から届出までのタイムライン図解(10日以内と30日以内の分岐)

生成用プロンプト: Flowchart showing the timeline for submitting a change notification for industrial waste disposal. Split into two paths: 'Vehicle Change (10 days)' and 'Officer Change (30 days)'. Simple, professional, business style.

Alt属性: 産廃収集運搬業変更届の提出期限チャート

【読者の心の壁】

「10日以内って、土日は除くの? 登記が変わってから30日? それとも株主総会の日から30日? 基準が曖昧で怖い。」

10日以内:その他の変更(役員、車両、住所など)

前述の通り、産業廃棄物処理法における変更届の期限は、原則として「変更の日から10日以内」です。

ここで重要なのは、「10日」のカウント方法と、「30日の特例」が適用される条件の切り分けです。

① 原則:10日以内(土日祝を含む)

基本的に、登記事項証明書(登記簿謄本)の添付が不要な変更は、すべてこちらに該当します。

  • 車両の変更(増車・減車・入替):納車日(車検証の交付日)などが基準。
  • 政令使用人の変更:辞令発令日などが基準。
  • 駐車場の変更:契約開始日などが基準。

注意すべきは、この「10日」は行政庁が開いている平日(稼働日)の日数ではなく、土日祝日を含んだカレンダー通りの日数(暦日)であるという点です。
ゴールデンウィークやお盆休みなどが重なると、実質的な準備期間は数日しかありません。車両が納車されたら、その足で写真を撮り、すぐに行政書士へデータを送るくらいのスピード感が求められます。

② 特例:30日以内(登記事項証明書が必要な場合)

法人の役員変更や本店移転など、「変更の事実を証明するために、登記事項証明書の添付が必要な場合」に限り、期限が30日以内へと延長されます。

これは、法務局での登記手続き自体に1週間〜2週間程度かかることを考慮した特例措置です。
【起算日の注意点】
ここを勘違いされる方が多いのですが、起算日は「登記が完了した日」ではありません。「変更の事実があった日(株主総会の決議日や移転日)」から数えて30日以内です。
登記申請が遅れ、法務局から謄本が出てくるのが遅くなれば、その分、変更届を作成する時間は削られていきます。役員変更の登記は、株主総会後、即座に行う必要があります。

必要書類の基本セット

変更届に必要な書類は、「何が変わったか」によって異なりますが、共通する様式と主要な添付書類を整理します。

変更内容 主な必要書類
共通 ・産業廃棄物収集運搬業変更届出書(様式第11号)
・許可証の写し(原本照合が必要な場合あり)
運搬車両の変更 ・自動車検査証(車検証)の写し
・車両写真(斜め前・斜め後)
・駐車場の場所を示す地図・保管場所の使用権原証明(賃貸借契約書など)
役員の変更 ・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・新役員の住民票(本籍地記載・マイナンバーなし)
・登記されていないことの証明書(法務局発行)
・誓約書(欠格要件に該当しないことの証明)
本店・商号変更 ・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・許可証の書き換え交付申請書(希望する場合)

特に「誓約書」や「略歴書」などの法定様式は、自治体のホームページから最新版をダウンロードして使用してください。古い様式を使っていると、窓口で訂正を求められます。

💡 行政書士の現場メモ(失敗回避の知恵)

「期限を1日でも過ぎたらどうなるの?」
実務上、1日遅れたからといって即座に許可取り消しになることは稀ですが、必ず「遅延理由書(始末書)」の提出を求められます。
「忘れていました」と正直に書くしかありませんが、これが度重なると「順法精神に欠ける業者」としてマークされ、立入検査の対象になったり、次回の更新審査が厳しくなったりします。
また、数年単位で放置していた場合は、過料(罰金)の対象になる可能性が跳ね上がります。遅れたと気づいたら、隠さずに一刻も早く提出することが、ダメージを最小限に抑える唯一の方法です。

📌 この章のポイント

  • 変更届の期限は「原則10日」。登記が必要な変更のみ「30日」の特例がある。
  • 日数は「土日祝を含む」ため、連休を挟む場合は実質的な作業時間は非常に短い。
  • 遅れた場合は「遅延理由書」が必須。隠蔽せずに速やかに提出することが重要。

よくある質問(Q&A)

現場から寄せられる質問の中で、特に多いものを選びました。「これくらい大丈夫だろう」という自己判断が、後々大きな手戻りやトラブルの原因となります。

【読者の心の壁】

「写真はプロに頼むほどじゃないし、スマホでいいよね? 修了者が辞めたけど、バレなきゃいいんじゃないの?」

Q. 車両の写真はスマホで撮ったものでいいですか?

A. はい、スマートフォンで撮影した写真でも問題ありません。ただし、「印刷の質」と「表示の視認性」には細心の注意が必要です。

最近のスマートフォンは画質が良いため、撮影自体はスマホで十分です。しかし、提出書類として印刷する際に失敗するケースが多発しています。以下のポイントを必ず守ってください。

