「空き部屋で少しお小遣いが稼げればいい」…その程度の認識なら、今すぐ民泊への参入はやめるべきです。
本物の資産家は、自宅民泊を「将来のホテルオーナーになるための、リスクゼロの起業訓練所」として利用しています。
こんにちは。
リゾート民泊コンシェルジュ&行政書士の小野馨です。
今回は【家主居住型 民泊: 自宅の資産化戦略|「家主居住型」から始めてリスクゼロで宿泊業のノウハウを学ぶ】について、各分野のスペシャリストと共に解説します。
「子供が独立して、自宅の2階が物置状態になっている」。
そんな50代、60代の方からの相談が急増しています。
老後資金2000万円問題が叫ばれる中、持ち家という最大の資産を「ただの住処」として眠らせておくのは、あまりにも勿体ないことです。
しかし、いきなりアパートを一棟建てたり、投資用マンションを買うのはリスクが高すぎます。
そこで我々チーム小野が提案するのが、住宅宿泊事業法(民泊新法)を活用した「家主居住型 民泊」です。
これは単なる空室活用ではありません。
将来、沖縄や北海道でリゾート宿を経営したいという夢を持つ方が、「資金をかけずに」「自宅で」「安全に」宿泊業のイロハを学ぶための、最強のテストマーケティングなのです。
▼ この記事で得られる「経営者視点」 ▼
- ⚜️ 「家主居住型」だからこそ可能な、固定費ゼロの経営戦略
- ⚜️ 180日規制を逆手に取り、高単価なファンを作る技術
- ⚜️ 素人が陥る「近隣トラブル」を未然に防ぐプロの合意形成術
※本気でリゾート事業を志す方のための専門情報を集約しています。
『リゾート民泊開発の教科書(トップページ)』
【家主居住型 民泊】とは?法的な定義と「不在型」との決定的違い
まず、言葉の定義を明確にしましょう。
民泊と一口に言っても、法的には「旅館業法(簡易宿所)」、「特区民泊」、そして今回解説する「住宅宿泊事業法(新法民泊)」の3つに分類されます。
この住宅宿泊事業法の中で、さらに「家主居住型(ホームステイ型)」と「家主不在型」に分かれます。
この違いを理解していないと、無駄な管理委託費を支払い、利益が残らない事業構造になってしまいます。
私が過去に相談を受けたケースで、自宅の離れ(同じ敷地内)で民泊を始めたAさんの事例があります。
Aさんは「自分は敷地内にいるから大丈夫」と思い込んでいましたが、構造上「離れ」が独立した建物とみなされ、行政から「不在型」としての運用を指摘されました。
その結果、本来不要なはずの「住宅宿泊管理業者」への委託(売上の約20%)を義務付けられ、収支計画が崩壊しました。
「居住型」と認められるには、「宿泊者のいる建物内に、家主も寝泊まりしていること(原則として生活の本拠であること)」が絶対条件なのです。
「家主居住型」の最大のメリットは、管理業者への委託義務がないことです。
不在型の場合、どんなに近所に住んでいても、登録業者へ管理を丸投げしなければならず、これが利益を圧迫します。
しかし、居住型であれば、清掃も鍵の受け渡しも全て自分で行えるため、売上のほぼ全てが手元に残ります。
まさに、小資本で始めるには最強のスキームなのです。
【要件】住宅宿泊事業法の基本ルールと「180日制限」の壁
「家主居住型 民泊」を始めるにあたり、避けて通れないのが「180日ルール」です。
住宅宿泊事業法では、人を宿泊させる日数が「1年間(4月1日正午から翌年4月1日正午まで)で180日以内」と定められています。
これは、あくまで民泊が「住宅の空き部屋利用」という位置づけであり、本格的なホテル業(旅館業)とは区別されているためです。
多くの初心者がここで落胆します。
「1年の半分しか営業できないなら、儲からないではないか」と。
しかし、公的資料(国土交通省 民泊制度ポータルサイト)を確認すればわかりますが、残りの185日を「マンスリーマンション(定期借家契約)」として貸し出すことや、自分たちの生活スペースとして広く使うことは自由です。
むしろ、我々プロの視点では、この180日制限は「繁忙期(稼げる時期)だけに集中して営業し、閑散期は休む」というメリハリのある経営を強制してくれる「安全装置」だと捉えています。
週末や祝日、地域のイベントがある日だけ稼働させれば、180日あれば十分な収益機会を確保できます。
また、「居住要件」として、ゲストが滞在している間は、家主は原則として外出してはいけません(スーパーへの買い物など、日常生活に必要な短時間の外出は認められています)。
つまり、ゲストを放置して旅行に行くことはできません。
これを「拘束」と捉えるか、「ゲストとの交流機会」と捉えるかで、事業の成否は分かれます。
成功する家主は、夕食時にゲストに地元の日本酒を振る舞うなどして、レビューの評価を劇的に高めています。