  1. カラー印刷が必須
    白黒コピーや、インク切れで色がくすんだ写真は受理されません。車両の色、ナンバープレートの緑色などがはっきり分かる鮮明なカラー写真を用意してください。コンビニのマルチコピー機などを使うと確実です。
  2. ナンバープレートと表示の文字が読めるか
    スマホの画面では綺麗に見えても、L判やA4用紙に印刷すると、マグネットシートの文字(会社名や許可番号)が潰れて読めないことがあります。
    撮影時は、遠景だけでなく、必要に応じて「表示部分の拡大写真」もセットで添付すると親切ですし、審査もスムーズです。
  3. 日付入り機能は不要(自治体による)
    昔は「日付入りカメラ」が必須でしたが、現在は多くの自治体で日付印字は不要です。逆に、加工アプリなどで不自然な日付を入れると「改ざん」を疑われるため、ノーマルカメラで撮影してください。

【行政書士の裏ワザ】
撮影時は、背景にも気を使ってください。他社のトラックや、無関係な廃棄物の山が写り込んでいると、「不適切な保管場所ではないか?」と余計な疑念を持たれる原因になります。何もない壁際や、整理整頓された駐車場で撮影するのがベストです。

Q. 講習会の修了者が急に退職してしまいました。どうすればいいですか?

A. 「一刻も早く」代わりの役員が講習を受講し、変更届を提出してください。猶予期間はありません。

産業廃棄物収集運搬業の許可要件の一つに、「法人の役員(または政令使用人)が講習会を修了していること」があります。
修了者が退職した瞬間、御社は許可の要件(人的能力)を欠いた状態、つまり「許可取り消し事由」に該当する状態になります。

「次の更新まで待てばいい」は通用しません。行政側がこの事実を把握すれば、許可の取り消し聴聞の手続きに入ります。

【緊急対応の手順】

  1. 最短の講習会日程を探す
    公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)のサイトで、全国どこでも良いので、最短で受けられる講習会を探して申し込みます。県外への出張受講も覚悟してください。
  2. 受講・修了証の取得
    新たに役員などが講習を受け、試験に合格して修了証を取得します。
  3. 変更届の提出
    修了証が届き次第、速やかに「役員の変更(修了者の変更)」として届出を行います。

もし、どうしても講習会の空きがなく、受講まで数ヶ月かかってしまう場合は、その旨を行政の窓口へ正直に相談し、「現在申し込み済みで、〇月〇日に受講予定です」という誓約書や受講票の写しを提出して、指導を仰ぐのが誠実な対応です。黙っているのが一番のリスクです。

⚖️ 【プロの本音】グレーゾーンQ&A

Q. 変更届を出し忘れたまま5年が経過しました。更新申請の時にまとめて出せばバレませんか?

A. バレます。そして、心証は最悪になります。

更新申請の際、行政庁は必ず「過去の申請内容」と「現在の登記簿・車検証」を突き合わせます。
「あれ? 3年前に役員が変わっているのに届出が出ていませんね」「車両が変わっていますね」と、100%指摘されます。

この場合、更新許可が下りる前に、過去に遡って変更届を提出させられ、さらに「遅延理由書」を書かされます。
「バレないだろう」と隠そうとする姿勢は、審査官に見抜かれます。正直に「失念していました」と申告し、誠実に対応することが、許可を守るための唯一の道です。

📌 この章のポイント

  • スマホ写真はOKだが、「カラー印刷」と「文字の判読性」に注意。
  • 講習会修了者の不在は「許可取り消し」のリスク大。即座に再受講の手配を。
  • 過去の変更漏れは、更新時に必ず発覚する。隠さずに自主申告するのが鉄則。

まとめ:複雑な産廃変更届は「一括管理」でリスクヘッジを

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
産業廃棄物収集運搬業における「変更届」が、単なる住所変更や車両入れ替えの報告ではなく、「許可という資産を守るための防衛戦」であることをご理解いただけたでしょうか。

建設業許可とは異なる「原則10日」というスピード感、そして「許可を持つすべての自治体」への個別対応。これを日常業務の片手間で完璧にこなすのは、正直申し上げて至難の業です。

「うっかり忘れていた」
そのたった一度のミスが、5年後の更新時に「許可取り消し」や「更新不可」という形で跳ね返ってきます。苦労して取得した許可を、事務手続きの不備で失うことほど、悔しいことはありません。

私たちサクセスファン行政書士事務所は、兵庫県・大阪府・京都府を中心とした関西エリアにおいて、数多くの建設業者様・産廃業者様の「許可管理」をサポートしてきました。
車両の写真撮影から、複数自治体への書類作成、窓口への提出代行まで、すべてワンストップでお引き受けします。

社長様は、どうぞ現場の仕事に集中してください。
面倒な役所とのやり取りは、すべて私たちが引き受け、御社の許可を盤石なものにします。

⚠️ 【警告】自己判断による「見えないコスト」

「自分でやれば無料」は間違いです。
慣れない書類作成にかかる時間、平日に窓口へ行くための移動時間と人件費、そして何より「書類不備で何度もやり直すストレス」は、行政書士への報酬以上の損失です。
さらに、もし手続きを間違えて許可に傷がつけば、その損害は計り知れません。

関西エリアの産廃許可・変更届でお困りではありませんか?

「兵庫・大阪・京都の許可を一括で変更したい」
「車両が増えたので、写真撮影から全部任せたい」
「更新が近いが、過去の変更届が出ているか不安だ」

どのようなお悩みでも結構です。行政書士歴20年・5000社以上の実績を持つサクセスファン行政書士事務所が、最短ルートでの解決策を提示します。

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