【届出】許可申請よりも簡単?消防署・保健所手続きのリアリティ
「民泊新法は『届出』だけでいいから簡単だ」というネット記事を鵜呑みにしてはいけません。
法的には「許可(Permission)」ではなく「届出(Notification)」ですが、実務上のハードルは決して低くないのが現実です。
まず、管轄の消防署への事前相談が必須です。
一般住宅を宿泊施設として使う場合、たとえ自宅であっても「消防法上の防火対象物」としての扱いが変わります。
具体的には、自動火災報知設備、誘導灯(または誘導標識)、防炎物品(カーテンやじゅうたん)の使用などが求められます。
「家主居住型」かつ「宿泊室の床面積の合計が50㎡以下」であれば、特例として設備の設置基準が緩和されるケースが多いですが、これは自動的に適用されるものではなく、消防署との協議が必要です。
私が担当した案件でも、当初は「緩和規定でいける」と思っていたところ、2階の窓の形状が避難経路として不適切だと指摘され、窓枠の改修工事(約20万円)が必要になったケースがありました。
また、保健所への事前相談も重要です。
部屋の広さに応じた宿泊可能人数の算定(内法面積で一人当たり3.3㎡以上など)や、手洗い設備、換気設備の基準を満たす必要があります。
さらに、ゴミ処理についても自治体のルールが適用されます。
家庭ゴミとして出すことはできず、「事業系一般廃棄物」として処理委託契約を結ぶか、専用の指定袋で出す必要があります。
これらの「裏取り」をせずに、いきなりポータルサイトで届出ボタンを押そうとしても、添付書類(消防法令適合通知書など)が揃わずに門前払いされるのがオチです。
行政手続きは「段取り8割」です。
届出前に、図面を持って役所の窓口へ足を運ぶ。
この泥臭い行動こそが、最短のルートなのです。
【収入】自宅の一室で月いくら稼げるか?(54歳会社員のシミュレーション)
では、実際にどれくらいの収益が見込めるのか、具体的な数字で見てみましょう。
モデルケースは、先ほど挙げた54歳の田中さん(仮名)。
地方都市の一軒家(4LDK)、空いている2部屋(洋室)を活用する場合です。
【設定条件】
場所:地方都市(観光地へのアクセス車で30分)
提供部屋:2部屋(最大4名収容)
宿泊単価:1泊1室 12,000円(2名利用時)
稼働日数:月10日(週末中心、年間120日稼働で計算)
【月間の売上】
12,000円 × 2部屋 × 5日(週末稼働) = 120,000円
清掃費(ゲスト負担):3,000円 × 5組 = 15,000円
合計売上:135,000円
【月間の経費】
OTA手数料(Airbnbなど約3〜15%):約20,000円
光熱費増分:約10,000円
消耗品(アメニティ・トイレットペーパー等):約5,000円
廃棄物処理費:約3,000円
合計経費:38,000円
【月間の手残り利益】
135,000円 − 38,000円 = 97,000円
いかがでしょうか。
「月10万円弱か」と思いましたか?
しかし、これは「元手ほぼゼロ」で、しかも「自宅にいながら」得られる利益です。
年間で約120万円。
10年で1,200万円です。
この金額は、老後資金2,000万円問題の半分以上を解決するポテンシャルを持っています。
注意点が一つあります。
住宅ローン控除を受けている場合、自宅の床面積の「50%以上」を居住用として使用していなければ、控除が受けられなくなる可能性があります。
民泊で使用する部屋の面積が全体の50%を超えないように設計することが重要です。
また、この副業収入は「雑所得」(規模によっては事業所得)となるため、確定申告が必要です。
しかし、民泊に使った部屋のリフォーム代や、パソコン代、通信費の一部を経費計上できるため、節税効果も期待できます。
単なる収入増だけでなく、家計全体のキャッシュフローを改善する視点を持ちましょう。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 家主居住型は管理委託不要で利益率が高い。
- 180日制限は「週末起業」と割り切れば問題ない。
- 消防・保健所への事前相談なしの届出は自殺行為。
通常、不動産投資やホテル事業には多額の「初期投資(CAPEX)」と、失敗した時の「負債リスク」がつきまといます。
なぜ【家主居住型 民泊】は「リスクゼロ」の資産化戦略なのか
しかし、家主居住型民泊において、そのリスクは限りなくゼロに近づきます。
なぜなら、対象となる物件は「すでに保有している自宅」であり、新たな借金をする必要がないからです。
もし民泊事業がうまくいかなかったとしても、届出を取り下げて、元の「ただの部屋」に戻すだけ。
失うものは、少額の備品代と手続きの手間だけです。
これはビジネスの世界において、極めて特異な「ノーリスク・ハイリターン」の構造です。
しかし、リスクがないからと言って、適当にやっていいわけではありません。
むしろ、「失敗しても痛くない」という心理的な余裕こそが、大胆な実験(テストマーケティング)を可能にするのです。
私のクライアントであるBさんは、自宅の一室を「忍者屋敷風」にDIYしました。
普通のホテルでこれをやるのは勇気がいりますが、自宅なら「ウケなかったら戻せばいい」と割り切れます。
結果、そのユニークさが欧米系観光客に大ヒットし、今では予約の取れない人気宿となっています。
この「テストマーケティング」ができる経験こそが、将来リゾート物件を買う時の最大の武器になります。
「どんな内装が外国人にウケるか」「どんな写真を載せればクリックされるか」。
これらは本やセミナーでは学べません。
自宅で数百人のゲストを迎え入れた経験があれば、数千万円のリゾート物件を買う際も、自信を持って「勝てる物件」を見極められるようになります。
家主居住型民泊は、言わば「実戦形式の経営者養成スクール」なのです。
【メリット】初期投資(CAPEX)を極限まで抑える「テストマーケティング」
家主居住型の最大の強みは、固定費の低さです。
家賃(ローン)は、民泊をやっていなくても発生するコストです。
光熱費の基本料金も同じ。
つまり、追加でかかる固定費はほぼゼロです。
これに対し、新たにアパートを借りて民泊(転貸)をする場合、家賃が毎月発生するため、損益分岐点が高くなります。
コロナ禍のようなパンデミックが起きた際、転貸型の民泊事業者は家賃が払えずに次々と撤退しました。
しかし、家主居住型の人たちは無傷でした。
「客が来なければ、ただの自宅に戻るだけ」だからです。
この「死なない」強さは、ビジネスにおいて最強の防御力です。
浮いた固定費の分を、ゲストへのサービス(ウェルカムドリンクや高品質なリネン)に回すことで、大手ホテルにも負けない顧客満足度を叩き出すことが可能です。
【デメリット】同居のストレスとプライバシー確保の具体策
一方で、デメリットも直視しなければなりません。
最大の課題は「見知らぬ他人が同じ屋根の下にいるストレス」です。
お風呂やトイレを共用にする場合、家族(特に女性)からの反発は避けられません。
「パジャマでうろうろできない」「夜のテレビの音が気になる」。
こうした家族の不満が爆発し、廃業に追い込まれるケースも少なくありません。
これを解決するには、物理的なゾーニング(区画分け)が不可欠です。
私が推奨しているのは、「簡易的な鍵付きドア」の設置と、「動線の分離」です。
可能であれば、ゲスト専用のトイレ・シャワーを設置するのがベストですが、予算的に難しい場合は、「ゲストの入浴時間は21時〜23時まで」と明確にルール化し、その時間は家族がリビング等を使わないようにするなどの運用ルールでカバーします。
また、スマートロックを導入し、ゲストの出入りを管理することも精神的な安心感につながります。
「おもてなし」と「プライバシー」の境界線を引くこと。
これが家主居住型を長く続けるコツです。
【リフォーム】生活感を消し、高単価を狙う「100万円」の使い方
「自宅だから、ありのままでいい」というのは間違いです。
ゲストは「生活感」にお金を払うのではなく、「非日常の体験」にお金を払います。
仏壇が見える部屋や、家族の私物が散乱した玄関では、高評価は得られません。
もし手元に100万円の予算があるなら、以下の順位で投資してください。
水回り(トイレ・洗面台)の清潔感アップ:30万円
ウォシュレットの最新化、洗面台のボウル交換など。水回りの古さはレビューを直撃します。
寝具とリネン:20万円
ホテル仕様の厚手のリネン、質の良いマットレス。睡眠の質は満足度に直結します。
照明と壁紙(アクセントクロス):15万円
シーリングライトをダウンライトや間接照明に変え、壁の一面だけ色を変えるだけで、一気に「店舗」の雰囲気が出ます。
写真撮影(プロカメラマン):5万円
どんなに良い部屋でも、写真が素人(スマホ撮影)だと予約は入りません。ここは絶対にケチってはいけないポイントです。
残りの30万円は運転資金として確保します。
フルリノベーションをする必要はありません。
「写真に写る部分」と「肌に触れる部分」に一点集中で投資する。
これが、最小投資で最大効果を生むリフォーム術です。
💡 3秒でわかるまとめ:
- 自宅活用なら「撤退リスク」は実質ゼロ。
- 家族のプライバシー確保(ゾーニング)が継続の鍵。
- リフォームは「水回り」と「照明・写真」に全集中。